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偶然はただの偶然だった#好きだった彼へ

大人になると言葉にして告白することが少なくなる。
ましてや言葉にしないまま関係が進んだり、進んだ後に告白したりする。
だから付き合う前に振られるなんてこと、珍しかったんじゃないかな。

大学生の時、バイト先で出会った同い年の彼。
見た目はタイプでもなかったけど、彼のおもしろさに惹かれ気が付けば好きになっていた。でもほんとはそれ以上に、彼とはいくつも偶然が重なっていて、本当に運命の人なんじゃないかって、思ってた。
大学生にしては純粋すぎたかもしれない。

私は彼の好きな曲を聴き、彼の好きなものを食べた。
彼は私の好みとは全く違ってたけど、好きだったから彼の好みはすべてかっこよく思えたし、私もそれに似合いたかった。
彼が好きなアーティストをストリーミングで聞きまくっては二人の未来を思いうかべてた。
バイトに行くのも彼に会えるからと楽しみだった。
彼はおそらく私の好きな気持ちに気づいても仲良くしてくれて、私の誘いも断らずに付き合ってくれた。
もしかして両想いなんじゃないかって思ってたけど、
結局最後まで彼から告白されることはなかった。

思えば私は一方的にランチはついていくし、話を面白いと思って聞いてたけど、彼からしたら別に面白くなかったよね、と後からやっと気づく。

今思うと申し訳ない気持ちが強いし、何回も(!)誘ってたなんて恥ずかしい。
もうバイトでは会えなくなる、という日に告って、玉砕。
結局はすべて私の妄想だったんだなとやっと夢から覚めた。
でも、出会えてよかったよ。
久しぶりに純粋な恋ができたから、ありがとう。

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最近気まずく終わったこの恋を思い出して、ラインももう一度開いてみたけど、
意外にも最後の会話は友達らしく終わってて、ホッとした。
人を好きなるのは、悪いことじゃないよね。

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