見出し画像

8月某日 自動運転

昨日は裏返しになって、にっちもさっちもいかなくなっている蝉を2匹助けた。自宅に戻っていいことしたなあ、蝉の恩返しなんてあるかしらなんて思いながら雑誌をめくっていたら、沢木耕太郎さんが同じく蝉をレスキューする話をお書きになっていた。うれしいけれど、沢木さんのような大家と似た行動をとってしまって、ああすみません、という感じである。

自動運転(自動運行装置)にまつわる道路交通法が気になっていたので少し調べた。きっかけは自動車免許の更新の際の教習であった。自動運行装置を適切に使えば、現行禁止されている携帯電話の使用やカーナビなどの画面注視をしたっていいですよ、という法律の改正を知ったのだ。この状態を一定条件下でハンドルから手を離したまま運転ができる「レベル3」という。高速道路の渋滞時が想定されているが、車は動いているのに運転手も助手席も二人ともずっとスマホをみているところを想像するとちょっと気味が悪い。とにもかくにも、そんなところから法改正をするとはちょっと不思議な感じがした。それほど皆が運転中にスマホを使いたがっているということか。言葉は悪いけれどそこに漬け込むってことなのかしら。

自動運転は技術レベルを5段階に設定し、開発や実用化を目指している。ハンドルやアクセル、ブレーキなどのいくつかのシステムが操作するのはレベル2。すでに市販されている多くの車がレベル2の機能を備えている。上記のレベル3はおもに高速道路の渋滞時などにおいて、全システムが作動し、必要時にドライバーが対応するという仕組み。レベル2から3へ移ると、人ではなくシステムが運転を司る部分が大きくなるのがポイントである。2021年3月にホンダが発売した『レジェンド』はレベル3に対応している。世界で初めて開発された。

自動運転の実用化は意外にも間近に来ている。先の道交法改正の例を見ても自動運転の普及は国策となっていて、国と自動車メーカーが手を携えて世界に先駆けたいとひた走っているようだ。自動運転の普及は低迷する自動車産業の巻き返しが期待されるほか、地方の移動手段への転用、交通事故の減少などメリットが多いと予測されるからだ。

レベル4になると無人自動運転、レベル5は条件は一切ない、完全な自動走行を指す。海外ではその無人運転がすでに進んでいる。アメリカのグーグルから分社したウェイモでは完全無人のロボタクシーがアリゾナ州で走行している。一方、わが国では自動運行関連装置は車検対象となり、半年間のシステム記録の保存も義務化が決まったようだ。他国のSFのような話よりも、予想される車両価格の上昇など身近な影響が気になってしまうのは、どうも夢がなくていけない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?