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大手企業とスタートアップで迷う人が立てるべき問い:どんな歯車になりたいのか?

組織の歯車というとネガティブなイメージがあります。
ですが、ほぼすべての仕事は歯車だと思っています。私も創業し、会社の代表をやっておりますが、私も一つの歯車(代表という役割の歯車)だと思っています。また、例えばミュージシャンであっても、裏方の人たちがいて楽曲制作もライブも成立しています。演者という歯車といえば、歯車です。
今回は、キャリアにおいて論点になりがちな

大手企業か?スタートアップか?

について書きます。
The大手企業を経験し、スタートアップを2社経験し、創業した実体験者として、歯車に例えながら話を進めます。

ちなみに、Newspicksでもたまたま同じ論点で番組がありました。この番組も見応えがありました。ご興味ある方はぜひ。

大手企業における歯車

先攻、大手です。
組織の歯車と聞くと、大手のイメージかも知れません。
大手企業の歯車デメリットから書いてみます。

・ルールややり方が細かくあり、自分の個性を出しにくい
・自分のやりたい仕事にアサインされない
・単調で成長を感じられなくなる

のっけからネガティブですが、これはディスでもなく事実かなと思います。これらが、大企業をやめるキッカケたちかなと思います。
このデメリットはわかりやすいし、組織の歯車という文脈でよく言われているので割愛します。
一方で、大手企業の歯車メリットも私なり整理してみます。

・歯車と歯車の仕組みができており、組織として大きな成果が出せる
(結果、給与などの条件が高く、安定もする)
・動き方に、ある程度正解(マニュアルや明確な指示)があるので、どう動くかに不安にならない
・代替性があるので、休みなども取りやすい
・小さい歯車から始めることで確実な成長ができる

大手歯車のメリットはめちゃくちゃたくさんあります。大手企業と言うと安定しているということが一番のメリットかもしれません。個人的には、「やり方が整っている」ということは大きなメリットです。最近読んだ南場さんの記事ですが、そこで印象的な言葉が、

日本の教育は「間違えない達人」の量産システム

でした。
実際、実務になると「指示だったり、やり方待ち」という方が非常多いです。こういった方々にとって、「やり方が決まっている、マニュアルがある」ということは極めて安心ですし、成果を出すために必須かなと思っています。

また、大手だと小さな歯車から始められることもメリットです。若い方からすると、ここでも順を追って成長するということが可能になります。

スタートアップにおける歯車

スタートアップはメリットから書いてみます。

・大きな歯車になることができる
・複数の歯車になれる
・そもそも歯車をつくることもできる

一言で言えば、「裁量」や「自由」が大きいということです。
大手と比較すると、明らかにリソースが足りません。故に、若くても、経験が少なくとも、重大な役割を担えます(というか担ってくれないと困る)。
また、ステージにもよりますが、役割だって一つってことはありません。
営業やっていると思ったら、次の月はカスタマーサクセスもやっているし、さらにはマーケティングもやっているということもあります。
私も気づいたら、ノーコードでちょっとした問い合わせサイトをつくったりもしました。
つまり、自分次第で大きな歯車にも、複数の歯車にもなることができます。
そして、その成果をダイレクトに感じられるということがスタートアップの醍醐味です。

こうして良いことばかりに見えます。
そして、何より「自由じゆう」って言葉には、魔法めいた魅力があります。
ですが、自由だから楽ということは一切ないのが現実です。
経験者ですし、スタートアップを創業したから書ける現実も書きます。

・歯車同士が噛み合わないことがある(成果がでない)
・そもそも歯車となる組織が無くなる可能性もある
・どう回っていいかわからないことだらけ
・一生懸命回るも空回りも多々

まだ、色々書けますが、一言で言ってしまえば、「(何かを仕組みで回して成果を出す)歯車にすらなれない可能性があります

個々人レベルで見ると、
やることがはっきりと決まっていいないので、本当に自分で考えないといけないですし、ざっくりとした指示も自分で具体的に考えながらやる必要があります。
特に、一度決めたことも必要に応じて朝令暮改が必要ですが、これができない人が多い印象があります。会議で決めたこと、一度言われたことを”正”としてしまって、意味がないのにやり続ける。成果を出すという目的から、決めて手段をやり続けるという落とし穴陥っています。

チームレベルとしても、
多くのスタートアップは和気あいあいとしている一方で、仕事のメカニズムはできあがっていないので、個々人の取り組みが成果の最大化になっていないこともあります。任せていたつもりだったけど、誰もやってなかったということも多々です。

スタートアップと言ってキラキラしている側面もありますが、実際仕事やるのは本当に大変なこともたくさんあります。

最後はポジショントークです

それでも私がスタートアップをやっているのは、個人の価値観として、何かを創っていくことが楽しいからです。歯車から創ることもできるし、その組み合わせも自分で考えることができる。
そして、その目標にチームとして、本気で取り組める。これは、スタートアップだからこそです。

逆に、そうは言われてもカチカチ仕事したいよという人には向いていません。
スタートアップは、常にワチャワチャしています。

さて、このあたりで閉めようと思います。

キャリアで迷っている方へ
どんな歯車になってみたいですか?大企業で、キーとなる歯車になってでかいこともやるもよし。大企業で、きっちりと仕事をこなす歯車もよし。
スタートアップで、そもそもなるべき歯車から創るもよし。

そんな観点で、スタートアップ?大企業?という問いを自分なりに考えるキッカケになれば嬉しいです。

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