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「質」に変わりつつある、わたしのオタク心

「遠くから眺める、キミが好き。」

これまでの観劇スタイルはまさしくこれだった。

「S席1回入るなら、当B席で4回観たい。だって、贔屓はどこから観たって素晴らしいし、心震わせてくれるから。」

けれども最近、「1回くらいは近くで観たい」という気持ちと、「足るを知る」という感覚が芽生えてきた。

今までは「行けるだけ行きたい!」が強かったけれど、今は「自分がどの公演も最高感度で楽しめる回数は一体何回なんだろう?」という自問自答をやっている。

周りがみんな「一回でも多く入りたい!」の一心でチケ取りしているからなのか、" 自分のペース " というものに気づくことなく、"オタクにとっての当たり前=自分にとっての当たり前" になっていたんだなぁと。

そう感じることはこれまでも何度かあったけれど、チケ難が続く最近では、より、「己の観劇バランス」について考えていかなくちゃなと思ったというのもあるのかもしれない。

「自分にとっての十分」を知らないと、いつまで経ってもチケット欲に塗れてしまう。自分が公演を観に行けばいくほど、チケットを占領してしまうことになる。

先日の星組公演『RRR /VIORETOPIA』では、ありがたいことに2階A席のチケットが舞い降りてくれて、(私にとっての)前方席で観劇する機会に恵まれた。

その時に、「あ、近くで観るって迫力やばいな。」と、この公演は何度かB席や立見で観ていた公演なのに、まるで初めて観るかのような、とにかく「興奮&楽しい!」という感覚をおぼえた。

その時にふと、

「遠くから眺める、キミが好き。でも、たまには近くでキミに会いたい。」

そう思った。

個人的には、とても大きな革命が起こった瞬間だった。

もちろん良席で観られるということ自体がとても有難いことなのは分かっている。

けれども、今ままでの自分には「良席で観劇する」という概念がなかったのだ。

でも今、「良席の楽しさ」に気づいてしまった。
そしてここ最近のチケ難を感じていると、より多くの人が観劇できるのがベストであり、自分にとっての「必要十分」をしっかりと感じてバランスよく楽しむことが大切だと思えた。

心通う温かい劇場という空間で、人間同士が優しく調和し合えるといいな。
そんなことを感じた最近。

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