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危険なパレスチナを旅する

パレスチナに通っています!というと必ず言われること

そんな危険な場所に行って!

本当に危険なのだろうか?わたしの経験則と自分ルールから考えてみることにします。

まず、わたしの旅の基本ポリシーは無理はしない、危険なことをしない、危険な場所には行かない、というもの。当たり前なんだけど、これがけっこう結構難しい。

現地に旅の高揚感から好奇心をというか野次馬根性を抑えることは難しくて、日本にいる時より注意散漫になるから注意しすぎというくらいで丁度いい!必要以上に怖がる必要もないけれど自分の身を守るためにはビビリな自分でいいかな。

現地にいるとどこどこでイスラエル兵が催涙弾を投げてちょっとした争いがあってる!今日は何か起きそうとか情報が入る。はっきり言ってわたしも行きたい!何が起きているのかこの目で見たい、なんなら写真撮って世界に発信したい!強く心が揺さぶられる。

でも行かない。絶対に。

わたしが怪我しない保証はないし死なない保証もない。それはもちろん日本で交通事故に遭うもそうなのだけど身の安全を第一に旅中は思っている。

そう、わたしはジャーナリストではないのだ。

金曜日のエルサレム
シャバット(ユダヤ教の安息日)中のヘブロン旧市街

これはどんなことを意味しているのかがパッと浮かぶくらいはその国その土地の常識や情勢を事前にリサーチする。

パレスチナは占領されている。元々住んでいる人、住んでいたのに他の場所に逃げて仮住居(とはいえ70年も!)に難民としていて元の場所に戻りたい人、19世紀の移民、第二次世界大戦中にやってきた人、戦後、70年代、現代の入植者たち。今もその土地を奪おうとしている政府(人)、取られたくない政府(人)がいる。

金曜日はイスラム教の集団礼拝の日。エルサレムにはアルアクサモスクと黄金のドームがある。そこは神殿の丘でとっても大切な場所なんです。金曜日にはたくさんの人が礼拝に訪れる。その日はわたしは入れないけどダマスカスゲートやライオンゲートは人で溢れかっていて、そこに銃を抱えたイスラエル兵もいる。トラブルが起こらないとも限らない。

ヘブロンにはイブラヒームモスクがある。今はモスクの半分が奪われシナゴーク(ユダヤ教の教会)とモスク(イスラム教の教会)となっている。イブラヒーム、英語だとアブラハム。アブラハムが何者か知らなくても名前は日本でも知られていると思う。幼稚園の時に歌わせられなかった?

そのアブラハムです。啓典の民の祖なのです。

この御方の墓廟があるのがヘブロンなのだ。本来はパレスチナなのだが、ユダヤ人の入植者が多い場所で西岸地区で最もハードな地区。ヘブロンは世界遺産にも指定されている、しかもパレスチナのヘブロンとして。

入植者はとても狂信的な場合が多い。その人たちがシャバット(安息日)にヘブロン旧市街、アブラハム墓廟につながるスークを巡回する。その時のトラブルの起きる確率は普段よりもぐっと上がることは想像に難くない。実際にスーク(市場)を襲撃されたりのニュースも見かけるし。

特に何もない日と思える平日でもわたしはイスラエル兵の姿格好をチェックする。いつもはしていない膝当てをしている時がある。そういった日は何か起きるかもしれないことを意味している。膝当てをしている時は銃を構える準備をしているということなのだ。

各宗教の祝日やお祭りもチェックしていく。毎週のシャバットで西エルサレムからイスラエル全土交通機関がストップすることももちろんだが(シェルートは動いている)それがヨムキプールだと国境も空港もクローズする。

これらはほんの一例。他にもあるが細かいので割愛する。

これを読んでこんなに注意しながらじゃないとパレスチナは旅できないの?と思うかもしれない。わたしはどの国でもこれくらい注意して旅を楽しんでいる。健康で生きているからこそ旅ができているのだから。

そんなわたしが一番怖い目にあった出来事。

それは地元福岡で夜11時頃、帰宅途中道を歩いていたら横に黒いスモークを貼った車が並走していた。ちょっと怖いなと思ったけどそのまま歩いていたら急にドアが開いて腕を掴まれ引きずり込まれそうになった。運良く、近くのお店のドアが開きそこの人らが救出してくれた。(そしてお茶やらフルーツやらご馳走になった)その時、わたしはお酒を飲んでいたわけではない。

わたしは危険なことはしないと決めている。わたしの写真を見ても大きな衝撃や驚きはないかもしれない。むしろ思ったより普通やんと思うだろう。
そんな写真だったら、わたしだって、俺だって撮れるわ!と思う人もいると思う。誰でも行ける誰もが行きたいと思える魅力を伝えたい、そう思っている。そういう場所もありますよーって。

好きに旅してていいねー、自由人だね、と言われます。
自由は不自由だって思うことあるんです。けっこう我慢することありますから。それがわたしの自由なのでいいんですけどね。

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