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『ネウロ』『暗殺教室』の松井優征氏の最新作は歴史モノ異色作!『逃げ上手の若君』1巻!

はい、もう言いたいことはもう表題の通りでしかなかったりするんだけども、あの松井優征先生が週刊少年ジャンプにて連載を開始したのが、こちら。

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『逃げ上手の若君』なのです!

なんと、今回は一風変わって時代モノ!

昨今、時代モノとして注目されるのは幕末や戦国に特化され続けて、毎年の某国営放送の大河ドラマなんかは毎年この幕末と戦国とを交代交代でやっている印象すら受ける。

そんな中、この逃げ上手の若君はどこの誰かと言いますと、北条時行様!

えっ? 誰?

って感じでしょう?

はい、実際、この方、歴史の教科書やドラマ、あるいは書物でもあまり大々的に描かれていません。

時は鎌倉時代末期。
かの源氏の頭領源頼朝によって起こされた鎌倉幕府は既に将軍は権威を失い、執権という役職に就いた北条家がその差配を掌握していた。

しかし、その北条家も代を重ね、北条高時の頃には完全に傀儡、つまりお飾りとなっていた。

そうなると政治は腐敗していくのが世の常。
その中で朽ちていく幕府の屋台骨を見限った武将が、後の『足利尊氏』こと「足利高氏」である。
政治の中心を、将軍から天皇へと取り戻すべく幕府と敵対していた後醍醐天皇と通じて鎌倉幕府滅亡にトドメを刺したのだ。
(まあ、高氏が謀反を起こさなくても、もはや鎌倉幕府は風前の灯火死に態だったとも言われているが……)

その時、命からがら逃げ延びたのが北条家の遺児、北条時行というわけだ。

なんと、このマンガの主人公のその怨敵は室町時代の開祖たる足利尊氏その人なのだ。

なんという波瀾!

こう聞くだけで波瀾しかなさそうな人生!

しかもこの北条時行、新時代の立役者である足利尊氏から逃げ続け、神出鬼没、神算鬼謀によって鎌倉を生涯三度に渡って奪還を成功させた。
とはいえ、その奪還期間はいずれも短期間に終わり、また遁走するのだ。

まさにタイトルの如く、とんでもなく逃げ上手であったことは間違いない。

逃げることは恥とされた武家社会にあって、多くの武士の目には彼の生き様がおそらく奇異に映ったであろうことは想像に容易だ。

さらに時代はこの後、南北朝時代という永い日本史の中でも結構なアンタッチャブルの時代へと突入する。

そう。

天皇家が南朝と北朝に二つ存在した時代だ。

この時代は資料も少なく、如何にフィクションとはいえ、なかなか滅多なことも書ける内容ではないのだ。

そんな危険地帯に踏み込むのが松井優征氏!
そこが痺れる憧れる!

さて、鬼才の手によって、少年マンガヒーローとして復活を遂げた北条時行がどのような活躍を見せるのか?

そして、怨敵、足利尊氏にもどうやら何か、怪奇のニオイが漂っており、松井先生の真骨頂が描かれそうな予感!

そんな最強の英雄にして正体不明の怪異という恐ろしい相手に、この若君がどう戦い抜くか?

史実や時代背景をどこまで描き、どうアレンジしていくしていくのか? 鬼才松井優征氏の筆の冴え渡りに期待を禁じ得ないのだ。



※既に来月の8月4日には次巻が発売される予定のようです!
要チェック!


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