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ひとり広告批評

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雑誌「広告批評」が休刊になって15年、創刊者の天野祐吉さんが亡くなって10年が経ちました。 この間、日本の広告業界は停滞した様子を見せています。 その背景には、広告を愛し、ヤジを…
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ひとり広告批評、はじめます。

【ひとり広告批評、はじめます】 ■広告批評がなくなって15年 雑誌「広告批評」が休刊になっ…

大切なことは小さな声で聞こえる人にだけに話す。大声を張り上げて、無理に注目を集める必要はない。ターゲット顧客を洞察すれば、本当に伝えたいメッセージは、耳を傾ける人の心に、静かに、しかし確かに届く。広告は、騒音ではなく、ターゲットの心に響くささやき声で。

オリジナリティは色褪せない

"Great advertising embodies the art of repeatable originality---色褪せない独創性について…

出来すぎた話の真実。人は全てにおいて素晴らしすぎるものを信じ切ることができない。むしろ疑念が生まれる。ネガティブな要素を隠すのではなく、それを強調し、逆手に取ることが必要になる。顧客にとっての信頼とは何か、うますぎる話の罠に気をつけろ。うまい話がいつも優れた広告とは限らない。

都合を話すな、ストーリーを語れ-企業の都合をどんなに語っても、顧客にとって価値がある物語にはならない。企業の価値観を押し付けるのではなく、丁寧に伝えるが大切だ。丁寧に話すことは多弁とは異なる。共創のための圧のあるメッセージを顧客に渡そう。圧縮することの大事さにもっと気づくべきだ。

テクノロジーによりマスプロダクションは制御技術に、マーケティングとプロモーションの過程は通信型による運用に、コンテンツよりもポジショニング、オケージョン、モーメンツが重要で、パーパスは普遍的な言葉で一方通行になるけれど、ユーモアは顧客が帰属するコミュニティの暗号として成立する。

マーケティング活動の一部である広告自体は不完全なもので、ターゲット顧客に渡った瞬間に意味を持たせることが重要。広告が顧客と共に物語を生み出すためには、どんな場所でどうやって手渡されるかの設計と実装が問われる。広告が人のココロを動かせるとしたら、それは関与する「余地」があるからだ。

バリューを行動指針とする向きもありますが、クレドの設定で、その役割が明快になります。ミッション、ビジョンによって会社の存在意義や目的、目標が明示され、バリューはターゲット顧客に提供すべき価値のことに。顧客と共創すべきバリューを言語化することがマーケティング活動の入り口です。

長らく広告クリエイティブの賞であったカンヌライオンズ。最近はクリエイティビティの祭典を自称している。日本では、クリエイティブを象徴するライオンたちによって戦略プラナー族が駆逐されてしまった。クリエイティブとクリエイティビティ、言葉遊びのようで、そこには大きな隔たりが存在する。

差別化とは何かを考えると、顧客との特別な関係を持つことであり、その固有の関係の意味を定義することではないか。だから信じるべき理由の提示が大事で、顧客を理解するためにベンチマークとしての競争相手がいる。広告表現でいたずらに競合と違うことをすることではない。

広告は顧客との関係において、プロダクトの意味を手渡すことができる。顧客はその意味を味わい、消費し、対価を払う。その意味が消えてなくなるか、プロダクトとともに思い出になるか、顧客がその話を誰かに伝えるかは、広告表現だけでなく、メッセージと出会う場所とその出会い方が大きく影響する。

広告が嫌われていることを前提に対象者を規定し適切な意味を伝えているつもりでも、実際は逆効果になっていることに気づこう。通信の時代では広告は選ばれている。放送時代の発想と方法論でさらにうざいものになるのではなく、消費者にとって便益となる理由を提示し、対話を促進する存在になるべきだ。

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広告は期待をつくること。行ったこともない場所で暮らす会ったこともない人に製品・サービスの期待値を届けることが原始的な広告です。この製品・サービスががいかに「あなたの」生活を良くするか?ということをマーケティング活動の一部として顧客に伝えることに広告表現のチカラが求められます。