見出し画像

好きなものと似合うものは違うという話

20代の頃の私は、「30歳までに結婚したい!」という謎の目標があった。
生まれ育った地域柄か、周りの友達も結婚が早い子がチラホラいたし、子供を持つなら早い方がいい、と思っていたというのもある。
30歳、という年齢に特別意味があったわけではないけど、区切りがいいから、ただそれだけだった。

特に20代後半は目標に向かって日々切磋琢磨。
合コンには足しげく参加し、自らセッティングする時もあったし、結婚相談所に登録をしたり、お見合いパーティーやガチのお見合いもたくさんした。

その中で知り合った人を好きになり、お付き合いすることもあった。
でも、自分がとても好きになったパターンではなかなかうまくいかずフラれ、自分があまり、、という人に限ってありがたいことに好かれたり。
なぜこうも、好きになる人と、好きになってもらえる人がうまく合わないのだろう、と思っていた。(恋愛は得てしてそういうものなのだろうが。)

当時私は占いが大好きで、当たる占い師がいると聞いては色んなところに友達とも、一人でも行った。全て信じていたかというとそうでもないが、自分の都合のいい部分だけを切り取って解釈していた面もある。
しかし各種行った占いの中で、私的に、ズバーン!!と響いた言葉があった。

それは、好きになった人が、自分と合うとは限らない、という事だ。
今になって思えばそりゃそーだ、なのたが、当時は目からウロコが落ちた気持ちになった。

「洋服でもそうでしょ、自分がこれ好き!これ着たい!と思ったからといって、いざ着てみると全然似合わないということがあるでしょう。パートナーも同じ。好きと似合うは違う。」と。

パートナーを洋服に例えるなんて、とも言われかねないが、当時の私にしてみれば、なんとも分かりやすい例えだった。

確かに。

さらに占い師は私に言った。
「あなたは完璧な人が好き。完成された男性が好きなのよ。でも、そういう人は、あなたとはぶつかるのよ。ちょっと頼りない人を選びなさい。例えば、清潔感はあるけどシャツにアイロンがかかってない人、みたいな。」
だそうだ。

今にしてみれば、本当にその通り過ぎて思い当たる節しかないのだが、当時は自分が好きになる人を否定されるようでなんとも受け入れ難かった。しかも頼りない人?やだなー。アイロンくらいちゃんと自分でかけろよだし。
なんて思っていた。

でも言われた言葉が妙にずっと心に残った。(くどいようだが、当たり過ぎていたからなのだが。)

結果、目標としていた30歳までの結婚は間に合わなかったが、夫と出会って結婚した。確かに最初会った時はちょっと頼りない人と思った。が、なんか合っている気はする。(アイロンはかけずクリーニングに出してもらっている)

と、占いが当たったという話がしたいのではない。

好きと似合うは違う、という話だ。
私はたまたま男女関係の中で身をもって分かったことだが、これって他にも当てはまることではないか。
その他人間関係や仕事など。
仕事の場合は、好きこそものの上手なれ、とも言うが、好きな事を仕事にするとうまくいかない、みたいな話も聞くし。
人間関係も、憧れてこの人と仲良くしたい!と思ってもいざ近づいてみるとなんか違った、みたいな。

好き=過剰に自分がその対象物(人)に期待をしている状態、というのが往々にしてある。好きだからこそそこに自分を合わそうと無理をしたり。だから現実を知った時に、勝手にがっかりしたり自分が疲れたり。

好き=背伸びしがち
似合う=等身大

そんな気がするな。
これからの人生、色んな取捨選択の場面がまだまだあると思うけど、一つの私のセオリーとして胸に留めておこう、と思った話。



30歳を迎えた時、目標の結婚に到達していないことにガッカリもしたものだが、なんだかホッとしたような、そんな心境にもなった事を覚えている。
30歳になったからって、別に何も変わんないじゃん!私は私だ!(当たり前なのだが)
思えば、いわゆる世間が思う若さという鎧が脱げて、肩の荷が降りたような、そんな不思議な心境だった。
その時の気持ちを当時38歳の先輩に話した。
「そうだよ、気付いた?30代ってめちゃめちゃ楽しいよ。20代も楽しかったと思うけど、30代の方が楽しいよ。でも坂道を転げ落ちるように歳もとるけどね。笑」

今私は当時の先輩と同じ38歳になった。
確かにあっという間に年を取ってる感じもあるが、楽しい。
これから30代を迎えるにあたり不安になってる人がいたら、同じ事を言ってあげたいな。

30代を振り返りながら、偉そうに先輩風を吹かす私。40代という背中が見えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?