![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146782934/rectangle_large_type_2_973d95e1f5540900bbbe3374d3484a17.jpeg?width=1200)
博報堂生活総合研究所「若者調査 30年変化の結果1994/2024」をまとめてみました。
博報堂生活総合研究所から「若者調査」30年変化の結果を発表~親子/交友/働き/学び/環境などで大きな変化~が発表になっています。
「ひとり」についての調査:「ひとり意識・行動調査 1993/2023」に続いて30年間の対比になっていて興味深い資料です。
若者調査の30年を僕の視点で最初に整理してしまうと…
家庭での親子関係は父親から母親が担う部分が増え、交友関係では、そばにいて欲しい人は異性から同性に。お金はいつの時代も重要だけど、欲しいものはツキ、運、能力、幸せ、恋人から、時間、自由、安定した暮らし、容姿へ。就職は大企業志向が増え、リスク回避の傾向が目立ち、学歴で差がつくことを諦めてしまうことも…環境配慮の意識は低下…ということでした。
では、詳細を見ていきましょう。
この30年間で、日本の若者をめぐる生活環境は劇的に変化しました。1994年と2024年の調査結果を比較すると、その変化の深さと広がりが明確に浮かび上がります。
家族関係の変容
最も顕著な変化の一つは、家族関係、特に親子関係の変化です。かつては父親が家庭の中心的存在でしたが、今や母親の存在感が大きく増しています。
「尊敬する点が一番多い相手」として母親を挙げる割合が14.6ポイント増加し、父親を上回りました。さらに、「自分の価値観や考え方に一番影響を与えている相手」としても、母親の影響力が19.6ポイントも増加しています。
興味深いことに、親子の共通の趣味も増加しています。特に母親との共通の趣味を持つ若者が50.7%から71.5%に増加し、20.8ポイントもの伸びを見せています。これは、親子関係がより親密になり、共有する時間や興味が増えていることを示唆しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1720560562270-DLD7cCaJ0o.jpg)
恋愛と交友関係の変化
若者の恋愛観や交友関係にも大きな変化が見られます。最も驚くべき点は、デートをする相手がいない若者の割合が45.2%から67.3%に増加したことです。これは、いわゆる「恋愛離れ」の加速を如実に示しています。
さらに、若者の人間関係の重心が異性から同性へとシフトしています。「自分にとって居心地のいい組み合わせ」や「落ち込んだ時に一番そばにいて欲しい相手」として、同性を選ぶ割合が20ポイント以上増加しました。これは、友情や同性との絆がより重視されるようになったことを示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1720560578975-Ndo3JTGgQD.jpg)
価値観とキャリア志向の変化
若者の価値観やキャリア志向にも大きな変化が見られます。「学歴で将来差がつくのは仕方がない」と考える若者が46.3%から72.7%に増加し、26.4ポイントもの上昇を示しています。これは、学歴社会の現実をより強く認識するようになったことを示唆しています。
同時に、就職に関しては大企業志向が強まっています。ベンチャー企業よりも大企業を選ぶ若者の割合が39.1%から63.0%に増加し、23.9ポイントの上昇を見せています。これは、安定志向やリスク回避の傾向が強まっていることを反映しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1720560626257-iMt3hXYrkN.jpg)
環境意識の低下
一方で、懸念すべき変化も見られます。環境に対する意識が低下しているのです。「環境を考えた商品であれば価格が高くても買う」と考える若者が22.4ポイント減少し、「環境を守るためなら、今より不便な生活でもガマンできる」と考える若者も22.1ポイント減少しています。これは、環境問題に対する若者の態度が変化していることを示しています。
最後に
この30年間で、日本の若者の価値観や生活様式は大きく変化しました。家族関係では母親の影響力が増大し、恋愛離れが進む一方で同性との絆が重視されるようになりました。キャリアに関しては、学歴の重要性を認識しつつも、安定志向が強まっています。
しかし、環境意識の低下は社会全体で取り組むべき課題となっています。これらの変化は、社会経済的な要因や技術の進歩、価値観の多様化など、様々な要因が複雑に絡み合った結果だと考えられます。
今後の30年で、これらの傾向がどのように変化していくのか、そしてそれが日本社会全体にどのような影響を与えるのか、注目に値します。
若者の価値観や行動の変化は、過去と現在、そして、未来の社会の姿を映し出す鏡であり、これらの調査結果は今後の社会政策や企業戦略を考える上で貴重な示唆を与えてくれます。
博報堂生活総合研究所の調査で30年の差を見ることは流行りの世代論を読むよりも有意かもしれません。
博報堂生活総合研究所の「若者調査」についての詳細はこちらからどうぞ。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。
参考:「若者調査」30年変化の結果を発表~親子/交友/働き/学び/環境などで大きな変化~ の調査設計はこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1720560704292-Ewkvoahq7p.jpg)
よろしければサポートをよろしくお願いいたします! みなさまのお役に立てるようにこれからも活動を続けます! 今後ともどうぞご贔屓に!