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北野詠一氏の描く『片喰と黄金』がついに最終回を迎えてしまった。

あろはー上島です。
いやー表題の通りなんですが。
ヤンマガからコミックDAYSに移籍したりした北野詠一先生の『片喰と黄金』がとうとう最終回に到達してしまいました。

ざっくりと物語の概要を申しますと。

19世紀アイルランドに起こったジャガイモ飢饉に直面し、農場主の娘アメリアは家族や農場の使用人たちも喪ってしまった。
最後に残された従僕のコナーと共に痩せ細った大地で、大地以上に痩せ細った味を寄せ合って命を繋いでいた。
そんな折、大西洋の向こうの北米大陸でのゴールドラッシュの噂を聞きつける。
アイルランドから少女と従僕の過酷で苦難の旅が始まる。
そしてアメリアは行く先々でアメリカ大陸の過酷な現状を知る───。そこでアメリアは道中にいろいろと面倒(?)な仲間と共にゴールドラッシュに沸き返るカリフォルニアへと向かうのである。

作中には様々な差別や、一部暴力的な描写もあるが、なんといってもまだ19世紀、開拓間もないアメリカのしかも危険な西部への道中だ。
行動力だけはやけにあるが、飢饉を逃れてきたやせっぽちの少女が、無事に辿り着けるものではない。
作中、何人もの大人たちに「無茶だ!」と突っ込まれるシーンも何度かある。しかし、狂乱の時代のせいかそんなアメリアを真剣に止めようとする大人が少ないのも妙なリアリティを感じる。

アメリアたちは最終難関地である、シェラネバダ山脈を越えて、ようやくカリフォルニアへと到達したわけだ。
道中の様々な人との触れ合いにより、アメリアは1つの答えを導き出すのだが───。

そんな結末に、どうしようもなくこの物語を、もっと読みたい!
まだまだ終わらないで欲しい!
カリフォルニア編として新連載して欲しい!

と思うほどに、アメリアとそれを取り巻く人たちの情けの虜になってしまっていた。

まわりは頼りがいのある、中には立派な大人たちも居るのに、実質的な”リーダー”はこのアメリアであり、彼女の存在が、道中の仲間たちの精神的支柱になっているのが、なんとも微笑ましく、そしてハートウォーミングなのだ。

そんな人々との交流の描き方がまた素晴らしく、願わくばそんな人たちとの再会まで描かれるのを読んでみたかった。

最終的に彼女たちがどのような運命を辿るのか、一応今後後日談や番外編はコミックスに収録されるそうではあるが、作者北野詠一さんのツイートより、正直まだまだ物足りない……いや、満足感は充分過ぎるほどにあるのだが、もっと欲しい!  まだまだ欲しいと、欲望が尽きないのだ。

少しでも気になる方はぜひぜひ下のリンクにあるコミックDAYSさんで1話、2話を読んで欲しい。
いやいや、まったく全然気にならないぜって人でもいい。
とにかくこの物語を知って欲しい、読んで欲しいのだ。

そして、コミックスを全巻読んでもらいたい!
さらに、私のこのなんともいえない、無性に続きを、もっともっとと渇望する気持ちに共感を、ほんの少しでも得られたのなら幸いである。

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