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カンパーニュができるまで

こんにちは。Threebread店主です。
今回は当店の看板商品、カンパーニュのストーリーです。
まだ盛岡ではあまり馴染みのないカンパーニュですが、私の大好きなパンです。


このパンはうまい!

私が初めてこのパンに出会ったのは、まだ独学&自宅でパンを焼いていた頃です。

食べたことのないパンでしたが、本に書いてあるレシピ通りに作ってみました。
だいぶ発酵に時間がかかったのですが、焼き上がったパンは香りも良く、甘さのない生地でとても美味しいと思いました。

このパンを焼いていきたい。

カンパーニュのためにパンの研究ノートをつける様になりました。
今見返すと、分からないなりに試行錯誤していた様子が分かります。自分が微笑ましいです。


商品化への壁

Threebreadができて、レンタル工房で商品を試作、販売する中でやっぱり売りたいのはカンパーニュ。

でも、うまく焼けなかったんです。
かま伸びがとても悪く、平たいパンが焼き上がります。
熱伝導、輻射熱、オーブン内の気流、様々な原因を夫と探る日々。

他のセミハードのパンは問題なく焼けるのに、このハード系だけうまく焼けない。
焼き上がる結果に納得ができずに試作を繰り返しました。

そして、三ヶ月ほど試作を繰り返してたどり着いた結論は、オーブンの性能でした。
ハード系のパンは下からの熱がとても重要で、天板を差し込んで焼くタイプのオーブンでは熱が足りない。そう結論付けました。

そして、泣く泣くカンパーニュの販売を諦めました。
敗因が自分の技術ではないが故に、とても悔しかったのを覚えています。


焼ける!

Threebreadの工房は、パンに最適なデッキオーブンを購入しました。
温めた石板の上に直接パンや天板を置くことができるタイプのオーブンです。

これならパン生地に直接熱が伝わるのでハード系のパンも上手く焼けるはず。
そう思って選んだオーブンでした。

オーブンが入って最初に焼いたのはカンパーニュ。焼いている最中もどんどん生地が膨らんで、クープもかっこよく開くし、何より香りが立つ!

焼き上がったものは、よく焼けたクラスト(表皮)から甘い匂いもして、大満足の結果でした。

売りたいパンが思ったように焼ける、大きな喜びを噛み締めた時間でした。

レンタル工房で散々試作したおかげか、工房開設以来、大きな失敗もなく焼き続けられています。職人としては嬉しい限りです。

食事パンとしてのカンパーニュ

カンパーニュは食事パンです。
全粒粉やライ麦粉が入っているので、香ばしさや味わい深さがあります。大きいし、よく焼くので日持ちもします。

私の師匠は、「パンは主食」ということを常々口にします。
主食がおいしければ、おかずも自ずと美味しくなる。師匠に教わった、Threebreadの考え方の基礎です。
お米も同じですよね。美味しいお米はおかずも美味しくします。

おいしい主食のカンパーニュを、私のパン人生ではずっと焼いていきたいと思っています。
カンパーニュを誕生させたフランスの職人に感謝!



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