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<30代メンズが考察してみた>「プレゼント選び」に疲れたら

 桜の満開宣言が気になる3月。卒業式や異動の時期と重なり、多くの人達が「別れ」と「疲れ」を経験する時期だと思う。

 筆者も、毎年この時期には、社内外のお世話になった方・特段お世話になっていない方も含めて、ひとつの節目ということで、多くの方を送別してきた。その度に、「感謝」または「とりあえず義理で」の気持ちを込めて、様々なプレゼントも贈ってきた。

 今年は折角なので、自分が選んだプレゼントを例に、「どうしてそのプレゼントを選んだのか?」考察してみた。プレゼント選びに苦労・疲弊している人の一助になれば嬉しい。

1.私の選んだプレゼント

 まず、結果から言うと、3月に贈ったプレゼントは、以下の2点(写真はあくまで参考)。

(1)版画家「黒木周」さんの作品(額装)

黒木周

(2)宮城県・伊達冠石(だてかんむりいし)の置き時計台

伊達冠石

 版画アートと石製の時計台。両方とも、あまり聞き慣れない贈り物かもしれない。自分としては、気疲れせずに贈ることができたという点で、大満足。これらのプレゼントを選ぶ際、大切にしている私流の贈り物ルールを、紹介していく。

2.プレゼント選びに疲れたら

 これまで、誰から、どんなプレゼントをもらったのか、思い出すことができるでしょうか?

 巷では、

・「ギフト達人が伝授!記憶に残る贈り物選び」

・「現役秘書が厳選した贈り物ランキング☆」

といった記事で溢れ返っている。

 この手の記事を、いざプレゼント選びの際、参考にしようと読んでみる。ところが、出所不明なアンケート結果を基にしたランキングが突然登場したり、いまいちピンとこない冴えない商品が、延々と賛美され紹介されている、ということも多いのでは?

 ・・・この”自分にとって、いまいちピンとこない”という感覚こそが、プレゼントで気疲れしないために、一番肝心だと思う。

 要するに、プレゼント選びで大切なことは、

「自分が贈りたいプレゼントを、自分らしく、自由に選ぶ」

ということだ。

「・・・いやいや、最終的には自分で購入している訳で、自分らしいプレゼントは当たり前でしょ?」

「相手の好みに合っていないと、結局は、残念なプレゼントでは?」

などと考える人もいるかもしれない。けれど、「相手が欲しがってそうなプレゼントを、相手の希望に寄せながら、相手本位で選ぶ」方法とは根本的に違う。

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 誤解を恐れずに言えば、究極的には、プレゼント選びは自分本位で良い、と思う。

 確かに、贈る相手が居るからこそ、「プレゼント」が成立する。

 しかし、これまでの経験上、贈る相手に心の底から喜んでもらえる商品を、世の中ごまんとある商品群から見つけ出すことは、極めて難しい。さらに、プレゼントを贈る相手さえ思いつきもしなかった"心に響く一品"を、自分で目利きして選び当てるなんて、ほぼほぼ不可能に近い。

 ・・・相手の好みのブランドや欲しいジャンル(例えば、「ネックレス」や「ピアス」が欲しい!という希望)を事前にリサーチして聞いていても、ディテールの好みは千差万別だし、一緒にプレゼント選びでもしない限りは、残念な結果になることが少なくない。

 そこで、プレゼント選びに疲れたら、「プレゼントは相手のため」という制約を一度取り外してみる。そして、自分らしさを出してみる。これだけで随分気持ちが軽くなる。

 以上の結論だけだと、自分好みの「贈り物」を選ぼう、で終わってしまう。そこで次に、気疲れせず、自分らしい「贈り物」を選ぶにしても、ここだけは押さえておくべきポイントを紹介したい。

3.贈り物は 商品の「ストーリー」

 次に大切なことは、プレゼントは、商品それ自体だけではないということ。商品の「ストーリー」も、セットで贈ろう。

 言い換えれば、ストーリーのないプレゼントは、プレゼントにあらず

 仮に花束を渡すにしても、花言葉の一つくらいは、覚えて話せるようにしておきたい。

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 実際にプレゼントを渡す場面では、自分が選んだ「贈り物」をどう紹介するかが、重要。

 このためには、どんな些細なプレゼントでも、商品ストーリーをしっかりインプットしておくことが大切

 プレゼントの「渡し方」には、センスが問われるけれど(サプライズや、ロマンティックな雰囲気の演出は、筆者の専門外!笑)、「ストーリー」を伝えることにセンスは不要。事前に商品の予習をしておけばいいからだ。

 冒頭に紹介した、今月筆者が選んだプレゼントを例に挙げてみよう。

4.私の贈り物(伊達冠石の置き時計台)

(1)伊達冠石(だてかんむりいし)のストーリー 

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 伊達冠石」をご存じの方は、少ないと思う。

 宮城県の大倉山で採石される日本有数のブランド石で、かつて彫刻家イサム・ノグチが愛した石として、建築・インテリアの界隈では広く知られている石だ。

 鉄分を多く含んでおり、独特の褐色・錆色(上記写真の茶色箇所)が残る一方で、内様は黒檀色で、加工・研磨方法によって、経年優化し、光輝く表情・風合いを作れる点が特徴だ。

「時とともに味わいを増す伊達冠石」と呼ばれている。伊達冠石を用いた商品としては、モニュメントや景石、床・壁の石周りから、外構ベンチ、建具のドアハンドルまで幅広い。

(2)贈る相手とのエピソード

 プレゼントの相手先は、不動産開発物件の現場担当者(いわゆるゼネコン)さんだ。

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 特にお世話になったその方には、現場の外構工事をご担当いただいた(エクステリア工事とも呼ばれる。建物の"外"にまつわる工事全般。建築物の外壁や植栽、景石、アプローチなどを施工)。厳しい工期の中で、施主側の意向を極力汲み取って、各種調整を頂いた現場のキーマン的存在だ。

(3)贈る相手とストーリーを重ねる

 建設業界は、まさに一期一会。同じ現場でご一緒したゼネコン担当者と、また別の現場で巡り会うことは非常に稀だ。建物が竣工し、施工者から施主へ引き渡されると、現場は解散。施工担当者はまた各県の現場へと散ってゆく。

 他方で、苦労の積み重ねによって、竣工した建物は、その土地にずっと残り続けて、時を刻んでゆく。「そこ」にいけば、少しずつ経年優化していく建物に、必ず会える。

 今回、私は、「時の重なり」というストーリーを伝えたいと思い、伊達冠石を選んだ。この石種は、とにかく石目が緻密で長い年月を経ても水分への耐性があり風雨による劣化も少ない。一たび研磨すれば、黒檀色の面は、時が経過しても艶を残したまま年々味わい深い鉄褐色へと優化していく。

 この伊達冠石に、時計を組み合わせることで、「時が経過しても、お互い円熟味を増すような人を目指しましょう。また、この土地で成長(優化)して会いましょう。」という想いを込めた。

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5.最後に

 正直、今回のプレゼントが、相手にとって、どこまで記憶に残るスペシャルなプレゼントかはわからないし、今後それを知る由もない・・・

 けれど、自分らしく、気疲れせず、納得いくものを自由に選んだという点では満足しているし、ストーリーに想いを乗せて伝えることで、こちらの感謝も伝わったのかな・・と振り返る。

 自分本位で、真摯に相手を想い、ストーリーを大切にしたプレゼント選びをしていこう!

 

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