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息子と社会をつなぐ係になる

先日、地域に根付いた社団法人がやっている、親子参加型の自然と触れ合うイベントに参加した。
各種イベントがある中で、その日のイベントを選んだ理由は、化石発掘体験があったからだ。息子(5)は恐竜が大好きなので、化石発掘、このワードだけでテンション爆上がりである。

実際に1500万年前の地層を発掘させてもらい、魚の鱗の化石を見つけた。見つけられたことも嬉しいが、何より、ゴーグルをつけて、ノミとトンカチを渡されて、本格的に石を砕いたりなどする、その行為そのものにも大興奮だった。
他にも、里山を歩きながら、動物や植物の専門的な説明を聞けて、親も勉強になった。
私が印象的だったのは、その日引率してくれたネイチャーガイド的な方が、本当に知識が豊富で、生き物、自然のことも大好きで、それを全力で子供に見せてくれる姿に感動した。

大きなクモを見つけては、ガッツリ掴んで、糸をプラーンと垂らしながらクモを見せてくれたり、大きなニホンアカガエルを素手で捕まえて子供達に触らせてくれたり、、、数々の自然、生き物との触れ合いに、子供たちは目をキラキラさせていた。(私は虫たちは怖いので遠巻きに見てるだけだったが笑)

その日1日が終わり、本当に素敵な体験ができたね、と息子と噛み締め合った。

とても良いイベントだったので、仲良しのお友達親子にも教えてあげよう!!と思った。
が、ふとその仲良し親子のママを思い浮かべて、あ、もしかしたらその親子はそういったイベントには参加しないかもな(好きじゃないかもな)と思い直した。
なぜなら、親子ともども人見知りで、他人(しかもその日初めて顔を合わせた)との集団行動は好きじゃないかも、と思ったのだ。
それはそれで、それぞれのご家庭の思いなどもあるので、自分のオススメを押し付けるのはやめよう、と思った。

家族で、ありとあらゆる体験を、子供にさせてあげられたら、本当にいいと思う。家族の絆も深まるし、親への尊敬の念なども生まれるかもしれない。
だけど、残念ながら私の家族は(というか夫は)、あまりアウトドアにも興味がなく、たまに一緒にやってみても、誰かがイライラしてしまい、険悪な雰囲気になってしまう。
これはいやだな、と常々思っていた私は、じゃあ息子にはどうやって自然体験をさせてあげたらいいのだろう、私一人でもいいのだけど、体力的に一人で子供を見るのには厳しい時もあるし、なかなか専門的な知識もない。
はてどうしたものか、、と思っていた時に出会ったのが、今回の社団法人がやっているイベントだった。

本当に素晴らしい体験をさせてくれるイベントだったので、親だけで完結して子供に何かをしてあげられなくても、全く問題ないじゃないか!と開眼した。
むしろ、世の中には親や学校の先生以外にも、こんなにたくさんのことを教えてくれる大人がいて、一緒に全力で楽しんでくれる、そんな大人がいるんだ、と気付ける場に行けることは、今後の息子の将来にとってとてもいいのではないか。

世の中は世知辛い。でも、子供の頃接してきたたくさんの大人は、あんなにキラキラしていて自分と一生懸命遊んでくれた、と心の土壌に、肥料になるのではないか。世の中そんなに悪いもんじゃない、と思ってくれるのではなかろうか。

そもそも、親だけであらゆることを子供に教えられるなんで出来るわけがない。もし出来ると思っていたら傲慢な気もする。
じゃあ、積極的に、自分にない知識を得てもらうためには外注に出してもいいじゃないか。
そうだ、私は、息子と社会をつなぐ窓口係になる、というのも悪くないなと思った。

そうやって、外の世界で色んな経験を積んで、世界に対する信頼感を高めてもらう。
色んな機会を与えて、そりゃ当たり外れもあるだろうし、結果、何を息子が良かった、と選択をするかは分からないけど、いっぱい選択肢を見せて自分で選んでもらおうと思った。

わたしは息子と社会をつなぐ窓口係になろうと思った話。

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