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新入社員たちを初日に研修するのは意味がない

こんにちは、【全国一位の元販売員】経営者のこうたです。

私は業界こそ変えることはなかったものの、一つの企業にとどまらず転々としていました。

なので、そのたびに研修を受けていたんですね。

不思議なことに、どの研修も内容は全く同じ。

工夫も何もなく、「この研修意味があったのか?」と毎回思っていました。

そして最も意味がない研修は、右も左も分からない新入社員を相手に、初日からガチ研修をすることです。



研修の意義とは

新入社員の研修と一口に言っても、種類はたくさんあります。


・ビジネスマナー研修

・コンプライアンス研修

・OA研修(PCやコピー機等の取り扱いを学ぶこと)

・OJT研修(先輩が現場で教えながら業務に取り組むこと)

・off-JT(社内外講師問わず、多くの社員を相手に全体研修を行うこと)


などなど。

この中であれば、コンプライアンスとビジネスマナーは最初に行ったほうがいいでしょう。

いわゆる常識がない状態で、社の看板を背負って仕事をさせるわけにはいきません。


しかし!


コンプライアンスもビジネスマナーも、新入社員からしたらこれまでに経験したことのない分野です。

人間って、経験したことがないと想像ができない生き物です。

頭では理解できても、それを自然にアウトプットするのは難しいもの。

習うより慣れろの精神が近道ですし、経験をしてから改めてインプットをしたほうが飲み込む質は大きく変わっていきます。

1回目の内容なんてみんな忘れます。

想像できないことを文字や言葉だけで伝えられているわけですし、緊張やら浮つきやらで冷静でもありません。

むしろ、2回に渡って研修を行ったほうが質の向上が図れるのです。

2回目を行うと、それまでの経験と紐づけてインプットされるからです。


このように、研修の意義とは、質のあるインプットです。

ぶっちゃけた話、どれだけ時間をかけて質や量でインプットを行ったところで、経験に勝ることはありません。

しかし質のある研修をすることによって、正確かつ強い意識を持ったアウトプットが可能となります。

定着する早さを求めるのであれば、実戦あるのみ。ですが、不正確または雑なものであれば意味がありません。



OJTは非常に有効だが、非効率でもある

OJTとは、言ってしまえば、習うより慣れろをマンツーマンでフォローする体制になります。

個人的にもやりやすい手法ですし、手取り早くもあるでしょう。

しかし、人間とは相性によって大きく左右される生物です。

さらに言えば、有能な先輩は何割なのでしょう。

またはスキルが高くとも、教育技術が高いとは限りません。

ハズレを引いてしまったら、そのOJTは完全に無意味なものとなってしまいます。


また一方で、OJTの意味を勘違いしている人も多いです。

仕事を教えるなんて簡単です。

わざわざマンツーマンでやらなくても、近くにいる人が教えればいい。

最も価値あるのは、先輩の技術を盗むことです。

これこそつきっきりでなければできません。

そしてたった一人の技術を盗んだだけでは、その相手がトップセールスマンだったとしても二番手にすらなりません。

人から聞いた笑い話をそのままコピーして話しても、うまくウケないなんて経験はありませんか?

完コピはオリジナルと比べて100%劣ります

私は複数の先輩の技術を盗み、それらを組み合わせて全国一位になりました。

実は私のオリジナルなんてものは一つもなかったんですよね。


販売員ってノリで売るか、論理的に売るかでスタイルが分かれます。

私は論理派であり、ノリで売ろうとすると大失敗に終わります。

当時の私の教育係はノリ派で、しかもあまり能力の高くない人でした。

おかげで半年間、コツも掴めず無駄な期間を過ごしてしまいました。

私からしたらその教育係が全てだったので、愚直に言うことを聞いていたのをよく覚えています。

半年経って、やっと他の人のやり方を盗み聞きすることで全然違うことを知り、とにかく多くの先輩から盗むことを学びました。

新入社員は、正誤すら判断がつかないのです。




社外の講師によるoff-JTは無意味 初日はもっと無意味

off-JTとは、社内か社外の人が講師として研修を行うことです。

ちょっとした研修なら社内の研修担当か、先輩が講師にあたります。

しかし、大規模に行う際は社外の講師を呼ぶことが多いです。

ビジネスマナーを含む、その道の専門の人であれば社外でもいいでしょう。


しかし、精神論ばかりを言う講師は不要です。

社内の状況をロクに知らず、今時の若者に対して舐めるな甘えるなを連呼するだけの講師は無能と言えます。

ハッキリ言って、外部の講師がどれだけ脅しをかけたところで、その精神が残ることはありません。

たまにテレビなどで、パワハラじみた講習をした後に経過を確認すると、皆が引き締まって仕事に取り組んでいるなど言っていることがあります。

そりゃあ数日は残るでしょうし、変わっているはずだという意識のもと見ているので、実際はたいして変化がなくても変化があるように捉えているのです。

新入社員からしても、「引き締まりました」以外の言葉は使えないでしょう。

結局は社内の環境に依存するので、厳しくしたいのであれば、社内環境を厳しくしている社内の人を講師にすればいいのです。

経験や実例を交えて話せるので、真実味があります。

研修で脅しをかけるという発想自体が疑問ではありますけどね。



初日に行うべき研修

初日に行うべき研修ーーーーというより講習は、社内の仕組みです。

部署だったりキャリアステップだったり評価基準だったり。

スタッフの目標を作らせ、やる気を持たせる内容です。

これであれば知識も経験も不要ですし、スタッフ同士のコミュニケーションも図れますよね。


たまにPDCAの練習など、経験がないのに業務の考え方の研修みたいなことをしているところがありますけど、全く意味がないです。

それをするのであれば、実際に起きた業務をもとにディスカッション形式で行うといいでしょう。

良い案があれば、採用できるとなお良いですね。



ぶっちゃけ千差万別

いろいろ言いましたが、業種や企業によって適切な研修は異なります。

ただ一つ言いたいのは、大半の企業に通用するテンプレートな研修スケジュールは、私が知る限り効果の薄いものばかりですよということ。

右も左も分からない新入社員目線で考えられていないか、自分たちがそうだったからという安い固定観念に縛られているだけ。

今一度、一から見直してみることをオススメします。

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