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Integrated with something else?

何冊本を書いていても,本当は書きたかったのですが,入れられない要素というものがあります.なぜ入っていないかというと,別に云ってはいけない世の中の真理で出版社に口止めされたとかそういうことではなくて,ある本全体の企画を貫(つらぬ)くロジックとフィットしないものは当然のごとく入れられないわけです.このことは,絶版中のこの本(↑)についてもあてはまります.

云うまでもなく,この本を心臓部は展開パターンを扱ったChapter 2にあります.だけれども,この本のExerciseを身につけただけで純粋にセンテンスをつなげて,まとまったテキストを作れるかというと,それは微妙な点もあります.

というのは,Section 4からSection 15で扱われている典型的な展開パターンにそってアイディアを組み立てることができるだけでなくて,それをSections 1-3にある原則を使ってより長いテキストにするという練習が必要になるからです.でも,そんな部分を扱っていたら,キリがないので,まずは展開パターンを,というつもりで本はできているわけです.

極端な話,使えるdiscourse markersの数なんかはそれほどではなくてもいいわけです.英語もかなりやさしくてもでも複数の展開パターンを論理の大原則にしたがって組み合わせるのはセンスかあるいはそれをカヴァーするだけの練習量(適切な練習を一定量行なえばセンスが身に付く)が必要になります.

どうしてもライティングとか英作文になると使えない文構造や表現を抑えることに意識が行ってしまいますが,基本的に展開がすっと読めればそれらはそんな洗練されていなくても大丈夫で,テストでもそれなりの点は来ます.ただ,それは簡単な英語を使って文法ミスをゼロにするという発想とはちょっと違います.あくまで大事なのは論理・構成・展開が明確であることで,文法ミスを避けるために意味不明の単文が並んでいれば満点がとれるという話ではないわけです.


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