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自主映画って仕事に繋がる?

おはようございます。映像業界歴約20年、自主映画歴15年以上の哉司です。
Youtubeで自主映画応援チャンネルと言うものをやっていまして
「自主映画で賞を取って映像業界で食べていきたいんです!」
と言う方がいたので【自主映画って仕事に繋がる?】について書きます。

答えは「繋がらない」

我慢できずに最初に答えを書いてしまいました。
一言で言うとこれが全てです。
自主映画業界で有名になっても映像業界だけで食べていけるようになるまでは5~10年はかかる場合が多いです。(周りの自主映画監督談)
就職はしやすくなりますが、会社を興したり個人事業主としていく場合はこれくらいは必要です。
ではなぜ仕事に繋がらないのか?これを解説していきます。

仕事に繋がらない理由

クライアントが映画祭を知らない

映像業界で仕事をもらうためには発注側のクライアントに自分の技術を知ってもらう必要があります。
その点で自主映画は知名度が低すぎます。
映像業界のクライアントも映画祭を見に行っている方は極少数で関係ないのに趣味で見ている方なんて本当一握りです。
そんな状態で賞を取ったところで知ってもらえないのが現状です。

知名度に繋がらない

皆さんは知っている自主映画ありますでしょうか?
【新世紀エヴァンゲリオン(新劇場版)】【カメラを止めるな】近年(?)映像業界以外でも話題になった自主映画はこれくらいでしょうか…?
映像業界の人間も知らない受賞作品なわけですが年によっては映画祭荒らしのように映画祭で受賞しまくっている作品もあるのに全く知られていません。
何作も映画祭受賞している監督も沢山いますが賞を取ったところで知名度にほとんどつながりません。

知らない人より知ってるYoutuberに…

名をあげるために映画祭に出したのにクライアントさんにはほとんど知られない…それだったら有名なYoutuberさんにお願いしたい!
そういうクライアントが多いです。
最近は自主映画のレベルも上がって受賞作品はお金が結構かかるようになりました。もしくはボランティアで役者やスタッフに手伝ってもらうやる気搾取の作品が大半です。
Youtubeで知名度を上げるのも大変ですが、わざわざ自主映画で知名度を上げるのはより難易度が高いと考えています。

仕事につなげるには?

映像製作の大半は【生産したものを売る仕事】ではなく【指定された条件の物を作って買い取ってもらう仕事】です。
クライアントは当然のごとく条件の良い人に発注します。
そして大切なのは【企業イメージに直結する】ところにあります。
そのうえで仕事につなげるためには以下が大切になってきます。

  1. 良いものを作ることが出来る

  2. 安くできる

  3. 知名度がある

  4. 熱意

当たり前に見えますがこんなところかと思います。

1.良いものを作ることが出来る

これは実績やポートフォリオで判断されることが大半ですが、受注生産であることが多い映像製作の品質保証と期待感を計られることになります。
結構大切で安くても悪い映像であればクライアントは世に出せないことになります。そのため一番大切なところです。

2.安くできる

クライアントの大半は営利目的の相手となります。
そのため予算を抑えることも一つの指標になります。
これはクライアントと映像の用途にもよるのですが費用対効果と言う意味でもあって、使うか使わないかわからない映像に監督/北野武・歌/米津玄師・出演/橋本環奈…のようなバカなことはしないですよね。
それだったら社員より少しはマシ程度の安いクリエイターで良かったりします。その程度の場合数万円~十数万円の予算となり「安い」は大切になってきます。

3.知名度がある

知名度には2つの意味があります。
ひとつは上にも挙げた「品質保証と期待感が得られる」という点です。
もうひとつは「宣伝効果が上がる」という点です。
クライアントはせっかく作った映像は多くの方に見てもらいたいと思って広報します。
そのうえで知名度があると言うのは強いアドバンテージとなります。

北野武監督が作ったACのCM!
新海誠監督が作った沼津市のPV!
庵野秀明監督が作った関ケ原古戦場記念館のサイネージ映像!

こんなの聞いたら見て見たくなりませんか?(僕の勝手な妄想です)
知名度があると言うのは作り手側も受注しやすく、クライアント側からしても話題性がありwin-winですね。

結局はブランド化

何のために自主映画を撮り、映画祭で賞を取りたいかと言うと大体の監督は「作品を多くの方に見てもらいたいから」
「知名度を上げたいから」

だと思います。
知名度が上がれば作品も見てもらえるし、仕事も来るし…
と思っていますが結局映像業界で食べていけるようになるのに5~10年くらいかかるのは
【ブランド化するのにそれくらいかかるから】
これではないかと思っています。
監督は完全な技術職ともいえず、「この人に頼むべきだ!」ととてもなりにくい職業です。
そのため仕事に繋げたいのであれば【映画祭で賞を取る】よりも自分のブランドを作り上げるもっと良い方法が現代ではあると思います。
自主映画をやっていても大半の監督は「監督なんですか?!凄い!」や「ネットで作品見れますか?」止まりで直接はほとんど仕事に繋がりません。
映像業界で食べていきたいのであれば【自分をブランド化】することを考えながら、同時に実績と技術を磨いていく事が良いでしょう。
有名だけど技術不足、技術凄いけど誰にも知られていない。
そんな風にならないようにお気を付けください!

次回予告

次回は気が向いたら僕の「自主映画作品の売り上げはどんなもんか?」といったことを書いてみたいと思います。
と言うことで上にもちょこちょこ貼ってある監督(出演)作「殺し屋ジャスティスレッド~必殺!レッドフラッシュ!~」をよろしくお願いいたします!

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