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想像と感覚とパン作り

最近投稿が不真面目です。反省しているThreebread店主です、こんにちは。
今回は、パン作りについて思いを書き連ねる、店主の脳内披露の回です。


パンを思い描く

パンを作る時に大切なのは、どんな味や風味、食感のパンにしたいかを思い描いて作ることです。
とはいっても、一般の方には難しいかもしれません。でも、せめてレシピの作り方がなぜそうなっているかを考えることは、普段からした方がいいかなと思います。

例えば、食パンの成形はワンローフや巻き取るやり方などいくつかありますが、それぞれの成形でどんなパンが出来上がるのかを知っておくのは大切だと思います。
レシピ通りもいいのですが、選択肢があるとアレンジの幅が広がります。その方が楽しいですよね。

私はオリジナルのパンを作ることが多いので、出来上がりを想像して配合や成形などを決めています。

チェダーチーズたっぷりの
ミニカンパーニュ


感じ取る

それとは他に、最近大切だと思ってきたことがあります。それは、そのパンを感じ取ること。
私は味覚をはじめ様々な感覚が敏感なのですが、パンを食べた時の感じ方、これもまた次のパンを作るのに大切な要素だと思います。

感覚なんて生まれ持ったものだと諦めたくなりますが、味覚はある程度鍛えることができると思っています。色んな人の(特に美味しいと評判の)パンを感じながら食べる。そうすることで、小麦の風合いや全体のバランスなど分かってくることも多いです。

好きだと感じたパンの理由を味覚から考える。もちろん好みじゃないのもその理由を。これはかなり味覚も感覚も鍛えられると思います。
研究心から食べたパンたちは、きっと次の自分のパンの糧になります。自分で作ったパンもそうやって食べると、かなり違う世界が見えてきます。

余談ですが、私は彼のシニフィアンシニフィエのパンを食べた時、自分の目指したいパンはここだと甚く感銘を受けました。小麦の香りを大切に作りたいと改めて思ったのでした。


バゲットを袋いっぱいに詰めて
配達します


私のパン

食べたパンや製法の知識の上に、その人のパンが成り立っているのです、きっと。

私のパンは、物足りなさを感じる人もいると思います。私はパン全体の調和を意識してレシピを考えています。だから、もっとはっきりした味が好きな人には好かれないかなと。

それからもう一つ意識しているのは、小麦に失礼のないようにパンを作り上げたいということです。
分かりづらいですよね…
日本的にいうならば、小麦の神様に感謝しながらパン作りをしたいのです。小麦粉になるまでには、自然や沢山の人間が関わっています。その様々な事象に恥じないようなパンを作りたいです。
結果としてできたパンを自分のパンとするのではなく、目的をもって焼き上げたパンに意味を見出したいです。

800gのパン。


自分のパンに常に疑問を持ちながらパン作り続けたいです。私レベルの作り手には、まだまだよくする方法が転がっているのです。精進せねば。

日々の忙しさにパン作りの意味を忘れがちになりますが、自分がパン作りを続けきたことを省みる時間も大切ですね。
でも1000字以上に渡ってなんだかんだ理屈は挙げましたが、一番はパン作りの魅力に取り憑かれているのですよ。ははは。

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