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塩、イースト、砂糖を置く位置の意味

先週noteを無断欠席しました、Threebread店主です。こんにちは。時間の使い方、誰かに教わりたいものです…
ということで今回はタイトルの通り、塩、イースト、砂糖を置く位置、こねる前の小麦粉上での配置の意味についてです。興味ある方沢山いるのではないかと思います。では、いきます。

パン動画、パン教室で

パン作りの動画を見ると、こねる前の小麦粉の入ったボウル上で、砂糖とイーストはくっつけて置き、塩は離して置く。と解説しているものが圧倒的です。
パン教室でそう習った、という方も本当に多く聞きます。

私の習った教室では、これらの置き方に指定はありません。よく捏ねれば関係ないですよ、というのが師匠の教えでした。

パンを作り始めてから、この問題は長い間私の中でも疑問でした。だって、すぐに生地として一緒になっちゃうじゃないですか。

また作ったオニオンブレッド


イーストと砂糖、イーストと塩

砂糖というか糖は、イーストが活動するためのエネルギーの元になります。
一方、塩はイーストの活動を抑制するという一面があります。

恐らくこの情報が、配置の理由となっているのだと思います。
ただやっぱり疑問なのは、こねる前の一瞬の配置がこれらの作用にどれだけ影響しているかということです。

ネット上ですが検索してみました。
そこには、砂糖、イースト、塩は浸透圧、つまり水を介して影響し合っている。といったことが書いてありました。

恐らく、水を得て、初めてイーストは活動を始めるということなのかな、と。

砂糖がイーストの餌になること、塩がイーストの活動を阻害することがあること、は間違いなさそうでした。

『チーズとくるみ』
チェダーチーズとくるみのカンパーニュです


師匠は正しかった


これを踏まえると、こねる前の配置はあまり意味がないように思います。
確かに、材料を入れた小麦粉に最後に水は入れますが、その一瞬で塩がイーストの活動を阻害するとは到底思えないからです。砂糖も同様です。

水を入れたら、ボウルの中で砂糖も塩もイーストも一緒になってしまうし、こね始めたら、それらを均一に生地に混ぜるということなので、やっぱり、配置の重要性というのは弱いと思います。

私の師匠の教えは合ってたのだと確信しました。師匠は本当にすごいなぁといつも感心させられます。


『クランベリーとカレンズ』
カンパ生地にこれでもかって程の
ドライフルーツ


おまじないとしての文化

ただ、私はこういった文化は大切にしたいと思っています。

パンは、発酵という人の目に見えない生物の賜物という側面があります。こういった時に、人間というのは願いを込めざるを得ない生き物だとも思います。

パンがうまく発酵してほしい、というおまじないを込めた配置(作り方)はとても人間的で愛おしいと感じます。
パンというものがロジックで作られると知った私は、余計にそう感じるのかもしれません。

注文で作ったバゲットたち

パンの歴史は長いです。その中で人々は試行錯誤して美味しいものを作ろうとしてきました。
私はそれを否定する気は毛頭ありません。

ただ、知識として、それが必要ないことなのかを知っていることは重要だと思います。

私はこれからも、材料はボウルの中に全て一緒に入れます。これを読んだ皆さんは…どうしますか?

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