セールスの極め方

1981年生まれ、学卒からMBAに進学。06年ITベンチャー( BtoBセールス)に飛…

セールスの極め方

1981年生まれ、学卒からMBAに進学。06年ITベンチャー( BtoBセールス)に飛び込む。10年大企業にポジションチェンジ、セールスに従事。14年にセールスマネージャーとなり現在に至る。「セールス」についてあれこれ談義します。BtoCを念頭にしてますがBtoBにも通じると。

最近の記事

フィールドセールスを再定義する

フィールドセールスに対するインサイドセールスという概念が注目を浴びています。またマーケティングと営業の役割というものもよく考えてみる必要があります。 ・マーケティングオンリー(営業なし) ・マーケティング+インサイドセールス(訪問営業なし) ・マーケティング+フィールドセールス ・マーケティング+インサイドセールス+フィールドセールス ビジネスモデルの打ち手として必ずしも対面営業が必要不可欠な時代ではありません。改めて経営視点から考える対面営業の価値というものを探ってみた

    • マスクコミュニケーションを通じてわかるもの

      対面では主に3つのチャネルを使ってコミュニケーションを行うと言われています。 ・視覚情報 (右脳) ・言語情報 (左脳) ・聴覚情報 有名なメラビアンの法則では、非言語情報の重要性が説かれています。 ■メラビアンの実験結果 「好意や反感などの感情を伝えるコミュニケーション」という特定の状況下において、言語情報と聴覚情報と視覚情報が矛盾した場合、相手が重視するのは 『言語情報:メッセージの内容』が7 %、 『聴覚情報:声のトーンや口調」が38 %、 『視覚情報:ボディラン

      • Sales Learning Curve (営業学習曲線)

        経済的トラクションは、製造学習曲線(Manufacturing Learning Curve、MLC)で表されるアイデアと似ています。 製造業では、初めはコストが高く、生産量が増えるにつれコストは下がっていきます。この曲線をたどるにつれ、純損失から利益へと移って行きます。 営業学習曲線(Sales Learning Curve、SLC) ここで、新しい製品を市場に出すことに特化した学習曲線を紹介します。その名も、営業学習曲線です。 出典  https://revi

        • いいですねを見誤らない

          セールスパーソンの中には、ポジティブで素直な人も多いです。 その気質は基本プラスに働きますが、顧客の反応を都合の良い方に解釈しがちでもあるため、「いいですね」の読み違いに繋がる事もあります。 「Nice to have」(あったらいいですね。) なのか、それとも 「Burning needs」(それいいですね!!) なのか。 Burning needsとは画像のように頭に火が付いていて、今すぐ消さないとマズイ、というような課題のことです。このような状態に対し

        フィールドセールスを再定義する

          営業という道

          剣の道があるように、営業にも道があると思い、歩んできました。 バガボンドでこんな一説があります。宮本武蔵を見た本阿弥光悦のセリフです。 剣を己の人生の真ん中に置いていると、 剣こそすべて、と口にされる方はたくさんおられますが。 本当の意味で、剣こそ己と生きている人は稀。そういう人は余計な色がつくのを拒む。ただ己の色を深く濃くしていく。その色は美しい。その人の色 。 そして私は、やはりそんな美の為にのみ研ぎたいのです。美しいならば。人を切って良いと思っているのも事実 。

          コミュニケーションにおける高等技術

          営業に相談せず自分の考えをそのまま反映させたものが本当にベストな選択となるであれば、営業は要らなくなる時代です。 複雑な購買では、ヒアリングから提案に至る過程で顧客の要望をプロの視点で適宜翻訳する作業を行っています。 適切な翻訳をするには専門知識や多くの事例を経験していることも大切です。ここは論理の領域です。 ですが、この正論を正論のまま返すと相手はムッとされます。 相手の感情を逆撫でせずどう修正をしていくか。 当初の顧客の要望を変えることは営業の難しさでもあり、だか

          コミュニケーションにおける高等技術

          大切なコトは相手の口からいってもらう

          説得は得であることを説明する 納得は得であることが心に納まる(肚落ちする) そんな違いがあるわけです。 説得ではなく、納得のために必要なコンセプトが、『大切なコトは相手の口から言ってもらう』だと思ってます。 例えば。 キャリアアドバイザーと候補者のやり取りのケース。 一生懸命働いてて、同期でも1番の営業成績を出しているのに基本的に年功序列型でインセンティブ要素も弱く、また平均報酬が業界平均だとしましょう。 (説得のケース) キャリアアドバイザー 「〇〇さんの年収

          大切なコトは相手の口からいってもらう

          機能説明と解決策提案の違い

          わかっちゃいるんですが、商品の機能説明になってしまう癖ってなかなか抜けません。 型を身につけないと、頭ではわかっているけど、できないという典型かなと思ってます。 10年以上この呪縛から抜け出せなかったのですが、自分なりのコツをご紹介します。 ちょっと具体例を。 家電製品の売り場。 iPhone11の新発売の時期に店頭販売するケースをイメージしてください。 *iPhoneXからのバージョンアップの目玉はカメラ機能 *Face ID(顔認識)の認識性能も向上 *バッテリ

          機能説明と解決策提案の違い

          一流と二流を分かつモノ

          今いろいろテーマの洗い出しをしていて、スキルに関する話もこれから言語化してみようと思います。  ただそういうテーマを考えるほど、やはり心技体の『心』に注釈を、心の在り方、心構えをきちんと明示しておきたいなぁと。 セールスパーソンとしてスキルを磨いていくと、顧客の方向性をある程度コントロールできるようになっていきます。 その時にセールスパーソンが、顧客と営業の関係を『契約』とみなすか、『信任(信認)』とみなすか。 契約的関係とは、端的にいえば契約の当事者である顧客と営業

          一流と二流を分かつモノ

          鞄持ちという名の修行

          自分の営業力をつけるためにいろんなトレーニングスタイルがありますが。 やっぱり現場同行は無茶苦茶有益だと思ってます。ただしイケメンに限るってやつですが。 自分なりにポイントだと思っている点を今回は3つ。 ①心技体の「心」の勉強ができる 技がスキルに対し、 心は在り方、態度に関するもので、センスという言葉にも近しいかと。 スキルは言語化しやすいので、書籍やオンライントレーニングなどでも学べます。 でもセンスは文脈依存性が高く、属人性も高いので現場でしか学びにくいもので

          鞄持ちという名の修行

          間(ま)の効用

          間って大事だったりします。とても。 言語情報 聴覚情報 視覚情報 あるわけですが。 何を話すかという言語情報の視点から離れて、『間』は聴覚情報の領域に入ります。 聴覚情報でもっとも大きなインパクトを与えるのが、有音の対極にある無音だったりします。無音に焦点を当てることが、即ち『間』についての考察になっていくわけです。 2つポイントがあります。 ①聞き手に「考える時間を与えたい」時に『間』を創る ダニエル・カーネマンの著書「ファスト & スロー」でいうシステム1(

          欲求の本質は変わらない、欲求を満たす具体的選択肢が変わる

          というお話です。 モノを購入する4つのステップで考えます。 ステップ①話を聴く態勢となる ステップ②現状の「不」に気づく ステップ③「不」の解消に繋がるとわかる ステップ④決断する これ、ステップ②における顧客の不満の本質は似ていて。 ステップ③は会社毎に提案する商品によって提案の仕方が変わるって事にも繋がります。 飲料水を買うシーンをユーザーとして考えたとき a) 喉が乾く ⇩ b)店頭にいく ⇩ c)炭酸がいいなと思う ⇩ d)コカ・コーラを手に取る という

          欲求の本質は変わらない、欲求を満たす具体的選択肢が変わる

          説得の3要素

          論理を大切にずっとビジネスやセールスを考えてきました。それゆえに分かったことがあります。 人は論理だけで動く(決断する)ことはどうやらなさそうだと。 大切な意思決定においては、論理以外に大切な要素がある。 それは何か? 古代ギリシアの哲学者アリストテレスが「弁論術」で人を説得する3要素として『ロゴス、パトス、エトス』を挙げてくれています、2000年以上前に。 ロゴス(logos) ロジックの語源だそうです。つまり論理です。 パトス(patos) パッションの語源、

          平生

          へいぜいと呼びます。 現職において一番大きな学びがこの平生です。 セールスにおいて、 知識(業界や他社商材) や スキル、テクニック も当然必要ですが、 結局のところ、セールスパーソンとしての心構え、態度。 この魂の成熟度をあげることが何よりも何よりも大事だと感じます。 ただ問題点は、どうしたらよい?? ここなんだと思います。 知識やテクニックなどは再現性の高い方法論を言語化しやすい一方、セールスパーソンとしての心構えを鍛錬する方法論は説明力が高くない。 ゆえに

          「相手が話を聴く態勢となる」ために

          気をつけていることをとめどなく綴ります。 ① 人として好意的な感情を持ってもらうこと と ② その道のプロフェッショナルとして認めてもらうこと です。わかるとは、分けること。違いを認識することで随分変わると思います。どちらか欠けてもダメですね。 相手の心のシャッターをあけるには、こちらがアクションしなければはじまりません。セールスのプロセスが進むとヒアリングメインに変わっていくのがセオリーですが、とっかかりのフェーズはこちらからのアクション起点です。 具体的に興味

          「相手が話を聴く態勢となる」ために

          モノサシを整えるタイミング

          どこでモノサシを整えるかのタイミングについてです。 潜在ニードセールス&BtoCの営業は、個人的な経験に照らし合わせると、ステップ④のタイミングかなと思います。 ステップ①話を聴く態勢となる ステップ②現状の「不」に気づく ステップ③「不」の解消に繋がるとわかる ステップ④決断する BtoBセールスの教えなどは、このモノサシを整えるタイミングはクロージングより前になっているのが普通です。ただ経験則では選定基準を考えるフェーズに入るには、顧客が必要性を感じてからの話であり

          モノサシを整えるタイミング