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英文法の小径

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毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。
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2024年1月の記事一覧

【英文法の小径】must/have to〈助動詞〉その二

I had to work late yesterday. must には〈過去形〉(musted)がないので、過去の必要性/義務を表すには一つの方法として、[have to]の〈過去形〉を用いる。 Have you ever had to go to (the) hospital? must には過去分詞形もないので、〈現在完了形〉を用いる必要があるときにも[have to]を使用する。ここでの ’go to (the) hospital’ は「治療を受ける/入院する

【英文法の小径】must/have to〈助動詞〉その一

I have to finish this today.must にも[have to]にも「ねばならない」、つまり必要性/義務を表す用法がある。必要性について述べる場合、イギリス英語ではどちらも用いるが、アメリカ英語では特に話し言葉では[have to]の方がふつうだ。 さて、イギリス英語ではこの2つを、次のように区別して使用することが多い。 must は、話し手の個人的な感情や願望として必要性を述べる。それに対して[have to]は、外部の状況にもとづく客観的な事実

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その三

I could stay up late as a child.子供の頃、夜遅くまで起きていることが「できた」といっても、この「できた」が能力を表すものではないことは明らか。そうする自由を親に認められていたということだから、この文は過去における許可について述べている。 ただし、許可を求めるとか、許可を与えるといった場面での一文ではありません。これは許可や決まりごとを話題にしているのです。こういう場合はふつう、may/might ではなく can/could を用います。

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その二

You can [may] borrow my car.今回は許可を与える場合。'You can …' と 'You may …' のちがいは、許可を求めるときと同じ。may を用いた方は形式ばった/改まった言い方で、打ち解けた/くだけた場面ではふつう can を用いる。 ところで、お気づきのように、許可を求めるときに登場していた could がない!そう、許可を与えるときには could を用いないのです(相手への敬意を示すことになる could は、許可を与えるときより

【英文法の小径】can/could/may/might〈助動詞〉その一

Can [Could/May] I try them on?試着の許可を求めている場面。'Can I …?' と 'May I …?' のちがいはなんだろう?'May I …?' は形式ばった/堅苦しい言い方で、日常会話では 'Can I …?' ほどは使わない(逆に、公式の場では ‘May I …?’ を用いるのがふつう)。そういうちがい。 それでは、'Can I …?' と 'Could I …?' のちがいは何だろう?could は can の過去を表す形として用いら

【英文法の小径】can/could〈助動詞〉その四

何かをするのに都合のいい状況があっても、その機会を利用しないことは誰にでもある。例えば … ロンドンには叔父が住んでいるから、かの地を訪れたときに、叔父の家に泊まることもできたのに、(親戚の家では何かと気を使うことも多くて気が休まらないので)ホテルに宿泊した You could have stayed with George.こういう場面で登場するのが ‘could have stayed’、つまり[could have + 過去分詞]という形。ある行動をとることが可能だ

【英文法の小径】can/could〈助動詞〉その三

I could smell something burning.話し手は、嗅覚によって(=能力を発揮して)ある異変に気づいた。これは、過去の特定の場面で「できた」ことを表している。このような場合はcould ではなく[was/were able to]を用いるのではなかったか? 実は、smell のような知覚を表す動詞については、特定の場面で「できた」ことを述べるのに[was/were able to]ではなく could を用いるほうが自然です。ただし、この場合「できた」

【英文法の小径】can/could〈助動詞〉その二

Fortunately we were able to rescue her.例えば、川に落ちた女の子を救出「できた」と言っているのはわかる。’were able to rescue’ とあるのは[be able to]の過去形だ。では、代わりに can の過去形を用いた ’we could rescue her’ でもいいのだろうか。 I could [was able to] swim when I was four.確かに、could は「できる」を意味する can

【英文法の小径】can/could〈助動詞〉その一

I’ll be able to speak better if I practice more.何かをすることが「できる」こと、すなわち、そうする能力があることや、そうすることが可能な状況にあることを述べるときに、助動詞の can を用いることは広く知られている。 ただし、「できる」ことが未来のことである場合に will can とは言えないので、代わりに[be able to]を用いて 'will be able to' と言うことになる。「もっと練習したら、もっと上手に