バゲットのお話
みなさんこんにちは。高いドライフルーツを賞味期限切れにしてしまったThreebread店主です。
今回は当店で一番人気のバゲットのお話です。
バゲットにかける店主の思いを綴りたいと思います。
バゲットの材料
バゲットはハード系です。
ハード系とは…バターなどの油脂、砂糖を使っていないパンのこと。
パンの世界ではリーン(質素)なパンと呼んだりもします。
じゃあ一体バゲットは何でできているの?
ということですが、
・準強力粉
・酵母
・塩
・水
・モルト
で当店は作っています。
モルトというのは、麦芽糖、色づきのためにほんの少しだけ入れる糖分です。
非常にシンプルな材料ですよね。
バゲットの難しさ
シンプルな材料だからこそ、ほんの少しのことでうまくいかなかったりします。
気候の変化もとても受けやすいです。
夏に近づいている今は氷水で仕込んでいるほどです。
また、生地もデリケートなので、分割時の形が曲がっていたりすると、出来上がりも曲がったものになってしまいます。
バゲットは中身の気泡がボコボコ空いているのが良いのですが、触りすぎると気泡は潰れて生地は痛み、膨らまないパンになってしまいます。
私はまだまだ修行中で、現在も膨らまないバゲットを生み出したりしています💦
本当に気難しいパンです。
それでも正解は分かっていて、
正確に生地の温度管理をしてやること、なるべく触らずに成形すること、このことをきっちり守れれば思い描く理想のバゲットはできる、と私は信じています。
即完売のワケ
冒頭でも書きましたが、当店のバゲットはオープンとほぼ同時に売り切れてしまいます。
おいしいと思って買ってくださるお客様のおかげなのですが、そもそも作っている数が少ないというのもあります。
人気商品なのに?なぜ沢山作らないの?
と思われるかもしれません。
理由は簡単で、オーブンが小さいからです。
60×40センチの天板が2枚入る分、その大きさしかない当店のオーブン。
この大きさで焼けるバゲットは一回に6本です。それ以上は上手く火が回らなくて焼けません。
何回も焼けばいいのですが、経営的、時間的、私の体力的に断念しています。
申し訳なさと、即完売のありがたさで、複雑な思いでいつも販売しています。
パン職人として
バゲットは、毎日何百本と焼いている職人にも『一生修行』と言わしめるほどの奥深いパンです。
私もその奥深さにハマってしまっています。
今私が作っているバゲットが完成形だとは全く思っていなく、それこそ一生かけて焼き上げるパンだと思いながら焼いています。
細く長く付き合いたいパンです。
一年前のものと今作っているものが全然違うように、私のパン人生でどのように変化していくのか私も楽しみであったりします。
そのためには、生地を注意深く観察したり、色々と考えを巡らせてみたり、時には先生にご教授願ったり。
さまざまな努力をしながら、ゆっくりとバゲットの道を進んでいこうと思います。
最後に。バゲットを買いたい人はオープン少し前に来てくださいね!
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