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広告的タイアップにおける広告代理店の責任と役割:アーティストと企業の関係を考える

広告的タイアップは、現代のプロモーション手法として広く活用されています。アーティストと企業が協力し、広告キャンペーンなどのプロモーション活動を通じて、双方の利益を高めることを目的としています。

今起きているMrs. GREEN APPLE「コロンブス」をめぐる騒動を傍観するのではなく、アーティストとコマーシャリズムの間を取り持つ事務所や広告代理店、出版社やレコード会社、そして放送局をはじめとしたメディアが単なる「取次」ではなく、それぞれが本務として果たすべき「責任」について考える契機にしましょう。

広告的タイアップにおいて、ミュージックビデオと広告表現は個別の著作物として成立します。

タイアップの手法はターゲット顧客を中心にした話題性や情報拡散、エンゲージメントにおいて効果があります。

大物アーティストと大手クライアントについてはその効果は大きくなります。

ターゲット顧客へのプロモーションにおいて、双方の利益を上げることが目的ですが、費用をかけずにお互いが効率的な「相乗り」を優先すると、大きな効果が期待できません。

タイアップの仕事は、企業側とアーティスト・クリエイター側、両者・両社のエゴと主張がぶつかる場所でもあります。

マスマーケティングを前提にした「損得」での議論がタイアップの業務では必ず存在します。

その議論において、社会的責任の視点が提示できるか、双方をつなぐ仕事である広告代理店と事務所・レーベルの担当者レベルで認識される必要が今回のケースから学ぶべきポイントです。

具体的には、クリエイター側の権利保護や適正な報酬、作品の質を守ることが重要です。この権利を守ることは、企業にとってのコンプライアンスとブランドセーフティーを遵守することと同義です。

そして、契約書や目論見書があるかなど、基本的な確認からはじめる必要がありそうです…。

「こんな炎上騒動があったね」で終わりにしないために、できるだけ多くの関係者の方が問題意識を持ち、自分なりの考えをまとめて、より良い広告的タイアップ活動に活かしていきましょう。

企業の社会的責任が増す中で、話題性を追求して「効率的に」ターゲット顧客にリーチすることをタイアップ手法に求めることで何が起きるか、企業のブランドセーフティーを広告表現だけではなくマーケティング視点で管理運用することが広告代理店に求められています。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

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