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大村秀章愛知県知事リコール運動は何故失敗するのか

 愛知県では、特に盛り上がってはいませんが大村秀章のリコール運動が行われているようです。ことの発端は昨年のあいちトリエンナーレ。コレに関しては特にココでは詳しく書きませんが、かの中止・再開後、大村・河村両者は激しく対立し、ついにリコール署名活動を開始しました。

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 しかしどうもよく見てみるとこの活動、大村知事を辞めさせるというより単に騒ぎたいだけで、そこに日本維新の会が乗っかってめんどくさいことになっている…という印象を受けました。これでは成功するはずがありません。

政治運動と言うより"保守層のオフ会"が適切

 この運動の話題の中心は、運動を主導するメンバーが著名人?ばかりであるところでしょう。愛知100万人リコールの会の会長・高須克弥氏に加え名古屋市長河村たかし氏、作家の百田尚樹氏、元インドネシア大統領夫人のデヴィ・スカルノ氏、ジャーナリストの有本香氏と保守層に人気の著名人が目白押しです。全国の保守層からすればかなり注目度の高い祭りなのではないでしょうか。

 でもこの運動、不思議なことになぜか愛知県出身者が全然いません。ツイッターでも「オレは愛知県民じゃないけど、応援してる」みたいなツイートばかりが並んでます。そもそも上に書いた著名人だって高須克弥氏以外愛知県民じゃない。いや応援してるなら移住しましょうよ…。

"知事を辞めさせる運動"なのに次の県知事候補が不在

 不思議な現象はまだまだあります。県知事の解職請求権を行使するということは、知事を辞めさせるということです。つまり次の選挙が行われるということ。しかしその時の選挙にはだれが出るのでしょう。大村秀章に代わって愛知県をどう良くしてくれるのでしょう。その視点からの議論が反対派は勿論ですが、なぜかリコール運動を主導するメンバーすら話題にも出しません。解職請求が仮に通っても再出馬は可能なので大村秀章が再出馬して終了です。なんなら今、大村が辞表を提出したら愛知100万人リコールの会の存在意義はたちまち消滅して解散するでしょう。まあ今はコロナだからやらないと思うけど・・・。

実は河村たかしにはリコールの成功体験がある

 不思議といえば、河村たかしがなぜこんな無謀なリコール運動に参画するのかという所もあります。ただ、これには理由があります。

 名古屋では2011年、リコール署名運動を通じて名古屋市会が解散され、選挙が実行されたことがあるのです。

名古屋市の河村たかし市長が主導するリコール(議会の解散請求)に向けた署名活動が27日に始まる。焦点は1カ月間で36万人超の法定署名が集まるかどうか。「公約実現の最後の手段」と訴える市長に対し、議会は「二元代表制の否定だ」と猛反発する。首長と議会のあり方をも問う市長の異例の手段に、約180万人の有権者が下す判断が注目される。

 当時、河村たかしは市民税減税の恒久化を訴えていました。実際に日々の生活に影響する選挙ということで市民の注目度は非常に高かったのも事実です。これが市会の解散に繋がった理由でしょう。しかし今回は違い、私怨や歴史問題という、名古屋での実生活とは離れたところでの争点が中心となっています。市民の関心は強くなりようがありません。

コロナ禍で給付金の遅延・検査の不足を放置した河村

 まず肝心の河村市政ですが、年々その評判は悪化しているように感じます。更に大きく信頼を失った転機は新型コロナウイルスの流行でしょう。特に特別給付金の遅延は大きく、隣の豊明市や長久手市等の近隣自治体の多くの人は5月中には受け取れていたのに、名古屋の人は6月が終わり7月になっても受け取れないという事態が発生していました。

 更には大幅なPCR検査導入の拡大の遅れです。河村市長はコレを問題だとしながらも、愛知県が「県がいくらでもやる」と言ってもこれを拒否。

 愛知県は大村秀章知事が24日、臨時記者会見を開いた。名古屋市で検査待ちが出ていると問われると「言っていただければ県でいくらでもやる」と述べた。

・・・プライドがあるんでしょうが、それで生活が振り回されるのもどうかと思いますよね。

リコール運動の実態は維新の選挙活動

 これもあまり知られていませんが、現在都構想で揺れている大阪を中心として活動されている日本維新の会の支援を受けているという情報も多く入ってきています。

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 維新選挙用とリコール街宣車、同一ナンバーが使用されています。他にも・・・

 というか、そもそも露骨に応援してる

大村は維新以外応援して落選させた実績あり

 維新が高須を応援するのは実は理由があります。前回2019年の参議院議員通常選挙で、大村秀章は自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党の四党の議員候補に対し応援演説を行っています。ツイッターでも積極的に応援の広報を行っておりました。

 応援を受けた候補は全員当選です。勿論彼自身は前回共産党候補と対峙し、共産党以外の政党の支援を受けて当選しているので自然な動きですが、ココで五位で落選した候補はもちろん河村が応援する維新です

このように、河村・大村の対立の裏には日本維新の会の動きがあることはおわかりいただけたと思います。維新といえば今話題なのは大阪市分割解体の市民投票ですが、恐らくその結果しだいでは、間接的には愛知県も政治的な影響を受けることは免れないだろうと思われます。大阪市民の方々、頑張ってね。

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