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異世界言語について本気出して考えてみたら、いつでも同じところに行き着くのさ

ちまたで流行のいわゆる『異世界ラノベ』。

その言語について、私がどうしても納得いかないことがある。

それは異世界転移において、なぜ言語が通用するのか?

である。

「あれ? なぜだか日本語で通じている!?」

とさえ書けばそれで事足りてしまうのが、またなんとも味気なく思ってしまうのだ。

さて異世界系、いわゆるなろう系などと俗称されるこれらの系統のラノベやそれを原作としたアニメ作品は、現在多岐に渡って、しかも大人気である。

まあ、大人気をどのラインからと定義づけるのか、最近では難しいのだけれど。

いわゆる現代人の主人公がなんらかの方法によって『異世界』という場所に行って、恋に落ちたり、罠に落ちたり、成功したり、失敗したりする作品。

ぶっちゃけ言ってしまうと往年のアニメ『聖戦士ダンバイン』だって、異世界転移モノということになるのだ。

さて、この異世界へ渡る方法がいくつかある。

今最も主流なのが『異世界転生』

現代社会で死亡した主人公が異世界の人物(最近では「人」と限定出来なくなってきたが)に生まれ変わって、なぜだか前世の記憶を引き継いで現代社会の知識や諸々の能力、スキルを得て異世界で活躍する話。

そして次に『異世界転移』

現代社会から、召喚、あるいはなんらかの偶発的な事故によって、主人公が身体ごと異世界に飛ばされてしまう話。転生との差は、生身の人間がそのまま異世界に行ってしまうこと。
多くの場合、元の世界に戻ることが最終目的とされる。(のは昔の話で最近では異世界で幸せに暮らす話の方がウケがよろしいみたい。)

また双方のハイブリッド……というか派生形というか『ゲーム世界転生(転移)』というのもある。これは多くはMMOロールプレイングゲーム世界に閉じ込められる(というと語弊があるが)話。
なんで娯楽であるゲームにそんなシステムが組み込まれているのかという謎解きも大きな要素の1つといえよう。
しかし、なんでどいつもこいつもMMORPGの世界なんだ?たまにはドンキーコングやギャラガやスーパーマリオの世界に閉じ込められてもいいじゃないか……。
と思ったらゲームセンターあらしにゲーム世界に閉じ込められる話があったような気がすると書きながら思いだしてしまった。
ちなみにこのジャンルは自分が育てたキャラやスキルを使えるという、生でゲームをプレイする感覚になるのも特徴。

あとは『夢の世界』だとかタイムリープ系の『未来の世界』『過去の世界』に行くのもこういう系統とも言えるだろう。まあこの辺りの棲み分けは別の話なのでまあいい。


はい。というわけで異世界モノの説明が終わったところで、話を戻そう。

言語の話。

異世界転生については、向こうの世界で生まれ育ったので、言語もイチから覚えたので、問題ナシ。

これはわかる。

ゲーム世界に入るのも、まあシステムが作用しているなり、ゲーム世界に酷似したファンタジーに召喚される、なども、その召喚の際になにか作用が働いたと、まあ好意的に考えよう。

かなりご都合主義なのは否めないが。

私が問題にしているのは『異世界転移』についてだ。

彼らの多くは基本的には現代人だ。

それが、いきなり異世界に、どういうわけか迷い込んでしまって、そこでの生活が始まる。

貨幣も違う、文字も違う、人種……いやそもそも人でない亜人種まで存在する世界で、なんで言語が通用するのか?

そもそもその世界での公用語が1つとは限らないではないか。

だいたい、現代社会の世界の片隅の狭い日本の中ですら、通じない言語があるというのに、なぜ、国際の壁などぶっ壊した異世界でそんな偶然が発生するのか、私には甚だ疑問なのだ。

「精霊が作用して言葉を自然に翻訳している」
「召喚時に、召喚者の能力によって言語が通じるようになっている」

とかの言及がされているのなら、まだ理解出来もしよう。

だったらついでに文字も読めるようにしといてやれよ。

イチから文字の練習した描写とか入っても、健気だし哀れでもあるぞ。

「じゃあ、最初から言語習得の為に、駅前留学ならぬ、異世界留学で向こうの言語をイチから学ぶ描写が必要なのか?

というと、無論そんな小説もアニメも、おもしろいわけがない。
いいや、一周回って面白く出来そうな気もするが……。

なので、チートでもスキルでも、あるいはギフトでもなんでもよくって、なにかしら言語習得の描写が入っていると、私はすごーく安心してその物語が楽しめるのだ。

つまらないこだわりだと思うが、気になるモノは仕方がない。

なので私自身、そういった異世界モノの作品を書き出すのに、常に二の足を踏んでしまうのだ。

これ以上は言い訳になるので言及を控えるが、逆を言えば言語についてもしっかり考えられている作品は作品の世界観がきっちりと構築されているのでおもしろい作品、あるいは面白くなる可能性を秘めた作品であると考えてもいいのではないだろうか?

そんな風に作品を違う角度は視点から見るのもまた面白いのではないだろうか?

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