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地域でゆっくりITサポーターを増やそう ⑫

地域で自分の持ってるITスキルを使い、ITツールが使える人を増やしていく、自分がサポーターとしてIT初学者の教わる人にどんな視点・観点をお伝えしていくのかを書き続けてきたこのシリーズ。
今回は「教わる人へのサポートのコツ」についての続編です。

専門用語を言い換えて表現する

IT初学者の方がよく言われるのが「横文字・専門用語がわからない」という話。
聞いたことのない・馴染のない言葉で説明されてもなかなか頭に入ってこないですよね。

例えば、(ぼくが学生の時にバイトでたまたま聞いた言葉ですが)工事関係ことを知らない人が工事関係の人と話をして「そこをはつって・・・」とか言われてすんなり理解しながら会話が進むでしょうか。
馴染みのない言葉を聞くと、「それって何だろう?」って思って、そこで思考が止まってしまい、その後の話が頭に入ってこなくなる時があります。

そこで大事なのが、伝えたい横文字や専門用語を使う場合には、まずその言葉の理解をしてもらうこと。
その時に比喩や別の表現での言い換えを交えて説明することが大事です。

比喩を交えながら、その用語が、どんな概念なのか・どんな動きをするのか、どんな効果があるのかなど、イメージを持ってもらうようにします。

例えば、初学者の方がよく混乱していまいがちなダウンロードとインストール。
この違いを比喩を交えて説明できますか?

私はダウンロードとインストールの違いをよく回転寿司に例えたりします。
回っている皿を取るのがダウンロードで、それを食べて体内に入れるのがインストールとか。
難しい概念や厳密さは追及しなくていいです。そこを追及して説明をしようとすると、また専門的な話になるので、相手との心の距離がだんだん離れていきます。

そして、専門用語は無理に覚えさせなくてもいいです。
同じ専門用語を何度も使いながら説明し続けることでだんだん覚えてきます。
大事なのは、そういう概念・動き・効果があることを知っている状態にすることです。
概念・動き・効果を知っていれば、何を実現したいかのイメージがつきやすくなります。
そのイメージさえあれば、専門用語を覚えることなど二の次でいいはずです。

さて、みなさんなら「ダウンロード と インストールの違い」をどんな風に説明しますか?
ちょっと難しくすると、「OSのアップデート と セキュリティ対策アプリの違い」をどんな風に説明しますか?


操作する場所の伝え方を工夫する

企業内のサポートデスクで主に電話対応をすることが多かったのですが、意思疎通がなかなかに難しい。
「○○というボタン押してください」とこちらが言うと
「そんなボタンありません」と返ってくることはザラです。
実際にはちゃんとそのボタンが存在していてもすぐに見つけられないことはよくあることです。

電話越しでなく目の前に相手がいたとしても、同様のことは起こりがちです。
それは見つけられない相手が悪いのでしょうか?
もちろん、必ずしもそうとは限らないことは想像に難くないはずです。
ではどうやったらこちらが意図したアクションをしてくれるのか。

そんな時には、例えば電話で説明するとしたらどう伝えるかを想像してみてください。
 ・どう表現したら相手に伝わるか
 ・相手にはいま何が見えている?

相手の状況を想像しながら説明してみましょう。
また、相手の状況が分からないのであれば、
 ・いま何が起こっていますか?(事実ベースで)
 ・いま何が見えていますか?(客観ベースで)
を尋ねて答えていただきましょう。できるだけ冷静になって。

そして、答えていただくとき、こちらが説明する時には、相対的な位置関係を使って表現するがポイントです。例えば、
 ・操作してもらいたい場所は
   ・画面の中の上下左右どの位置にありますか?
   ・どのアイコンや項目から上下左右どの位置に
    ありますか?
   ・手元の端末の上下左右どの位置にありますか?
など。

どうしても相手も説明が難しい、こちらも相手の状況がつかみにくいときは、スマホで写真を撮って送ってもらうというのも可能であれば有効な手立てになります。


目の前でやってもらう

その場限りであれば、教わる人の問題を解決するには、サポーターがやってあげた方が解決は早いです。
でも、その人といつも一緒にいる訳にもいきませんし、同じ状況が再現したときにすぐに対応してあげられるとは限りませんよね。

地域でゆっくりITサポーターを増やそう ②でも
書きましたが、依存にさせず「自走・応用可能な状態にする」ことが重要です。ですので、相手に困ったことがあっても、
・代わりに全部サポーターがやってしまわない
 ・その場では分かったつもりになるが、家に帰ったら忘れる
 ・また同じ質問をさせてしまうことになる
 ・自走や応用ができず、依存関係を作りかねない
などがその理由です。
また、
・目の前で実際に操作してもらう
 ・サポーターは指で操作方法を指し示しながら自分で操作してもらう
 ・余力があれば今度は自分でもう一回やってもらう
など、少々厳しく・回りくどく・時間を掛けてしまうかもしれませんが、一度やった経験があれば、忘れても思い出しやすくなります。

あとから自分で思い出しやすくする・忘れたらどういう状態にしたいかのイメージが少しでも持てるように、伝えることがコツになります。

それが上手くいけば、無理に依存関係を作ろうとしなくても、きっとサポーターとして頼りになる存在!として記憶されることになるはずです。


と、連続して書いてきました「地域でゆっくりITサポーターを増やそう」のシリーズは一旦ここまで。
また追記がありましたら書いていきます。

さいごに

時代と楽しく付き合う適応力を高めキャリアの可能性を拡げるサポートをする「3つのつながる」を実現します、と謳ってホームページをつくっています。
また「地域でゆっくりITサポーターを増やそう」の講義依頼も受け付けております。
よかったらこちらもご覧ください。
https://www.thinking-square.com/

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