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からだを温める「深く煎じる」薬草茶

朝夕が冷えるこんな時期、からだの中に取り入れるものは、なるべくお茶や緑茶、麦茶などの冷やすものから紅茶や三年番茶のような芯からからだをあたためてくれるものへと切り替えたくなります。

特に冷えが気になる方には、赤紫蘇茶や当帰茶がオススメですが、お手軽に生姜やシナモンを加えてアレンジするのも良いですよ。

さて、薬草茶を飲む時に、できたら植物たちのパワーをしっかりいただきたいもの。そこで今回は前回よりもずっと濃く煮出す方法……「深く煎じる」方法をご紹介しましょう。


からだを温めてくれる薬草茶を深く煎じてみよう

【作り方(1人分、1日の服用量)】
・水:500〜600cc
・薬草:5〜10g(ものによるが大さじ山盛2〜3杯程度)

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材料は、浅く煎じる時と同じ。煮詰め方が違います。

ただし、薬草の種類によっては長く煮詰めると成分が飛んでいってしまうものや、効能が変わるものもあります。イチョウの葉など、アレルギー物質が出過ぎてしまうものもあったりしますので、念のため濃く出す薬草茶に適しているものかどうかは、事前に調べておかれると良いかと思います。

1. 小鍋に薬草と水を入れ、火にかける

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ここも前回と同じですが、前回触れていなかったお茶っ葉袋についてお話ししましょう。

写真では、繰返し使える麻のお茶っ葉袋を使用しています。昔は各家庭で手ぬぐいを切って縫い、作っていました。使うほどに、お茶の色に袋が染まって愛着がどんどんわいてくるんです。

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もちろん使い捨てのお茶パックを使用しても良いですし、お茶っ葉をそのまま水に入れて、茶こしで漉しても良いです。

2. 沸騰したら弱火にして、お湯の量が半分になるまで煮詰める。(約20〜40分)

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3. できあがった濃いお茶を1日2〜3回に分けていただく

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とても濃い薬草茶は「薬湯(やくとう)」と呼ばれ、がぶがぶ飲める味ではありません。ですので、少量を数回に分けていただきましょう。粗熱がとれると、飲みやすくなります。

時間はかかりますが、洗濯や掃除の合間など、何かをしながら作ると作業としては行程が少ないので、思ったより簡単です。

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左が浅く煎じたもの。右が深く煎じたものです。深く煎じた方は色が濃くなっているのが分かります。味も、苦みやコクや色んな味が混沌と濃厚に出ていました。からだにあっているものであれば苦みは感じますが、まずいとは感じないことが多いです。

いつものお茶として楽しむ方法は美味しく抽出できて、嗜好品として楽しめるものですが、効能は薄めです。体調をどうにかしたい時、からだに喝を入れたい時は、じっくり深く煎じた薬草茶を、じっくり味わってみてください

慈しみの時間を、どうぞ召し上がれ。

▶手軽に入れる方法3種は、下記の記事もご参考ください
・3種類の薬草茶の淹れ方 - まずは浅く煎じる編

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新田 理恵 (Lyie Nitta)
TABEL株式会社の代表/薬草使。
管理栄養士であり、国際中医薬膳調理師。東洋と西洋、現代と伝統の両面から食を提案する。日本各地のローカルや海外の伝統ハーブの使い方をめぐり、伝統茶{tabel}(タベル)を立ち上げる。
薬草大学NORMや、オンラインコミュニティの薬草のある暮らしラボなども手掛ける。著書に「薬草のちから(晶文社)」がある。

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