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4°C名前隠した「匿名宝飾店」の次の手はどうあるべきか?各種記事からデコンして勝手に次の課題設計を考えてみます。
実は4°Cでした
「匿名宝飾店」がマーケティング界隈で話題になっています。
従来の戦略を自ら否定するとも言えるとても大体な試みです。
思い切ったなーと正直思います。
一般的な評価も高いです。
取材記事が出揃ってきました。
残念ながら僕自身はお店を訪れることができませんでした。
記事を元にプロモーションの観点で4°Cの問題をディコンストラクションして、匿名宝飾店の次の手を勝手に考えてみました。
取材記事です
東洋経済の記事から著者の城戸 譲 さんのコメントを以下に抜粋させていただきました。
4°Cが直面している問題
認知度が高い4°Cという名前と実際の商品・サービスとの乖離に問題が生じており、そのギャップがSNSによって大きく顕在化していたということのようです。
実は4℃は、SNS上で「ネタ」として扱われることも多く、なかば「イジられるポジション」として位置づけられている風潮があった。ネガティブなイメージを、あえてテコにするようなプロモーション施策とあって、称賛の声が集まっている。
そこで今回は、匿名宝飾店をフックに、ネット普及による「ブランドイメージの固定化」について考えてみたい。
このニュースを聞いて、まず筆者は「想像以上に4℃は、イメージを気にしていたんだな」と思いつつ、みずからの力で覆したことに感心した。それだけネット上では、ブランドイメージが、雑に扱われていたからだ。
「4℃」と検索しようとすると、予測キーワードの中に「炎上」も含まれる。これは別に、4℃そのものが炎上しているのではなく、4℃をめぐる「ネットユーザーの価値観」が話題になっていたことによる。
特に有名な例は、数年前に起きた「30代へのプレゼントとして、4℃はいかがなものか」といった論争だ。X(旧ツイッター)や「Yahoo!知恵袋」の投稿をみると、「大学生など10〜20代向けで、『オトナ』には合わない」といった理由から、「ダサい」と判断するユーザーはそれなりにいることがわかる。
問題は二つ
城戸さんの客観的な記事を読ませていただくと問題は二つありそうです。
1:知名度と提供する商品・サービスの実態のギャップの問題
2:ターゲット顧客の問題
まず1についてです
有名ブランドという言葉がありますが、知名度=ブランドという認識が日本ではなされることが多いですね。
知名度を上げるということにプロモーションの努力をするアッパファネル志向が引き起こした問題と捉えられることもできます。
2についてです
城戸さんのコメントの後半部に「30代へのプレゼント」論争が記載されています。
デモグラフィックでターゲットを設定することが引き起こす問題について考えることができます。
値段が手頃=大学生ということで商品・サービスを提供しているわけではないはずですが、「大学生向け」と受け取られてしまった原因はどこにあるのか、Valueを共創するターゲット設定は今回の「匿名宝飾店」だけでは解決できない問題です。
課題設定は?
知名度へマーケティング・プロモーションを傾注していたところを店舗での商品体験に置き直した戦略変更とも取れます。
もちろん今回の商品体験がSNSに流通することを狙っていることは織り込み済みのはずです。
Yahoo!の記事(Business Insider Japanの取材)に4℃を展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツの瀧口昭弘社長のお話が載っています。
瀧口社長はBusiness Insider Japanの取材に対し、「一部の色々なお話は真摯に常に受け止めています。(4℃のジュエリーを)触ったことがない方たちが、ブランドイメージを語る。それはそれで自由だけれども、触ってみてもらいたい。 その上で何を言われてもそれは仕方がないことなので、そういう意味では誤解を解きたいなっていう思いもありました」
気になるのは「イメージ」という言葉。
「イメージ」というワードが匿名宝飾店をめぐる記事の中に出てきます。実態を伴わないイメージはどこから来てしまったのか、その問題は掘り下げられているのか、気になりました。
もしかすると、「イメージ」が本当の問題かも知れないですね。
Yahoo!の記事タイトルにはありますが、現代はSNSからは離れられないので商品体験を伴うValueを提供することを店舗に求めているという企業の意志を感じます。
「ジュエリーショップにありがちな気疲れや緊張感から解放されて、ジュエリーと向き合う時間がもっと楽しく、 新しい店舗体験を提供したいという思いを込めております」(瀧口社長)
アドタイの記事からエフ・ディ・シィ・プロダクツ広報 神島涼子さんの発言を抜粋させていただきます。
今回匿名宝飾店を行った目的(課題設定)が丁寧に説明されています。
「2022年で創業から50周年を迎えた4℃。ブランドの名前を皆さんに知っていただけた一方で、誰もが知っているからこそ、ブランドのイメージが固定化されてしまう、という課題もありました。一方で、4℃ではサステナブルジュエリーやジェンダーレスジュエリーなどの取り組みも始まっており、4℃の新しい一面や進化を知っていただく機会をつくりたいとも感じていました。そこで、ブランド名を冠さずに、ジュエリーそのものを見て、触れていただく体験をつくることで、4℃の原点でもあり、こだわり続ける『ものづくり』を皆さんにどのように感じていただけるかを知りたいという思いで、『匿名宝飾店』を企画しました」
「SNSによってブランドへの意見が見えやすくなり、4℃に関しても、進化するジュエリーそのものよりもブランドイメージへの意見に触れる機会のほうが増えてきています。そこで、もう一度無名だった創業当初のように、つくっているひとつひとつのジュエリーに対して、お客様の生の声を聞き、今後のジュエリーづくりに生かしたい。そして、ものづくりを信条としたブランドとして再認識していただきたい、ということも今回の企画の目的のひとつです」
「通常のジュエリーショップではなかなか実現できない、気軽に、思う存分ジュエリーを試していただける、新たなジュエリーとの出会い方も魅力の一つとして企画しました。創業の地でもあるここ原宿から、一人でも多くのかたに、4℃のものづくりの今を知っていただき、ファンになってくださる方がいらっしゃることを願いました」
アドタイ(ブレーン編集部)がまとめています。
「匿名宝飾店」のコンセプトは、「ブランドを冠さない、フラットで気軽な試着体験」だ。
試着体験ですので今後の実際の購買体験はネットも含めてということですね。
これからの4°Cの店頭とネットの関係が気になります。
匿名宝飾店は上述の問題1(知名度と提供する商品・サービスの実態のギャップの問題)を課題にして対処しています。
匿名宝飾店の成果
Yahoo!記事によれば成果も出ています。
会場では、最後に来場者に対してブランド名を明かしている。そのうえで実施したアンケートでは、83%が「ブランドイメージが(好意的に)変わった」と回答したという。
ブランド活動における店舗などの役割についてこちらにまとめてあります。
問題2(ターゲット顧客の問題)への対処は?
十分関係者の間で議論されていることを前提にしています。
ここが勝手に提案をさせてもらいたい領域です。
現象面から見たこれはあくまで僕の推察にすぎないので失礼なないかと思いますが何卒ご容赦ください。
大学生向けで「大人向け」ではないというような印象(まさにイメージ)を持たれているということにどう対処するか…です。
Valueについてはこちらをご一読ください。
ターゲット顧客=Valueについての問題だというのが僕の認識です。
4°Cという商品・サービスのValueについて
BRAND STORY
「すべての女性たちへ美しさと、ときめきを」
に手がかりがあります。
以下抜粋です。
「身に着ける女性の心を満たすジュエリーをつくりたい。」
1972年、4°Cが誕生したときから変わらないこの想い。
生まれてはじめてのファーストジュエリーとして永適を誓うふたりのためのブライダルジュエリーとして。
いくつもの喜びの瞬間に寄り添い
今までも、そしてこれからも
すべての女性の人生とともに輝きつづけます。
「はじめての」「永遠を誓うふたりのための」「喜びの瞬間」から見えるValueは「たった一度しかない機会に立ち会う」ということに感じられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1695962379982-wF0wigDDfV.jpg?width=800)
匿名宝飾店のマニフェストだと思いますが、アドタイから抜粋させてもらいます。
「デビュー」という言葉に注目しましょう。
これも「一度しかない」ということです。
大学生でも30代でも「一度しかないこと」はたくさんあります。
結婚は何度かするかも知れませんが、その時のパートナーへのプロポーズは一度しかありません。
一度しかない瞬間を祝福するジュエリー(仮)
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