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【映画感想文】耳をすませば

10/14(金)から公開中の映画『耳をすませば』

漫画原作もジブリアニメも大ファンな私。2020年1月の情報解禁直後から待ちわびて約2年10か月、ようやく観に行けた。

率直な感想、とても良かった。期待を裏切らず、予想以上に楽しめた。とにかく無事に公開されて良かった。実写映画版の良かったところを私なりに3つ挙げてみた。

夢に対する捉え方と心の描写

「初志貫徹」「夢を追い続ける」という考え方がある。決してたやすいことではないし、それを貫き通せる人や実現させる人はすごくて立派なことだ。しかしそれだけではしんどいことも、太刀打ちできない時もある。

雫も聖司も中学生の時は中学生なりの悩みがあり、大人になってからも個々にもがきながら人生を歩んでいる。

そんな時には「心の声をよくきくこと」。よく耳をすまして。

「夢は変わってもいいと思う」この台詞にグッと来た。雫の心の描写が変わった時、はっとした。

ここ最近の私自身も、迷ったり諦めかけたりしたことがあったからだろうか。ほっと心が軽くなり、もう少しやってみようという気になれた。

音楽の巧みな技

劇中でキーワードになり、何度も登場する曲。ジブリ映画は『カントリー・ロード』、今回の実写映画は『翼をください』だった。

よくよく聴いてみると『翼をください』のアレンジが『カントリー・ロード』を彷彿とさせるようになっている。特にキーや使っている楽器、ワクワクするようなイントロのリズムが。ジブリやアニメ映画版のファンへの愛が感じられた。編曲した人、天才!

中盤のある演奏シーンは自然と鳥肌が立って、うるっとしてしまった。

エンドロールでは女優・杏さんが歌う。バックに流れる映像が素敵すぎるので、最後の最後まで席を立たずに見てほしい。

個人的オススメ登場人物

主人公の雫と聖司はもちろん、二人を取り巻く登場人物も素敵だったので少し紹介。

①杉村
雫の同級生。親友・夕子の想い人で、後に結婚相手となる。期待を裏切らない、お調子者。大人になるとちょっと良い事を言う。

②雫の先輩
実写映画オリジナルキャラクター。大人になった雫の職場である編集部の先輩。カッコいい女性。こんな先輩と一緒に仕事したいし、こういう先輩になりたい。

③高坂先生
保健室の先生。中学生の雫が夏休み中に、無理を言って図書館の鍵を開けてほしいと頼みこむ。声や喋り方、佇まいがアニメ映画から飛び出してきたと思った。再現率は雫、聖司を抜いてぶっちぎり1位(私調べ)。

おわりに

時代設定を1980〜1990年代にしたことで、今の中学生や20代半ばの人も、当時その年齢だった人も共感できて、より幅広い世代に受け入れられそうだと思った。

雫が物語を執筆するシーンで何度も「こういう机と本棚がほしい」と思った。イタリアのシーンでは切実に海外に行きたくなった。

しばらくはチェロの音色と『翼をください』が頭から離れなくなりそうだ。


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