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小説家になる方法 01 柳本光晴 小説 響

「小説家になる方法」は、柳本光晴さんのマンガ、響、の副題です。昨年末に、孫たちが遊びに来たときに、久しぶりに、ビックコミックスの13巻本を、読み直しました。
2018年に映画化され、欅坂46の平手友梨奈が、主人公の響のはまり役を演じて、話題になりました。

映画も、Dailymotion にアップされていて、無料で見ることができます。

映画は、原作の44話までをカバーしていますが、
原作は、114話まで続きました。

物語は、素晴らしい小説を書く才能を持つ響という名の少女が、新人賞や、芥川賞・直木賞をとる過程で、色んな敵対に会ったときに、暴力的に反応するという悪癖をもっているため、彼女を守ろうとする周囲の人たちが苦労するというお話です。
単なる作り話として一回読んで終わってもいいのですが、副題が「小説家になる方法」となっていますので、じっくり深読みしたいと考えています。

 原本の最初の頁は、こんな具合に始まります。
「天下の宮本弘樹の初刊が、初週売上600部か・・・」
「厳しーなぁ・・・」「っとに、なんだったら売れんだよ」
「芥川賞作家の肩書を持ってても これだもんなぁ」
「つーか最近は、受賞作ですら厳しいっスからね」
「これ以上悪くなんねーだろうって状況なのに、
 毎年きっちり更新してくれるなぁ」
「っとに、出版不況で漫画が売れねーとか言ってっけど、
 正直、こっちの方が百倍厳しい・・・」
「どーなんのかなあ 文芸は・・・・・」

そうです。小説は、売れないんです。
どんな小説を書くと、売れるんでしょうか。

もともと、私は、小説家という才能を弁護するつもりはありません。
一言、主題を言えばすむのに、わざわざ長いお話にして、ながながとしゃべり続けるのか小説です。私は、小説を読むときは、基本的には、とばしながら走り読みして、じっくり読むのは、重要な部分だけです。

私は、小説よりは、エッセイの方が好きです。

しかし、世の中には、えんえんとしゃべり続けることのできる人たちがいます。同じことの繰り返しだけの人もいますが、起承転結を考えて、人の興味をそがずにしゃべり続けることのできる人もいます。

まるで、複雑な町中の道を、まよわずに、目的地に行ける人のように。
そういう人たちには、全体の地図が頭の中に言っていて、自分の位置がわかっているから、道を迷わないのです。

そういう構想力は、だれもがもっているわけではないと思います。

私は、作家の才能は、西洋のクラシックの作曲家の才能に似ているのではないかと思っています。演奏時間が何時間にも及ぶ交響曲の全体構造をどうまとめているのか、本当に不思議です。

そういう方向に、深堀りしていきたいと思います。

つづく


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