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生命と情報進化過程

【高齢者がいる社会こそ「最強」だ】ヒト”だけ”が老いる理由/長寿の方に共通する性格/平均寿命の伸びに比べて最高寿命が伸びない理由/ベストセラーの生物学者が見る未来【EXTREME SCIENCE】 - YouTube

 失礼な言い方で恐縮ですが、小林先生の見識、というよりここで話されていらっしゃる三人の先生方の認識に、共通性が大いにあると思いました。あるいは小林先生に、茂木先生と竹下先生が、あまりに上手に話を引き出すようにされていらしゃるのでしょうか。三者に共通の目的・目標が見えるのですね。小林先生の最後の言葉にそれがありました。
 さて、社会性を発展させた人間の様態について、ここでのご説明を少し拡大させてください。茂木先生の他の動画のコメントにも記していることなので、茂木先生にはご理解いただいているかもしれません(そんな考え方は馬鹿々々しいと、思っていらっしゃるのかは不明ですが)。小林先生が人間の高齢化は情報保持力に淘汰選択があったのではないかと言われたことは、全く同意です。例にあげられた特に農耕以降の治水・灌漑等の大規模共同体事業を含め、生活情報の保持・伝達が、繁栄には重要要素でした。この情報の保持・伝達は、進化過程で眺めると、次の過程を想定できます。
 (脳に至るまでは別にみていただくことにして note 「人間に流れる二つの情報系統」など)ともかく脳の発生は、反射作用・自律作用を発端に身体制御をする神経系統の集合集積体と言えると思います。それが脳の肥大化で、言わば無意識の反射・自律作用からその作用をメタ認識する様な回帰作用も発生し、身体制御とは別の作用に発展しました。それが、概念・イメージ作用です。その作用は視覚・聴覚等の感覚認識と結びついて発展しました。そして肥大化した脳に情報としてプールする、即ち記憶保持し、それを処理する機能に発展しました。そしてそれが個体脳内の作用に留まらず、社会的脳へと拡張・強化されていきました。その過程に大きな作用を呈したのが、象徴・記号・言語コミュニケーション作用です。個体脳の情報処理速度・容量限界を超えさせるのは、この作用によって、多くの脳と社会的連関を利用した場合です。この場合、時空の両面で展開したのであり、情報としてみても「集合集積知」を過去から広い地域から形成する網羅的なものが、有利な繁栄条件になると思います。
 まさに、人類の歴史も「情報進化発展過程」上の、一場面であるという気がします。小林先生が、落合陽一先生との対談で、最後に「生命進化の根本にあるのは、情報じゃないかと思います」と仰られていたことにも、符合すると思ます。
 今、生物学との関連で眺めますと、人間は分子担体情報の自然的情報進化過程から、情報処理速度が、それと比べると圧倒的に速い、電子担体情報への移行期・過渡期に存在している情報展開存在現象であると思います。ポスト・ヒューマンへの流れは、まさに電子担体情報の展開過程へ一層進めるもののように思われます。
 1:05で小林先生が仰られたことは、B.ラッセルがWhy I'm not a Christian?で例にしたピン工場の話と同じですね。これは物質的な条件下にある様相を眺めているだけでは、電子担体情報の進化過程を進められないという矛盾点を指摘していると思います。

 長くなったので、ここで一応終わりますが、宇宙の根本にある「情報展開過程」を、先生方も考察してみて下さると、嬉しいです。真空エネルギーのゆらぎ=差異=情報のマルコフ連鎖的拡大、それによる宇宙のエネルギー・エントロピー方向と自己組織化ネゲントロピー情報の交差。J.ホイーラーの「単一電子仮説」とE.シュレーディンガーの「知性単一説」との交点。この辺りに、宇宙の「情報展開過程」を読み解くポイントがあるように思えてなりません。

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