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フィールドセールスを再定義する



フィールドセールスに対するインサイドセールスという概念が注目を浴びています。またマーケティングと営業の役割というものもよく考えてみる必要があります。

・マーケティングオンリー(営業なし)
・マーケティング+インサイドセールス(訪問営業なし)
・マーケティング+フィールドセールス
・マーケティング+インサイドセールス+フィールドセールス

ビジネスモデルの打ち手として必ずしも対面営業が必要不可欠な時代ではありません。改めて経営視点から考える対面営業の価値というものを探ってみたいと思います。


この問題意識は、「MEDIA MAKERS」からインスパイアされました。


メディア論の大家マクルーハンは、内容(メッセージ)ではなく、媒体・手段そのものが人間の経験形式を規定すると言います。

メディアの内容(メッセージ)よりも、その形式(メディア)の方が人びとにより大きな影響を与える(メッセージを送る)とも言っています。

マクルーハンの言わんとしていることが、「MEDIA MAKERS」のリニア⇄ノンリニアの議論の中でなるほどなと。

・リニア
はじめから終わりまで見てもらえるコンテンツ 例「映画館で見る映画」「長編小説」

・ノンリニア
デジタル上のほとんどのコンテンツ
時間軸のコントロールが受け手に委ねられる 例「広辞苑」

出典;https://kohrogi.com/?p=2321


映画館で映画を見るという行為は、どういう映像を、どういう順序で、どのように見せるか、そういった順序、時間軸の流れを鑑賞者はコントロールができない。

かたや同じ映画コンテンツをNetflixで見ると、視聴者は退屈だと思う部分を飛ばしたり、気に入った場面だけを見るというコントロールができてしまう。


デジタル化する中で時代はどんどんノンリニアに向かっているわけです。



この議論をビジネスに応用すると
内容(メッセージ)→プロダクト
形式(メディア) →Web or 電話営業 or 対面営業
というように捉えられます。


対面営業こそが、最もリニアな形式と言えます。 


効率性という観点では当然、webマーケティングや、インサイドセールスの方が優れており、ノンリニアな情報提供でも価値が損なわれないものはフィールドセールスから置き換わっていきやすい。


逆に映画館で映画を鑑賞する行為のように、
どういう順序で、どのように見せるか、そういった順序、時間軸に関する主権を顧客から取り上げた方が、深いメッセージを伝える事ができるプロダクトは引き続きフィールドセールスを必要とするという経営判断になりそうです。


時代はどんどんノンリニアに進んでます。映画館スタイルではなくNetflixスタイルに。つまり一般消費者は、より自由に、自分の思い通りに、より気軽にという方向に向かっています。

そういう時代の流れの中だからこそ、顧客の時間コストや心理的ハードルが高くても話を聞いてもらえる役割(フィールドセールス)というものは価値があるとも言えるし、それができるビジネスパーソンは決して多くないというのもまた事実だと思います。


精進あるのみですね。


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