セグメンテーションとオムニチャネル

セグメンテーション、という言葉があります。おそらく、最初にイメージされるのは「F1層が」とか、そういう奴です。でも、いまどき、「20~34歳の女性」と括られた人達が、同じようなメディアに触れて、同じようなことに興味を持ち、同じような購買行動をとる、なんて、誰も思っていませんよね。

行動ベースで考える時代

そもそも、性年代みたいなベタな属性で「セグメント」を切っていく時代は終わりました。現在は、顧客の行動ベースで区分けしていくのが当たり前です。

敢えて、旧時代的セグメンテーションを喩えにとって言うならば「若い男性セグメント」ではなくて、代わりに「典型的な”若い男性”と同じような行動をとるセグメント」であるべきなんです。実際にその人たちが、若いかどうか、男性かどうか、は問題ではない。

区分の定義も変えたときに、考えるべきは「そのセグメントの人たちは、どういうことを望んでいるのか」ということです。
・どうやって商品情報を伝えてもらうと、心地良い?
・どういう感じで接客してもらうと、受け入れやすい?
・そもそも、どういう困りごとを抱えている?
そういったことを理解し(あるいは想像し)、それに対して、適切なコミュニケーションを考えることが重要です。

行動ベースのセグメントに対して、オムニチャネルを最適化せよ

オムニチャネルという言葉がありますね。ご存知の通り、単一チャネル → 複数チャネル(マルチチャネル) ときて、「あらゆるチャネル」を統合したものがオムニチャネルですね。

上に書いたように、
・商品情報の伝達
・接客
といった、顧客接が存在してることを踏まえれば、オムニチャネルは、「(行動ベースの)当該セグメントが、どういう顧客接点において、どういう対応をしてくれると嬉しく感じるか?」を考えることになります。

え、セグメンテーションなんて言ってないで、One-To-One で対応すべきだって?ビッグデータの時代なら、簡単だろうって?

うん。できたらいいよね。素敵だよね。とは思います。でも、データから個々人に対してなんかする、って言っても、完全自動化して良い領域ならともかく、たいていは、人間による意思入れが必要だったりします。そうすると、打ち手の種類を検討するのに物理的な限界があるので、さすがに「One-To-One」ってわけにはいかず、せいぜい、100~200のマイクロセグメンテーションになるんじゃないかと思うんですよね。

あるいは、CRMではなく、VRM的なアプローチを取れば実現するようにも思うのですが、本日は割愛っす。

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ちなみに「セグメンテーションは、本来はSTP→3P→Promotionの流れの冒頭に位置するものであって、決して、「セグメント切ってターゲット定めてそこにプロモーションぶち込んだらええんや」というものではないよ、というお話にご興味のある方は、コチラもご一読ください。

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