【自己組織化】集団がうまく機能するようにしたいなら、集団をマネージメントし続けようとしないことが重要だ
「黄金の3日間」
大学3年生か4年生の教職の授業で聞いた。
学級運営は、初めの3日間で1年が決まってしまうのだ、と。
初めの3日間に集中して、そこがうまくできれば、1年はラクに過ごせるのだ、と。
その3日間でやり方を間違えれば、1年は苦労することになるのだ、と。
とにかく初動が大事なのだ。
3日間にすることは、
「生徒の名前と顔を覚えること」
「明確なルールを与えること」
「そしてそのルールを周知し徹底させること」
黄金の3日間をうまくやり抜けば、3日間徹底したルールをもとに、あとは勝手に集団が自己組織的に運営してくれる。
自己組織化。
局所的ルールの相互作用が、大域的ダイナミクスを生み出すこと。
各個人がさまざまな場面でどう反応すべきか、それが局所的ルール。
あとは、個人間のコミュニケーションに任せる。
リーダーは、大域的ダイナミクス(こんな集団にしたい)を思い描いて、その結果から逆算して、個人の局所的ルールを定めて初めのうちに徹底する。
学級運営でも、部活動運営でも、授業運営でも、研究室運営でも、セミナー、講演、すべて同じ。
初めに大域的ダイナミクス(こんな終わり方にしたい)を思い描いて、その結果から逆算して、個人の局所的ルールを定めて初めのうちに徹底する。
リーダーがマネージメントするのは、初めだけ。
あとは野放しでいい。
後からルールを追加するリーダーから人は離れていく。
なぜなら、想像力がないことがバレるからだ。
初めから、未来を思い描いて逆算できていないことがバレるからだ。
リーダーは、初めに全力を注げばいい。
ルールが明確なら、人は勝手に成長して、集団は予想以上の結果を生んでくれる。
経験的には、集団を動かすのは、こんなにも簡単なのに。
この現象を数理モデル(数式)にしようとすると、すごく難しい。
自然界も社会も、そしても私たちの身体の中も、自己組織化現象で溢れている。
この共通点に気づくことが、さまざまな問題を解決するカギになる。
本質を取り出して、数理モデルを構築する。
それはつまり、物事を俯瞰してみる、ということ。
目の前の問題は、俯瞰して見れば、たいてい、そんなに難しい問題じゃなくなる。
俯瞰して見る。
リーダーも集団を俯瞰して見る。
他人を、集団を、自分の思い通りに動かそうとしない。
思い通りに動かすのは、自分自身だけでいい。
自分のことを思い通りに動かせないのなら、自分自身を俯瞰して見てみよう。
たぶん、今抱えている問題は、未来をよくするための大切なヒントだから、他にも同じようなことが起きていないか、他の人には同じようなことが起きていないか、俯瞰して見る。
共通点を見つけ出せば、問題はシンプルになる。
シンプルな問題は、簡単に答えが出る。
答えが出れば、あとは動くだけ。