歴代人類最高の金持ち

歴代の金持ち

現在、世界最高の金持ちで約789億ドルの財産を持っている人は、マイクロソフト(MS)の創始者ビル・ゲイツである。ところが先日、タイム誌で人類歴史の中で一番の金持ちは誰かを選定したところ、ビル・ゲイツは9位にすぎなかった。

では、歴代人類最高の金持ち1位は誰だったのだろうか?他でもなく13〜14世紀のアフリカ・マリ王国の全盛期を導いた統治者「マンサ・ムーサ(Mansa Musa)」であった。当時マリは世界の金の半分以上を生産していたが、金の大部分を直接管理していたという。イスラム信者であったマンサ・ムーサは1324年、夫人800人、奴隷1万2千人、ラクダ100頭を率いてメッカ巡礼に出発したが、行き来する道で貧しい人々に金数十トンをばらまき、そのせいで彼が通り過ぎた都市の金の価格が10年間暴落したという話が伝えられている。

マンサ・ムーサに次いで歴代最高の金持ち2位にランクインした人は、ローマ帝国の皇帝アウグストゥス(Augustus)であった。彼の富は現在価値で約4兆6千億ドル、すなわち、5461兆ウォンに達すると推定されている。当時のローマは世界の富の25〜30%を占めていたが、そのうちアウグストゥス個人の富が国家経済の20%を占めていたという。

現代の人物の中では、旧ソ連の支配者スターリン(Joseph Stalin)が5位、米国の鉄鋼王アンドリュー・カーネギー(Andrew Carnegie)が6位、石油王ジョン・ロックフェラー(John Davison Rockefeller)が7位を占めた。

ところで、このような金持ちの話を聞いていると、わけもなく羨ましいと思いながら、私はいつ金持ちになれるのかなと考えてしまうのは事実である。特に今日では、金持ちが単に富の所有者ではなく、成功の代名詞のように考えられているので、もっとそうである。しかし大概、金持ちを見ると、ほとんどが自分の努力で金持ちになった独立独行型金持ちが多い。非常にごく少数だけが富を受け継ぐか、幸運によって金持ちになったのである。

金持ちの生活方式の7つの共通要素

「韓国の金持ち」という本を読むと、金持ちの特性を次のように記述している。金持ちは節約して貯蓄する習慣が身についており、常に勤勉で誠実である。また、情報を重視し、自己啓発に努め、誠実かつ信用を重視する。さらに原則と基本に忠実で、楽観的であり、実践力が強い。

米国の百万長者千余人を研究したスタンレー博士は、金持ちの生活方式における7つの共通要素を抜き出したが、金持ちは自分の富に比べてはるかに質素に生活し、時間、エネルギー、お金を効率的に配分して活用し、富の誇示ではなく、財政的独立を重視し、成人した子供に財政的支援をせずに経済的に自立させ、お金を稼ぐ機会をつかむのに長けており、適切な職業を選択したという。

このように、金持ちは分かってみると、勤倹節約や自制、時間管理、人脈管理、格別な洞察力などによってお金を集めた金持ちが多い。ところが、我々の社会は金持ちを良くない視線で眺めることが多いが、これは空腹は我慢しても腹が痛い(訳注:韓国語で「腹が痛い」には「妬ましい」の意もある)のは我慢できない一種の妬みと嫉妬から出てくる場合が多い。もちろん金持ちがノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)やリシェス・オブリージュ(richesse oblige)を実践していない場合はあるが、だからといって、正当な競争で勝利した金持ちを否定的な見方でばかり見るのは直すべき態度であることには間違いない。

真理と愛の金持ちに

しかし、金持ちは見方によれば、相対的な概念である。つまり、お金がなくても金持ちになれるし、お金が多くても貧しくなりうる。重要なのは、どのくらい自分たちの生活・人生に満足しているかである。

旧約の箴言30章に出てくる「貧しくもなく、また富みもせず、ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください」というアグルの祈りが、むしろ私たちが望む最善の人生かもしれない。肉的な富も大事だろうが、真理と愛が一兆千万金にもなる霊魂の金持ちとして生きていきたい。

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