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話すことが出来ない家族との会話

話すことが出来ない家族というと、どんなことを思い浮かべますか?

 近くに住んでないから会話しづらい。
 ケンカしているから会話したくない。

というのもあれば、

 行方がわからないから会話出来ない。
 離ればなれになっているので会話出来ない。

というのもあるでしょう。

物理的に話すことが出来ないこともあれば、
心理的に話すことが出来ないことも。

ここでは、それらとは異なる状態。

亡くなって会話出来ない家族と会話するということ。

亡くなった人と話す

亡くなった人と話すと言うこと。

青森県の恐山のイタコの口寄せのように、
人の体に降霊させて会話をするということもあります。

例えば、『ゴースト/ニューヨークの幻』という映画。
1990年の映画なので、結構古い映画ですね。

暴漢に襲われ亡くなってしまい幽霊になってしまった男性。
そして、急に大事な人が亡くなって落胆しているパートナーの女性。

その中には、
霊となった主人公が霊媒師に乗り移り二人が話す場面だったり、
何かの奇跡で直接話す場面だったりが出てくる。

突然亡くなり話すことが出来なくなった相手。
その相手と会うことで気持ちに整理がついていく。

心残りのある人と会話することで、
心が癒やされていく。

人の心にはそういうことがあるかも知れません。

家族が亡くなること

『象の背中』という映画があります。
2007年の映画ですね。

小説が映画化された作品ですが、
ガンを宣告された中年男性が、自分の人生の終わりに向けて、
仕事のこと、家族とのこと、その他自分の関わってきた人たちと会って、
お別れをしていくという内容。

突然のがん宣告を受け、気持ちの整理も付かない中で、
周りの人との最後の時間を過ごしていく。

本人や周りの人にとっても突然のことではあるけれど、
亡くなることがわかっている場合、
その最後の時間まで大事な人たちと過ごす中で、
気持ちの整理も出来ていく。

でも、事故や急な病気等で急に亡くなった場合は?

当たり前にいる人が急に居なくなるということは、

聞きたいことが聞けないということ。
言いたいことが言えないということ。
何も会話することが出来ないということ。

思い入れが強いほど、
時間が止まった時間が続いていくこともあるでしょう。

大切な家族を亡くした気持ち。
それも突然の場合は、
簡単には時間を進めることが出来ないことも。

時間を進めないといけないという気持ち。
時間を進められない気持ち。

とてもツラい時間を過ごすことでしょう。

自分の記憶の中のその人と話す

止まった時計を進める方法の一つとして、
亡くなった人と話すという方法があります。

夢の中で会話しているかもしれないし、
先述した青森県恐山のイタコもその一つ。

ここで伝えるのは、
記憶の中にあるその人の魂と会話するというやり方。

それは、悲嘆療法と言われる方法。

悲嘆療法はヒプノセラピーと呼ばれる催眠療法の一つのアプローチ。

催眠状態を利用して潜在意識にアクセスし、
亡くなった家族や亡くなったペット等、
記憶の中のその存在と会話していく。

もう話せないと思っていた相手と、
聞きたいことを聞いたり、
伝えたいことを伝えたり。
会話をしていく。

潜在意識と繋がって自分の体を使って、
自分と相手が会話をする。

相手の言葉は、自分が頭で考えた言葉では無く、
よくわからないけど勝手に浮かんでくる。

自分も知らないことが相手から伝えられることもある。

そういうやりとりを通して会話をしていく。
会話を通して、自分の心が癒やされていく。

とても大事な時間です。

会話の相手は、
自分の親、兄弟姉妹、子ども、飼っていたペット、
生まれてくる前に亡くなった子ども、
生存不明の家族等、
自分の思い入れのある人はもちろん
ペットの言葉も浮かんでくるので会話することが出来る。

書籍『悲嘆療法 -死者との再会で癒される-』には、
悲嘆療法の実際の体験談が30程の掲載されています。
気になる方はどんなことが起こったのか一読するのも良いと思います。

哀しみを癒やし、前を向いていくことを応援しています。

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