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今、大人にも読んでほしい本の紹介: 新しい桃太郎で多様性を学ぶ

多くの人が読んだことがある”ももたろう”、そんなももたろうで新しい本が最近でた。

「今さら、桃太郎だなんて」

という気持ちもあるが、どうやら2つの話があるらしいということで購入してみました。古巣のドリームインキュベータの方が著者みたいで。フェイスブックで投稿を見て購入しました。
(ただし、著者の木戸さんは在籍時期が重ねっておらず、実は全く知りません。。。)

今日は、そんなももたろうを読んでみて、ネタバレしない程度に内容に触れつつ、思うことが多かったので感想を書きます。

(古巣からは一銭ももらっておりません!仕込みではないです)

境遇の違う”二人の”ももたろう

その本はこちらです。

題名の通り、二人のももたろうがでてきて、通常のももたろうの話と別設定のももたろうも読めるというお得な二本立てになっています。
絵本としては、お値段はややお高めですが、表話と裏話を切り替えのための装飾もなされています。

内容ですが、”通常版”のももたろう もすこしだけ話が異なっており、今っぽくなっています。
(詳細は書きませんが、昔読んだ桃太郎とどう違うかぜひ見てみて下さい)

”もう一人”のももたろう は、鬼に育てられるという内容になっています。詳細は書けないのですが、ふたりが対決することはなく、まったく違った物語になっています。

多様性だったり、相手の状況を理解するということにメッセージがある本(と思っています)。誰もが知っているももたろうを持ち出すことで、定式化したものと違うものを表現しているのかなと勝手に推測しています。

炎上、分断、孤独感という今読むべき本

炎上、分断あるいは孤独感ということが、最近取り上げられ、問題視されています。
個人的には、これらの原因として、”偏り”があるのではと思っています。

ネットを見れば、誰かの言動に対して、みんなで偏って非難をする。

これは、1対多数の構造ですが、多数 対 多数においてどんどん偏りが出てきます。どうしても、自分に好ましいサイドの情報やコメントばかりが目に入ってきて、自分の考えが完全に偏っているなと感じるときがあります。
例えば、オリンピックの開催の是非についても双方偏っているかと。

思い込みが加速する時代といってもいいかもしれないです。

もうひとつのももたろうでは、そんな偏った見方はよくない、それぞれの人の事情ってものがあるし、それは個性ということを示しています。

小さい子供には、ちょっとわからないかもしれないですが、いくつかのシーンで子供にもマネしてほしいなと思うことがいっぱいあります。

私自身、こどもに読み聞かせをする中で、自分自身の行動を振り返るいいきっかけとなりました。

・コミュニケーションの基本ですが、受け手の気持ちになること
・これまでの環境によって、思考方法などは大きく変わること
・独断で意思決定するとしても、その背景をきちんと説明すること
→理解してもらえるかわかりませんが、なぜそういう決定となったかをしっかりと説明することが大事

子供だけでなく、大人も勉強になる本。ファミリーにとっては、1冊で何個も美味しいお得感。

(大事なことなので繰り返します。回し者ではありません)

4歳の娘の感想

当然、娘は多様性、個性、分断なんてことはわかりません。それでも、本が切り替えができるギミックを気に入っています。

なにより、”鬼がやさしい”ということで、鬼に育てられたももたろうのほうを断然気に入ってくれています。

鬼=怖い という固定観念から、

優しい鬼もいるんだ

と思ってくれただけでも嬉しいです。

新しいカタチの”ももたろう”、読んでみてはいかがですか。

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