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クライアントさんと広告代理店の関係はどうあるべきか?改めてC-Level・役員レベルの関係に注目したい

クライアントと代理店の理想的な関係はどうあるべきか? 
特に日本でのエージェンシーサービスを考える上で、この問いは僕にとって最近の最も大きなテーマです。独立・起業するきっかけにもなりました。


クライアントさんと代理店の関係については当たり前ですが、広告ビジネスの出発点です。

マルチエージェンシーとマルチクライアント


日本ではクライアントと広告代理店の仕組みが異なります。
いわゆるマルチエージェンシー・マルチクライアント型でサービスを展開することが一般的です。
クライアントコンフリクトの概念が欧米型のクライアント、グローバルエージェンシーとは違います。
もちろん日本のエージェンシーは社内にしっかりしたファイヤーウォールを持っています。
日本のエージェンシーサービスはクライアントの「企業レベル」に対してコミットするというよりはクライアント個別商品や個別組織に「マーケティング・広告関連サービス全般」の外注先としてアサインされる傾向があると僕は考えています。

先日Marketing Weekで気になる記事を読みました。*すみません、英語版のみです。

その記事から自分にとってまさに重要だと思う部分を抜粋します。

There has also been a “real focus on upping the bar on marketing”, Quincey said. The company has been undergoing what its CMO Manolo Arroyo termed last year the “largest transformation” its marketing function has ever undergone. This has seen it focus on innovation, effectiveness and portfolio, and has included an overhaul of its agency structure.

このCMOのコメントの最後にある「has included an overhaul of its agency structure」というところが最重要ポイントです。

ビジネスの成功について、日本市場でCレベルの立場にあるクライアントさんの役員の方がサービスを提供する広告代理の仕組みにまで踏み込んでコメントすることは稀です。
日本の広告業界メディアでもこのような記事を目にすることはあまりありません。
市場特有の個別の制約がありますが、日本市場においてクライアントのC-suite-Levelとの開かれた関係を進化させる必要を感じます。

「よろずもめごと、代理店」ではありますが…


僕の経験も含めて申し上げると、広告代理店側が施策レベルの役割にとどまらず得意先ビジネスの継続性の観点を持ちサービスを提供すること、クライアント側もパートナーとしての代理店に対する期待をしっかり明示することなど、意外と基本的な部分が欠落していることが多いです。

マルチエージェンシー・マルチクライアントシステムが日本では一般的なことはすでに記載しました。日本型広告代理店は広告関連業務の「よろずもめごと」に対応します。実にこの揉め事は多いのです。得意先の揉め事を買って、メディアを売るというのが仕組みでもあります。
昨今のビッグモーターの件で露呈しましたが、一般的にいう「代理店の仕事」は不透明な部分が沢山あります。
「レモン市場」であるメディアビジネスを背景にそのシステムを可能にしている「巨大なサイズ」の日本型代理店においても透明性が必要です。
その透明性と得意先のサプライチェーンにおける具体的な提供サービスをもとにしてC-Levelとのコミュニケーションが加速していきます。

参考:NikeとW+Kも最初はギクシャクしていたようです。こちらの記事で当初の関係性に少しだけ触れています

広告系の専門性の高い人たちの存在に注目


翻って、サイズが大きくないけれども個性的な代理店、独立系の代理店においては、現状の日本型広告代理店サービスとその報酬体系から少しだけ自由になるだけで、持ちうるリソースの全てを特定の得意先に向けることが可能になります。
ここに日本市場におけるエージェンシービジネスの次の大きなチャンスがあります。これがOpen Platformサービスを僕が提言する根拠の一つです。

得意先起点のオープンプラットフォーム型サービスを提唱することは日本型のエージェンシーモデルを否定することではありません。
何よりも日本型のエージェンシーは非常に優秀な人材が集まっています。いわばその社内には代理店が最も大事にすべきCreativityが溢れています。
その創造力を得意先ビジネスに向けて解放するためには「垂直統合型」から「水平統合型」のサービスへの転換を進めていきましょう。
そしてそのサービスの中心には「代理店側の利益代表者」ではなく「得意先ソリューション開発・実行責任者」の営業職が存在します。Open Platformがが目指すことの一つは課題解決の中心にいるべき営業職の再定義=復権です。

クライアントの成長にコミットする


日本にもインフレーションの時代が到来しました。
成長に対する貪欲さが求められます。今後の日本のクライアント側にもより専門性が高く責任を伴うChief Growth OfficerやChief Revenue Officerの出現が予想されます。
私たちはこれから起きる変化(もしかしたらすでに起きている変化)に向き合う準備が必要です。

このチャンスを逃さないためにも、このOpen Platform Agecnyに興味のある方、ぜひ議論と実践を一緒に続けていきましょう!
Open Platform Agencyが解決することはマーケティングにおけるブランド創りです。
さあ、一緒にブランドを創りましょう!
 

おまけ:“Hilltop” Re-imagined for Coca-Cola, Project Re: Brief by Google


もう10年以上前なのですね。
GoogleのProject ReBrief
主体になってトラディショナルなBIG IDEAをRebreifしていくとう企画。
人のココロに届くIDEA=Brandは古くならないということを教えてくれた企画です。
広告はいつの時代も最もインパクトのあるテクノロジーと最適なメディアをパワフルに活用することでIDEAをターゲットのココロに届けてきました。それは今も、これからも可能です。
テレビという仕組みがない時も広告は存在しました。
新しいテクノロジーの登場はよりBIG IDEAを輝かせるということです。

プロジェクトの背景がわかるビデオ。
こちらの方が学びがあるかもしれません。
トラディショナルとかデジタルとか、テックとか線を引かず、一つのプロジェクトチームとして、それぞれの役割を全うすることの大事さ、チームワークのワクワクが伝わってきます。
Harvey Gaborさんの言葉には引き続き広告系を魅了するチカラがあります。ぜひご覧ください。


 UnsplashTaras Chernusさんが撮影した写真をヘッダーに使用しました。


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