「おいしい」って何?
カンパーニュの発酵具合がようやくコントロールできるようになってきました。こんにちはThreebread店主です。今回は私の一年悩んだお話。独り言のようなnoteです。お付き合いくださる貴重な方はスクロール下さい。
おいしいって何
この一年ほど、ずっと考えていたテーマです。
私は味覚が敏感な方です。
元々敏感な方でしたが、この仕事を始めて研ぎ澄まされてきたように思います。
私は、味に深みやコクのあるものをおいしいと感じる傾向があります。あまりその食べ物の肩書き(○○産や、評判など)に左右されない感覚があると自分では信じています。
パン作りに生かされていること
感覚の鋭さゆえの、自分の信じるおいしさを追求できるのではないかと思っています。
パンを作る中で、ほんの少し足す全粒粉やライ麦、焼成温度の微妙な調整など、実は拘っているところも多いです。
その拘りがイメージしていたパンにつながった時に、初めて商品として送り出すことができます。
では、そのおいしさ(拘り)、皆さんに伝わっているのでしょうか…
恐らく、正確に伝わることはないと思っています。作り手の趣味みたいな拘りは、作る工程を見ていない食べ手に伝わる訳がないですよね。
私のパンをよく食べている夫にも分からない違いというのも存在したりします。
正直、私自身伝わらなくてもいいと思っているおいしさ(拘り)でもあります。
おいしいと思ってくださること
私はお客様とお話しする機会が多いので、直接おいしいと伝えてもらうことも多いです。
その中で、前述のように自分の拘るおいしさは正確に伝わらないと思っていることもあり、お客様の感じているおいしさとはなんなのだろうと思うことが増えました。
一年ほど悩んで、詳細な製造工程を知らない食べ手であるお客様は、私よりももう少し輪郭のぼやけたおいしさを感じているのではないか、と思うようになりました。
おいしさって形がないです。
私のおいしい、とあなたのおいしい、は違います。でもおいしい、という共通の認識はあります。
ここが私が迷宮に入ってしまったところでもあります。言葉が一緒だから分からなくなってしまったんです。
そんな中でThreebreadのパンをおいしいと思ってくださるお客様が多いことは、私が進んでいる方向が間違っていないと勇気づけてくれます。
感想を伝えるって、よほど強い印象ですよね。私は、自身がパン教室で感じた強烈な印象をお伝えしたいと思っているので、それが叶ったかのようで嬉しいです。
1000字ほど要して書き連ねてきましたが、結論としては、
レシピという根拠を知っている自分のおいしいと、知らないお客様のおいしいの線引きが上手にできなくて一年も悩んでしまった。という笑い話です。
気づくとこんな当たり前のことだったのかと思います笑
ようやく私の悩みも終わりそうです。この悩みの中で、自分の味覚が絶対評価に近いという自己理解も深まりました。
これからはもっと自由にパン作りができそうです。おいしいと感じてもらえるパンを繰り出していきたいと思います。これからもご贔屓に!
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