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How to Express Yourself, or Expressions?

よくでる決まり文句を覚えるという英会話の勉強方法があります.まあ,アメリカ人が(英語以外の)外国語をさらっと学ぶときも「お決まりフレーズの暗記+その外国語が話される地域の文化情報」をセットで勉強するので,かならずしも間違えているとは云えません.

でも,大学入試の英作文にしろ,各種語学試験のライティングにしろ,テストではないライティング力を上げるにしろ,表現の暗記は最後の最後でいいです.あなたが初級者で,英語に自信がない人であればあるほど.

というか,表現という語が曲者くせものなんですよね.この後は,当然ながら,❶表現力(how to express yourself)と❷言い回し(expressions, 数えられる名詞で大概の場合は1つ以上の言い回しに言及するので複数にしておきます)の両方の意味があります.

❶は英語でアウトプットをすると決めたときから付きまとう問題です.だから,「どういうことを云う/書くのか(内容)」を決めて「どういうのか(表現方法)」を考えます.これには手持ちの英語知識を使いこなす練習が必要です.まあ,その過程で知識不足を感じたら補わなければいけない面もあるでしょう.

基本的にほとんどの学習者はこの❶の練習がまったく足りません.新しい表現なんて覚えなくていいのです.自分がすでに知っている表現(語・文構造とその組み合わせ)をうまく使い,あやふやな知識は間違いを減らすことで,かなりしょぼいし,ところどころ間違いも散見さんけんするけれども上級者やネイティヴが意味の取り間違いがないであろう英語を生み出せるようになればそれで実はあなたは相当できる人になっているわけです.

でも,それでは満足しない人が,Who Does What to Whom.(誰かが何かをして他の誰かに働きかける)というセンテンスの基本原理(『ゼロから覚醒はじめよう英作文』では「英語のセンテンスの基本原理」と書きましたが,語順などはちがっても日本語をはじめ大概の他の言語でもそうです)の例外あるいは応用にあたる文構造に取り組んだり,普通の日本人では使いこなせなさそうな表現を使うと2度目,3度目の覚醒ブレイクスルーが起こるという話です.wind up doing / given that ~ / turn out to (be)… / half way through / take X for granted とか.これは『改訂版 英語スピーキングルールブック』には入れてありますが,ライティングの初心者はこれらは使えなくて構いません.

もちろん,その「表現(=言い回し)」がbe going to do / at night / go shopping /  X is better than Y / look like X あたりを指しているのならば表現を覚えるのも悪くないですけどね.アウトプットのトレーニングの中で欠けている基本事項を見つけたら補い,必要とあれば覚える時間を割くことも必要でしょう. 

大事なことなのでもう1度書きますが,ライティングでまずするべきことは❶なるべく自分の手持ちの英語知識でセンテンスを作る能力を磨くこと❷相手にわかるように,センテンスをつなげて,まとめてテキスト(メッセージ)にすることです.❸より英語らしい表現を学ぶことは❶❷が完璧とはいかなくてもある程度目処めどが着いた学習者でさらに上に行くことをいとわない人が取り組むタスクのように感じます.


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