見出し画像

言葉と気持ちを届ける「話し方特別レッスン」体験記

「えっ、今なんて言ったの?」

筆者は自分の声、話し方に自信がありません。
普通に話しているつもりでも、聞き返されることも結構ありますし、ザワザワうるさい飲み屋での宴会の後は声が枯れたりします。

そこで数か月前に、知人が主催した「生きる・伝え方の極意 発声編」というイベント(以下、イベントと言います)に参加してみました。

そのときの様子は過去note 人生を変える、素晴らしい「話し方講座」 をご覧ください 


このイベントは素晴らしく、話し方、声の出し方について、筆者の意識は大きく変わりました。

しかしながら、数十人(50人弱くらいだったかな)が参加する結構大規模なイベントだったこともあり、トレーニングを自分でやってみる機会はあったものの、時間も短く、また当たり前ですが個別にフィードバックをもらうことはできないものでした。

話すことへの意識や心構え、またトレーニング方法の紹介など十分以上に有意義なイベントではあったものの(詳しくは上記の過去noteにも書きました)、本当に「身につける」、という面では限界がありました。

それで、「最近、話し方良くなったな~」なんてある程度自己満足しつつも、「もうちょっと何とかならないかな~」と欲が出たりもしていました。

そんなところに、イベントで講師をされていた渡辺克己さんが、少人数の特別レッスンを開催する、という話が飛び込んできたのです!

少人数で先生について指導を受ける、という体験がほとんどなかったこともあり(小学校のころの書道教室くらい?)、不安や気恥ずかしさもかなりありましたが、一方で、これは千載一遇のチャンス、また天の配剤か、とも感じたので、飛び込んでみることにしました。

本稿では、その体験についてまとめてみたいと思います。


割り箸のマジック

・息を届ける
「話し方」のレッスンであり技術的なことも色々と教えていただくわけですが、なんと言っても根幹は「大事な言の葉を届けること」、単なる「音」ではなく「価値のある言葉」を届ける意識、心構えが大切、という原点を確認することからレッスンが開始となりました。

この点はイベントのときと変わりません。
自分の生きざま・人格を表現し、世の中とつながるために、ある意味で生きるために、声を出す、話す、ということです。

では、そのためにどうするか。

まず意識すべきこととして教えていただいたのが、「息を届ける」ということです。
曰く、「息」は、「息のかかった奴」、「息をひそめる」などというように、行動や姿勢、関係性が表れてくるもの、独り言でなく「届ける声」にするために息を届ける意識をもちましょう、というわけです。

そもそも声は、喉の奥にある声帯を空気が振るわせることで鳴っているのですから、これは極めて理にかなっています。また、原点の「届ける」意識が強化されるものでもあります。

そこで「息を届ける」トレーニングです。

具体的には、ささやき声を遠くに届かせる、という練習を反復しました。
課題の文章(1分くらいの長さ)を読むのですが、普通の声でなくささやき声で、しかし隣の部屋、窓の向こうまで届くように(届けるつもりで)発声します。

口元だけでなく、よく言われるように「腹の底から」息を出さないと、ささやき声では遠くまで届きません。また、変に喉元に力が入らないようになるので、ボソボソ喋りがちな筆者のようなタイプにはとても良いトレーニングになります。

これを繰り返していきます。

・割り箸のマジック
一生懸命「息を届ける」練習をしていたわけですが、その際に、筆者は母音に合わせて大きく口を(唇を)動かしていました。
つまり、ア行のときには大きく口を開けて、ウ行のときは唇をすぼめて、といった具合です。小学校の音楽の時間に習うような感じですね。

これを修正していきます。
そのための秘密の道具が割り箸です。

具体的には、割り箸を一本、横にしてくわえます。すると、当然ながら口の(唇の)形は変えられません。この状態で発声していくのです。

始める前は、「そんなので声が出し分けられるのかな~」と半信半疑でしたが、やってみると(少し慣れると)ちゃんと声が出せるのです。
むしろ、これまでのように口元では母音を表現できなくなるので、もう少し奥の口腔の形によって母音を出すことになって、しっかり肺から(気管から?)息を出さないと音が出ません。
すなわち、喉に変に力がはいったり、口元でボソボソ話したりすることが矯正できて、腹の奥からしっかり発声するように練習できるのです(そのレッスンのときではなく、後から考えて、そういうことなんだな、と思ったわけですが)。

そんなわけで、
割り箸をくわえて、しかもささやき声で、窓の向こうに声を(息を)届ける練習を繰り返していきます。

ちょっと真面目にやり過ぎて、「大丈夫ですか?ちょっと座りましょうか」と気遣いいただくくらい、やや酸欠気味でフラフラになりましたが、その後でささやき声でなく普通の声に戻すと、自分でもビックリするくらい声が出るようになりました。

・注意点
レッスンとレッスンの間は家で日々自主練します。
具体的には、割り箸をくわえて課題文を読むのですが、そこで一つはまってしまったことがありました。

口腔の形で声を出しわけるようにすることで、「ちょっと、響いて良い声じゃん」なんて思って(勘違いして)、口の中で響かせる声の出し方に偏ってしまっていたのです。原点である「声を届ける」、前に音を出していく、という意識が薄まってしまっていたのですね。次のレッスンの冒頭に指摘されました。

夜空の星座に向かって

こうして教えていただき、また家でも日々自主練して、ちょっとは良くなってきたかな~、というところではあったのですが、

次のステップとして、
まだ、あごに(結果として喉にも)力が入りがち、音がこもる、「引いた音」になることが多い、ということで、対応すべく練習していきます。

具体的には、
あごを前に出さず、一方、頬骨のあたりの表情筋を上げることを意識して発声していきます。
割り箸くわえて、表情筋をあげて、ささやき声で発声していく、と、かなりスゴイ感じですね~。
すぐには表情筋はうまく動かないですが、練習していくと随意筋化していける、ということのようです。


こうして少しずつ改善していたわけですが、どうももう一つ音が前にでてこないことがある、声が開かない、というご指摘。

もしかしたら、ということで、「好き」「嫌い」などの感情表現する単語を発声してみると、論理的な単語の発声と比べて、どうもずっと弱い、また自分の名前の発声も弱い、と判明しました。

感情を抑える癖がついているのではないか、自分にフルに自信がもてていないのではないか、とも考えられるそうです。
結構ビックリで、ちゃんと自覚はありませんが、何らかのトラウマがあるのでしょうか、催眠術か何かで過去の体験を探っていくと明らかになるのかも知れませんね。

いずれにせよ、これを何とかしよう、ということで、
一つは、「体は楽器」の意識で、心のブレーキを外していきましょう、
もう一つは、声を開いて、「夜空の星座に語りかけるように」明るく発声しましょう、
とヒントをいただき、そういう意識で課題文を声にして、繰り返し練習しました。

声を開く、というのは、正直まだちゃんと理解できていないのですが、「今の良かったですね」と言われるときは、少し明るい通る声になっているな、という感じがしました。

それより少しビックリしたのが、「夜空の星座に語りかけるように」発声していたら、どういうわけか、明らかに気持ちが軽く明るくなり、何らかのブレーキが外れたような感じになったことです。
不思議な体験でした。

これは意識的に(今でも)再現できるが、副産物的ですが、大事な収穫でもあります。
楽しいから笑うのではなく、笑っていると楽しくなる、口角をあげると明るい気持ちになる、というような類のことでしょうか。筆者はスピリチュアル的なモノゴトはあまり信じていないのですが、笑う門には福来る、ということでもあるのだなあ、と思った次第です。

いずれにせよ、話し方、発声の向上にとどまらず、気持ちの明るさ、前向きな姿勢・メンタルに意識的にもっていくことができる、貴重な体験でした。

そして無意識へ

こうして、いろいろと教えていただいたのですが、
発声以外では、筆者の癖として、「まあ」という間投詞が多い、とご指摘いただきました。
録画して見てみると、自分でも驚くほど頻繁に使っていました。
今でも、こうして文章を書いていても、「まあ」と書きたくなるくらいなので(笑)、よほど染みついているのだと思いますが、注意していきます。

そして、レッスンを終えて、早もう数か月、
今でも毎日、割り箸をくわえて課題文を発声して、ときにはささやき声で遠くに届けるように自主練していますが、練習しているときは、そこそこの発声になるものの、日常生活の場面ではできたりできなかったり。

スポーツの練習と同様、まずは、ちゃんと声を出すことを「意識化」する、そのうえで自然にできるように身につけて「無意識化」する、ということのようなので、まだまだ継続だなあと思っている今日この頃です。


まとめると、
意識しているときは声の出し方や声質が明らかに違っていて、声と気持ちを話す相手や場に届けられているのではないか、と感じられるようになったので、とても有意義なレッスンでした。
また、個人的にはキャリアチェンジのタイミングを迎え、新しい仕事場で、(以前よりはずっと)良い声で話せる、ということでタイムリーでもありました。


(前回も同じことを書きましたが)このnoteは、ある意味ネタバレなのですが、実際にやってみて、渡辺さんにフィードバックしてもらわないと、実感できないことが多い(ほとんど全て?)と思います。
(ここまで読んでいただいて申し訳ないのですが)

アナ雪2のCM動画のナレーターを務められたり、お芝居に出られたり、超ご多忙のようなので機会は少ないかもしれませんが、どこかで渡辺さんが講師を務める講座やレッスンがあったら、逃さずご参加されることをお勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
(「スキ」や「フォロー」を頂けると、励みになりますので、よろしければ是非お願いいたします)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?