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【BTS】声のクローニングとアミボム【特許技術】


「ご趣味は?」「検索を少々……」

気になることがあるとすぐ検索する私。
昔はある程度調べたら満足していたけど、昨今はAIが手伝ってくれるので、自分だけだと面倒くさくて読まなかった海外文献・記事まで引っ張って来られるため、面白すぎて止め時を見失います。
しかも前は夫相手に語るくらいだったのに、今はnoteに書き放題ですから、いい世の中です。

というわけでアミヨロブン、さっき検索してきたばかりのネタを聞いてください!

気になった記事

今回の検索のきっかけになったのはこの記事。

HYBEは、所属アーティストを誹謗中傷する動画をアップロードしていた複数のYouTubeチャンネルやSNSアカウントに対して、名誉毀損や業務妨害を理由に告訴した。
XやYoutubeなどの海外プラットフォームも含まれており、HYBEはアーティスト保護に本腰を入れている。

一部チャンネルは動画を非公開にしたり、謝罪文を掲載するなどの対応をとった。
HYBEは米国の弁護士と協力し、運営者の身元情報公開を求める法的手続きを進めている。

これらのチャンネルは、HYBE所属のアーティストだけでなく、他の芸能事務所の所属アーティストに対する誹謗中傷動画もアップロードしていた。
単なる個人の悪質行為ではなく、組織化された勢力による経済的利益を目的とした活動である可能性もあり、今後の捜査で実態が明らかになることが期待されている。

HYBEの所属アーティストBTSは、作詞・作曲の実績やユニークな歌詞、特許技術の活用など、様々な知的財産権を有しており、その価値を高めている。
したがって、K-POPアイドルグループの知的財産権を守ることが、彼らのレガシーを守ることにつながる。

記事内容の要約

HYBEがんばれ……!
というところで、ふと気になったのがこの一文。あら、気になるぅ。

特許技術の活用など、様々な知的財産権を有しており、

特許技術?

特許や商標の登録は、チェック先としてはそこそこメジャーですね。って言ってみたけどK-POP業界ではどうなんだろうか……。

ゲーム業界だと、開発状況が商標登録から漏れたり、ネタバレ防止にダミーの商標登録をされたりの攻防があったりします。
意外な企業同士の提携状況や新規事業展開予定も特許周りからバレたりするのですが、韓国の特許申請までは追ったことなかったです。興味津々!

BTSと「特許技術の活用」

声のクローニングに関する特許

早速検索しましたとも。そこでわかったのが、以下の内容。

BTSの所属事務所HYBEは、AIスタートアップ企業と提携し、BTSメンバーの声のクローニング技術を開発しています。具体的には、以下の2社と協力関係を結んでいます。

Supertone
・韓国のAIスタートアップ企業
・BTSメンバーの声のクローンを作成する技術を開発した。
Neosapience
・別のAIスタートアップ企業
・HYBEと提携し、「Learn! Korean」というBTSを活用した教育コンテンツを制作。このコンテンツでは、BTSメンバーの声のクローニングが使われている。

HYBEはこれらのAIスタートアップ企業と協力し、BTSメンバーの声をデジタル化・クローニングする特許技術を開発しました。
この技術を活用することで、以下のようなことが可能になります。

・モバイルゲームやオーディオブックなどのコンテンツにBTSメンバーの声を実装し、ファン体験を向上させる。
・教育コンテンツなどでBTSメンバーの声を使い、新しい収益源を開拓する。

つまり、HYBEはAI技術を活用してBTSの知的財産権を強化し、新しいビジネス機会を生み出そうとしているのです。

ほほう! 

メインソースは以下のリンクから、52PあるPDFなのでちょっと重いかもです。
WIPO マガジン, No. 1, 2022年3月

想定の範囲内ではありますが、がっつり取り組んでいますね!
AIの音声合成技術は面白いですからね。「AIカバー」などでオモチャにするだけでなく、IPに結び付けて財産化していくことは重要です。

コンテンツ商売は法律とのタッグが必須。
世界のNintendoが最強法務部を擁しているように、HYBEにも有能な法律家が集いますように!
(ヅカといい、好きな業界同士をとりあえず足すのはよせ私よ)

Nintendoといえば、3DSを学校での学習に利用しようという試みは頓挫したように見えますが、HYBEアーティスト教材で韓国の子供が義務教育を受ける、くらいなら実現しそうな気もします。
「教育コンテンツなどでBTSメンバーの声を使い」って、要するに日本でアンパンマンがやってるのと変わらないですからね。あのパン、本当によく働きます。

「Learn! Korean」はこういう背景があったんですね。
Weverseに70本くらい映像があるんですが、手広いな……などと思いながらスルーしていましたw

こんな感じ。「with TinyTAN」版とそうでない版があるっぽい。

あ、クローニングというと伝わりづらいかもと思ったので、ちょっと補足しますね。例えば
「ハングルを組み合わせて言葉を作ったり、特定のコードを読み取らせたりすると、BTSの好きなメンバーがそれを読み上げてくれる」
という学習素材を作る場合、それを全パターン録音するとバカみたいにコストがかかるので、合成音声でやりましょう、というイメージでいいと思います。
まあ、恋愛ゲームの受け答えを想像してもらってもいいですが。「オマエノコトガ スキダッテ イッテンダヨ!」みたいなw

もう一歩進んで音楽生成ジャンルに入っていくかはまだわかりませんが、BTSで研究しておけば後輩グループの軍白期に備えて音声データのライブラリ作成が可能になると思うので、活用幅は広いんじゃないでしょうか。
こういう研究はHYBEがやることで一気に応用できる範囲が広がると思うので、ぜひ進めてほしいと期待しています!

アミボムの意匠及び技術の特許

特許話に戻りますが、声のクローニング以外だとアミボム関連があるようです。

HYBEは現在、BTSの公式ペンライト「ARMY Bomb」の3つの意匠を所有しており、意匠権でARMY Bombの審美的特徴を保護し、ファン体験の向上に役立てている。

HYBEはペンライトのデータ転送や色管理に関する技術の特許を出願しており、これらの技術を活用してARMY Bombの機能を高めることが期待される。

なるほど!!

納得の特許申請です。
これでアミボムのパチモンを防止し、ステージでのアミボム連動演出を唯一の体験にできるわけですね。

アミボムのアプリ連携機能、面白いですよね。私大好きです!
残念ながら実際に体験したことはありませんが、映画などで演出を見ていると、色だけでなくウェーブ表現までできていて、位置情報を利用していることがわかります。
アプリ説明見たら座席番号取得してるんですね。GPSだとそこまでの精度出ないので納得ですが、会場ごとに参照データ変えるのかー、でも一回作ったら使い回せるかな……(妄想広がる)
BTSの映画クレジットでもアミボム操作チームが載っていて、興奮してました。応援してます……!💜

まとめ

アーティストのIPを多角的に保護するだけでなく、新しく生み出していく方向にも積極的に動いている様子が垣間見えるHYBE。
BTSと共に築き上げた資産を有効活用し、より幅広いエンターテインメント体験を模索していってほしいですね。楽しみです!

特許情報の検索はこちら

ちなみに、HYBEが出してる特許申請は日本の特許庁サイトでも見られました。全部かどうかはわかりませんが、「意匠」に面白い形のアミボム載ってて笑ったわw

もう実用化されているのだろうか……

検索したい人は、特許情報プラットフォームの検索窓に以下の文字列を入れて下さい。全角なので注意。

HYBE Co., Ltd.


コーヒー一杯奢ってください( *´艸`)