南北朝鮮の標準時の統一が持つ意味

韓国と北朝鮮の標準時の統一

去る2018年4月27日、歴史的な南北首脳会談の後、北朝鮮が韓国より30分遅く設定していた独自の標準時を韓国時間に合わせることで合意した。そして、5月5日午前0時を基点に標準時を統一した。

日本植民地時代だった1912年から南北共に東京135度を基準とする標準時を使用してきたが、北朝鮮は3年前の2015年8月15日に光復70周年を迎え、奪われた朝鮮の標準時間を取り戻そうと、東京127.5度を平壌標準時として定めた。この時から、南と北には30分という時差が生じた。

標準時の登場

実は、時間の歴史を振り返ってみると、標準時が登場したのはそれほど昔のことではない。産業革命が勃発する前までは、西欧の各国は都市ごとに時間帯が違っていた。しかし、汽車という輸送手段が登場してからは標準時を統一することが急務となった。そうしなければ、乗客は各地域の境界線を越えるたびに時計を合わせなければならない不便が伴ったからである。

このような標準時制定に最初に乗り出した国は英国だった。英国は1855年、国のほとんどの鉄道会社が1848年に定められたロンドン標準時(London Time)を導入し、1880年には正式に法制化した。米国の場合も、1883年に標準時間帯が導入された。ドイツの場合は、標準時導入に対する賛否の意見が拮抗した。しかし、過去の戦争で勝利することができたのは時間に合わせて軍隊が到着したからだというヘルムート・フォン・モルトケ(Helmuth von Moltke)将軍の議会演説(1891年3月)を契機に標準時の導入が可能になった。

このように西欧での標準時は、産業の必要により、また、軍事的な理由で導入され始めた。

政治的権力を象徴する時間

東洋の場合は、時間を統治手段として活用することがあった。昔の中国の皇帝は、周辺国が自分の年号を受け入れることを自分の統治に服することと同一視した。そうせずに自分の暦(こよみ)を別に作って使うことは、自分への抵抗と挑戦として受け取った。

韓国の場合も、王が新しい年号を定めて統治を正当化するのはよくあることであった。北朝鮮も1994年、金正日が自分の父金日成の誕生年である1912年を新しい時代の出発点としたことがある。それほど時間は政治的独立と関連が深いものなのである。韓国は解放後、日本植民地時代の基準時である東京標準時からソウルの基準時に変えたが、6・25時に再び東京基準時に変えることになる。それは作戦権を持つ米軍本部が東京にあったからである。

今日、原子時計は、米国コロラド州Boulderにある国立標準局(NIST)の原子時計が世界標準時(UTC)の基準である。これは、米国が世界最強国であることを象徴していると言える。また、英国が世界経度の基準点をロンドン近くの天文台であるグリニッジを通過する地点に定めたことも、19世紀の世界最強の海洋国家として成長した国力のおかげである。

中国も21世紀を迎えて「21世紀は中国人が世界を主導する新しい世紀になるだろう」とし、「中華世紀団」という巨大な日時計も建築した。これは中国が世界の超強国になるという抱負を象徴的に示すものでもある。

南北朝鮮の標準時の統一が持つ意味

南北標準時の統一は、今後予想される南北朝鮮間、米朝間の交流協力の障害物を除去しようという北朝鮮の意志を示す出来事と解釈されたりもするが、上述した時間の歴史に照らしてみると、これはさらに大きい意味を持つと考えられる。

すなわち、過去、標準時の導入以後に鉄道産業が発達したように、南北朝鮮の経済協力のための基盤を用意したとも見ることができ、戦争に勝利するために標準時の導入が必要だったように、南と北がこれ以上戦争をしないという約束において勝利するという意志の表現とも考えられる。さらに政治的権力を誇示するために時間の主導権を握ろうとする列強のように、今後南北が世界最強国として成長するだろうということを示す象徴のような出来事だとも見ることができる。

2018年になって急激に変化した南北朝鮮の雰囲気に人々が驚いている。だが、このような歴史的転換はただ偶然に成されたのではない。単純に30分ずれていた南と北の標準時を統一することからより多くの象徴と意味を見出すことができるように、常に肉的な変化の裏には霊的な変化があるからだ。

「神様はニュースによってすべてを語らせ、自ら悟るようにされる」「ニュースを見て世の中が動く情勢を見ながら悟りなさい」と言う。人類の平和のために毎日切実に祈るその力と神様の働きかけが時と連動して動きながら、南北朝鮮が平和の雰囲気に転換されたのを見なければならない。標準時の統一の中にも垣間見ることができる神様の御働きである。そして平和に向かう動きが継続されることを願う。

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