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お前、仕事好きだろ?(3)

(2)のつづき

2社目の会社に居た時間、それは人生の夏休みだった。
仕事がぬるい。スピード感がない。決めたスケジュールがゆるすぎて、仕事をしてるフリまでする始末。やる仕事がないので時間を潰さなければならないのである。なんだこれ。でもこれでもこの会社には売上が発生し、決して低くない給料を私たち社員に支払ってくれるのだ。世の中の不平等さを再認識した。そんな生活が1年くらい続いた。

しかし万物は流転するものだ。無常。私の夏休みは急に終わりを告げた。
簡単に言えば、今までにはなかった競争環境にさらされることになり、社員は急ピッチでその対策をする必要ができたのだ。
忙しくなってきたものの、私はしばらく在籍しようと思っていた。すぐに辞めるつもりはなかった。環境の変化こそあれ、求めた待遇は維持されていたからだ。

私がこの会社に転職したのは、まずもって待遇の改善のためであり、業種職種が自分のやりたいことかどうかは二の次であった。なので入社当初は取り組む仕事に興味が持てなかった。その後、興味を持とうと関連する資格をとったりと努力はしたが、結果的に興味を持つことはできなかった。

仕事に興味を持つことができない、これはとてもつらいことである。
仕事というのは自分の人生の大半の時間を捧げる対象であるから、仕事がつらいということは、つまり自分の人生がつらくなるということだ。

そんな中絶好のタイミングで、前職の知人からリファラル採用をお声掛けいただいた。待遇は据え置き、忙しさは増すだろうことが想定された。業務内容としてはものすごく興味があるわけではなかったものの、その時点での業務内容に比べたら比較にならないほど興味深そうなものではあり、悩みながらも転職の意思決定をし、三社目へと移ることになった。社会人7年目のことであった。

(4につづく)

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