ユーザーニーズを反映して美容とケアが交わる「口紅」Vs.「リップクリーム」市場。勝負の分かれ目を探していたら、なんだか花王が設計した市場に見えてきた。
コロナを理由にしたマスクを必要としない冬がそこまできています。
暖冬と言われていますが、乾燥の季節はすでにやってきているようです。
復活するリップクリーム市場
記事によるとリップクリーム市場が好調です。
戦線を拡大するリップクリームが、口紅との境界線で戦いが起きています。
シン・プライシングコンペティション
記事には明記されていませんが、円安や原材料の問題もありリップクリームの値段が消費者の「過去の記憶」よりも上がっています。
単に原材料の問題を価格転嫁するのではなくProduct側の高機能化・多機能化で消費者との合意(納得度合い)の形成を目指しています。
健康的なアプローチです。
消費者ニーズの反映
そして活性する市場
4年ぶりに明るい兆しです。
以下のチャートを見ると回復度合いが分かります。
美容とケアが交わる「漁場」
口紅側は多機能+アフォーダブルなプライシングで市場を魅了しています。
美容とケアが消費者ニーズを背景に機能(Product)を通じて価格(Price)が接近する中で、ドラッグストアなど流通(Place/売り場)での戦いも激化していることは想像に難くないですね。
そうなるとPromotion勝負?
消費者のニーズの変化に伴い本来の境界線が曖昧になりケアと美容の市場が交わっていく中で企業や商品サービスがターゲット顧客と共有・共創できる価値が問われています。
まさに、バフェットさんが言うところの「Price is What you pay, Value is What you get」で勝負をすることになります。
Value、つまり、どんな意味を顧客は手にするのでしょうか?
マーケティングを考えると、企業が今までターゲット(もしくは市場)の心に刻んできたものがとても大きく左右します。ブランドということで理解されているものです。まさにブランド資産ですね。
上記ランキングを見ていただけるとお気づきになるかと思います。
高価格帯の商品を買っているターゲット顧客と従来型リップクリームを買っている顧客の違いが見えてきます。
花王は美容(ビューティー)カテゴリーでの実績があり、高機能+高価格帯の商品は新たに市場投入した「キュルレ」名義です。
同じ花王でもニベアは600円前後までが上限になっています。
近江兄弟社やDHCは美容側への進出は難しいでしょう。
手元に口紅のランキング資料はありませんが、記事中にあるように高機能+アフォーダブルプライスで同じく花王のケイトがポジションをとっています。
つまり、冬の唇をめぐる美容とケアの市場は花王を中心に展開されることになります。
記事からは完全には読み取れませんが、花王が設計した市場と理解できます。
原材料+円安+インフレによる価格高騰でValueの重要性が変わった?
従来は「値段が安いことを持ってValue」とすることが多かった日本市場です。
改めてバフェットさんのキーワードで整理すると、「Price is what you pay , Law Price is what you get」でした。
僕自身は「安い」という言葉は普段あまり使わず、値頃感(Resonable)や手が届く・手が出しやすい(Affordable)を好んで使います。
今までのようにターゲット顧客が想定・期待していた価格より値段が安くなることがない現状です。
顧客と共創するValueを明快にする重要性が際立ってきています。
別の日経の記事から
トマト農家のチャレンジです。
記事中で手嶋さんの生産する「男気トマト」をブランドトマトとしています。
その通りだと思いますが、記事におけるブランドと僕の考えるブランド(およびブランド活動)とは異なります。
これは後ほどChat GPT4とまとめてみましょう。
男気トマトは手嶋さんが市場に「問いたい」気持ち(これはValueですね)が詰まったネーミングになっています。
質問:「名は体を表す」について150字で説明してください。
ここでマーケティングにおけるブランド活動の重要性を理解するために、ネーミングとブランディングについて対比しておきましょう。
質問:「ネーミング」と「ブランディング」についてマーケティングの観点で対比してまとめてください。300字でお願いします。
Chat GPT4さん、ご明察。
マーケティングにおいてブランディングは意味をつくることです。
男気トマト、価値が名前に見える商品です。
見かけたら是非手に取って価値の共創をしてみたいと思います。
生き残りをかけての積極的に動く人が増え始めた
上記の手嶋さんのケースに限らず、補助金などを当てにせず、そして、現状維持を持って成長とせず、自助努力でこの難しい局面を乗り切ろうとする動きが目立ってきたように思います。
グロースマインドが現れています。
成長にはマーケティング、そしてプロモーションが重要になってきています。
広告代理店こそ率先して変わろう!
マーケティングにおいてプロモーション領域に貢献すべき広告代理店がValueについてしっかり考えて行動しないと生き残り線から脱落することになります。
IDEOのレイオフのニュースでデザイン思考が敗北したという考え方ができます。
広告代理店が好んで使うキーワードで自分自身をシュガーコートすることは難しくなってきています。
マーケティングにおけるプロモーションへの貢献へまず立ち返って、クライアントのマーケティングチームの一員として何をすべきが熟考して行動に移すべきときが来ました。
広告代理店のみなさん、自分たちの意味を定義しましょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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