ノリでチームを作らない|組織の立ち上げフェーズを考える

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身近なところに転がってる、良い話も悪い話も含めて「仲間選びって大事だなぁ」としみじみ思うんですよね。 

特に他意はないんですが、漫画「ワンピース」の乗組員は、最適メンバーが勝手に集まるんですよ。いいタイミングで、いい具合に出会って、乗組員となってくれる。そして、どんどん機能補完されて、強いチームになっていく。最高かよ。おまえら、最高かよっ!ドンッ

でもね。みんな、知ってる?あれ、漫画やからね。

現実世界では、手なりでチーム組んでると、出航直後に遭難します。海賊王とか言ってる場合じゃないんです。現実世界では、ちゃんと意識的にメンバーを選別しなくちゃダメなんです。

僕の周囲の限られた観測範囲内に限定されますが、周りを見渡して、ああ、うまくいってるなぁ、、、って思うところは、ちゃんと「必要なファンクション」を埋められるようなチーミングにしています。しかも、ちゃんとタスクにコミットして自走できるメンバーで、しっかりと必要なファンクションを埋めている。

そのなかでも、さらにいい感じの成長軌道に乗っているところは、「各ファンクション間の隙間を埋めてポテンエラーを防ぐ」という極めて特殊なファンクションを埋めるメンバーがいたりもします。こういう人まで用意できると、本当に強い組織になります。

もちろん、ノリと勢いはめちゃめちゃ重要なんですよね。でも、それだけではダメ。しっかりとオペレーションを回さないとプロジェクトは進まないし、会社組織は回らない。

どれだけ素晴らしいアイデアがあっても、それは所詮はアイデアに過ぎません。それを実現するのはオペレーションです。大学のサークル運営みたいなことならいざしらず、仕事をし、対価を得ようと思うなら、チーム作りは本当に大切なことです。

必要なファンクションを見極めよう

チームで活動するうえで求められるファンクション(機能)は、組織・事業のステージによって大きく変わります。立ち上げ期には必要でなかった(正確に言うと、それほど重要ではなかった)ファンクションが、成長するにつれてどんどん追加になっていきます。

また、初期段階は、「いろんなファンクションを80点でこなせる人」が複数のファンクションを ”それなりの精度” でこなしていれば良かったものも、徐々に「特定のファンクションで100点を取れる人」に機能移管して ”完璧な精度” でオペレーションを回していくことが求められてきます。

求められるファンクションを、凄まじくザックリ挙げると
1. 契約を取る、モノを売る人(営業)
2. モノ・サービスを作る人(開発・製造)
3. お金の計算・管理をする人(経理・財務)
の3つは必須です。

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コンサルティング業の場合、2の売り物が自分自身ですし、コストもシンプルなので、一人で全機能を果たすことができるわけですね。らくちん。
(ただ、経理・財務みたいなところは、コンサルという仕事を選んだ人は性質的もしくは性格的に、割と苦手な領域だったりするので、それはそれで、結構ツラかったりします)

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また、いわゆるIT系職種の場合も、2の開発・製造で用いるのがPC、サーバー類だけで良いので、こちらもシンプルです。しかも、昨今ではクラウドを活用することで、初期投資も極めて低いんですよね。

一方、製造業ですと、2に付随するファンクションとして「仕入れ・調達」が必要になります。

さらに、飲食業の場合、「店舗管理(設営・メンテも含む)」「スタッフ管理」なども必要になります。

あるいは、小売業の場合は、飲食業と非常に似ていますが、「開発」が「仕入れ・調達」に置き換わり、「製造」が不要になります。

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※厳密に言えば、飲食にも「商品開発」はありますし、ほかの業種でも色々説明したことはあるんですが、本noteでは「業種によって、違いがある」ということをイメージしていただければ十分です。

これらのファンクションのうち「コアなモノ」は、立ち上げ時から100%以上の精度で実行することが求められます。そして、ノンコアなところは、70-80程度でなんとかお茶を濁すわけです。

成長していく中で、例えば、人事・労務や法務などの機能が増えていき、さらにステージが進むと、人事が採用と制度運用に細分化していったりするんですけれど、まぁ、そのステージまできたってことは「しっかり稼いで儲かってる」ということなので、むしろ喜ばしい事だと思うんですよね。

いずれにしても、自分達が、どういう機能が必要な事業を興そうとしているのか、そのためには、いったい、どういう能力のあるメンバーを何人集めればいいのか、を考えることが極めて大切です。

「まわりをみても、そんな都合の良いメンバーがいない」という方もいるでしょう。わかります。そうですよね。そんなあなたへのアドバイスは「いま、『そんな都合の良いメンバーがいない』アナタが、えいやっと事業を立ち上げた後に、そういう都合の良いメンバーが簡単に見つかると思いますか?」というご質問となります。ぜひ、問うてみてください。

実力値×コミット率でメンバー候補を足切りしよう

さて、必要機能が定義されたら、お次は、その機能を充足できるメンバーを集めよう!というお話になるわけです。で、大切なのが、こちらのnoteでも書いたお話です。いくら人手が足りないからと言って、素人・アマチュアを副業/兼業で雇ってはいけません。ダメ、絶対!

素人が1日(8時間)で創出する成果を1だとすると、セミプロは50、プロは100くらいの成果を創出できます。(反対に、それくらいの差がないなら、セミプロ、プロと名乗るべきではないです)

例えば、素人が、30日=1ヶ月間、土日も関係なくフルフルで休みなく毎日8時間働いたとします。その成果は30です。セミプロなら半日、プロなら1/3日相当です。フルタイムで、これです。

さすがに、もうちょっとできる(アマチュア)の場合で、1日の創出成果が5だとしましょう。それでも30日で150です。セミプロで3日、プロの1.5日相当です。繰り返します。フルタイムで、これです。

この差を埋めようとするなら、労働時間を増やすしかありません。8時間労働を倍の16時間労働×30日にしましょう。素人は60/月(プロの1.2日)、アマチュアは300/月(プロの3日分)になります。

これが現実です。素人やアマチュアは、どれだけがんばってもその程度の成果しか出ないんです。だから、素人やアマチュアは、副業や兼業なんてやってる場合じゃないんです。

前回前々回のお話はそういう主旨のことを書きました。これらは ”雇われる側” の視点だったわけですが、今回は、 ”雇う側” のお話です。本日のnoteで帰結するのは、「担当して欲しい機能」に対する、候補者の「プロ度」と「投下可能時間」で判断しましょうというところになります。

プロを雇うべし。アマチュアは・・・?

営業のプロ、開発のプロ、製造のプロ、経理のプロ。店舗開発のプロ。そういう人は、フルタイムでなくても大丈夫です。副業、兼業、バッチコイです。ファンクションを期待値以上の完成度で満たしてくれます。っていうか、そんな人に出会えたら、ラッキーです。サイコーです。ワンピースです。ドンッです。

セミプロは、稼働時間次第です。つまり、どれくらいのアウトプットをコミットするか、で判断しましょう。セミプロが「片手間」でやると、いざというときに納期遅れや品質低下のリスクがあります。できるだけ、明確なコミットメントラインを引いておくべきです。(プロの場合は、アウトプットに対してコミットしない、というケースが存在しません)

問題は、アマチュア(もしくは素人)です。アマチュアを雇う場合は「フルタイム以上の時間を投下してもらう」か、「本当に部分的な仕事を渡すだけに留める」の二択です。

なお、後者の「部分的な仕事を渡す」ケースは、管理工数が膨大になります。スタートアップなどでは、お勧めしません。もし、そんなに管理工数を書けるなら、正規雇用でフルタイムのメンバーになってもらうべきです。半端な気持ちでアマチュア(素人)を雇うと、作業を振った分よりも、教育コスト、トレーニングコストの方が高くつきます。ダメ!絶対!

結論:真面目にチームを組成しよう

まぁ、要するに、王道を歩くしかないってことです。まとめますと、

・会社に、必要なファンクションを見極める
・できる限り、そのファンクションを埋められるプロを集める
・とはいえ、フェーズ毎(特に立ち上げ直後)には、相対的に重要でないファンクションも存在するので、そこを埋めるためにアマチュアを雇うこともある
・しかし、アマチュアのポテンシャル採用をするなら、フルタイムのみ。(単純事務作業だけならば、パートタイムでも良い)

ということです。読めば読むほど、当たり前のことしか書いてないですよね。そうなんです。当たり前だから、王道なんです。

確かに、極めて当たり前なんですが、それでもやはり、そういうチーミングにできれば・・・
□ プロはプロなので、不測の事態が起きても、自身の責任範囲に関しては最低限はなんとかしてくれます。(場合によっては、責任範囲内も一緒に考えてくれたり、アドバイスをしてくれます。)
□ フルタイムのアマチュアは、フルタイムなので上述したような「16時間/日働く」という選択肢があります。(※実際にそこまでやるかどうかの話ではなく、価値が出ない場合に「時間を言い訳に逃げない」というお話です。ちゃんと寝た方が、もちろん良いです)
ということになりますので、組織運営における管理サイドの「無用な苦労」がなくなります。(あるいは、激減します)

会社経営、特に創業直後は、ほんとうに嵐の中の出航としか言いようがない状況ですので、無用な苦労を極力減らしておくことを、心の底からお勧めします。いや、ほんとに。ほんとですよ。

若い時の苦労は買ってでもしろ、と言いますが、起業にまつわる苦労は、極限まで排除しても、まだまだ十二分な大変さを味わい放題ですからねぇ・・・(遠い目

以上、しっかり、考えて、チーミングした方が良いよね、というお話でした。(尚、あなたがルフィの場合は除きます。)

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