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テックリード加藤と語る『PRISM』が日本の製造業に浸透した未来│Interview #03

こんにちは、株式会社Things 公式note編集部です。

私たちは、バリューチェーンの改革を推進する製品開発プラットフォーム「PRISM」の提供を通して、製造業のデジタルトランスフォーメーションに取り組むスタートアップです。

前回、エンジニア 清水へのインタビューでは、会計SaaS業界からThingsへ飛び込んだ動機とともに、今後「PRISM」の開発を通してチャレンジしたいことについて聞きました。

今回は、その清水がコーポレートの柘植とともに聞き手に回り、テックリードの加藤 大(かとう だい)へインタビュー。加藤のキャリアから始まった会話は、『PRISMが日本の製造業に浸透するとどんないいことがあるか』というテーマまで発展していき…!?是非最後までお楽しみください。

加藤 大(かとう だい)

ヤフー株式会社にて飲食系予約システムの開発を担当。その後不動産系SaaS、介護系受発注システムの開発兼PMなどを経て、GO株式会社にてバックオフィスサービスの開発&スクラムマスターを経験。2022年7月にThingsにテックリードとしてジョイン後、2023年7月に入社。

聞き手:清水(エンジニア)、柘植(コーポレート)

日本の製造業が変わる瞬間に立ち会いたいという思いで参画

柘植:今日はよろしくお願いします。この社員インタビューシリーズは、Thingsに興味を持っていただいた方に、社内の雰囲気が伝わったらいいよね、という主旨で展開しています。

加藤:事前にもらっていた質問リストに沿って進めていくイメージですよね。

(編集注:このインタビューは、予めライターが考案した質問リストに沿って進められています)

柘植:技術的なことなど、気になることがあれば清水さんもどんどん掘り下げて大丈夫です。飲み会の延長だと思ってもらえたら。

清水:前回もまあまあ脱線しましたよね(笑)。よろしくお願いします。

柘植:それではまず、加藤さんのキャリアについて教えてください。学生時代からエンジニアを志していたのでしょうか?

加藤:そうですね、新卒でヤフーにエンジニア職で入社したのがキャリアのスタートです。実は大学2年生までは「将来的には自分でビジネスを興したいから、そこにつながることをしよう」と営業職のアルバイトをしていました。しかし全く向いていなく「何か違うぞ?」と思いながらも頑張っていたけれど、やっぱり楽しくない(笑)。

柘植:営業だったとは意外です。

加藤:適性がないことを早めに知れて良かったですよね。それで何か別なことはないだろうかと考えたときに、プログラムの勉強をはじめた友人から影響を受け、自分もエンジニアをやってみようと。当時未経験でしたがHTMLで簡単な作業からであれば任せてもらえる会社に出会い、Webサイトを製作するアルバイトをはじめたのが原点です。

清水:最初はシステム開発ではなく、静的なサイト作りをしていたんですね。

柘植:エンジニアの仕事には、しっくりくるものがあったのでしょうか?

加藤:はい、「僕は営業は向いていなかったけれど、バグが起きたときに解決できるまで考え続けるのは割と得意だな」と気づいたんです。

柘植:ヤフーからThingsへの参画はどのような経緯で?

加藤:ヤフーでは飲食系予約システムの開発に3年間携わったのですが、やはり事業を興したい思いが根底にあり、学生時代のアルバイト先から「事業開発を一緒にやらないか」と誘ってもらったタイミングでヤフーを退職。その会社にフリーランスで半年ほど携わり、その後転職した前職のGO(旧:Mobility Technologies)在籍時に副業プラットフォーム経由で鈴木さん(Things代表取締役)から声をかけてもらったのがきっかけでした。

柘植:副業期間を含めると、Thingsの創業初期から関わっているんですよね。

加藤:実は鈴木さんからコンタクトをいただいた前日に、別の副業先が決まっていたんです。でも頂いたメッセージを読んで裁量の大きさに魅力を感じ、事業も面白そうなので話だけでも聞いてみようと。すると前任のテックリードの方が退職するので後任を探しているという話で、「それはやばい、自分が救わなきゃ!」という気持ちになったんです。

清水:良い方の「やばい」ではなく、「救わなきゃやばい」だったんですね。

加藤:自分が入ることで会社に与えられるインパクトはもとより、「PRISM」が日本の製造業に浸透することで与えられる影響も大きいことが魅力でした。先にオファーをくれた別の副業先には陳謝し、まずは副業メンバーとしてThingsへ参画しました。

柘植:それから正社員化した決め手はあったのでしょうか?

加藤:鈴木さんからたびたび正社員に誘ってもらい、Thingsに行きたい思いはある一方で、GOでの仕事もやりがいがあり、双方に良いタイミングを探る時期が続きました。そうした中で、Thingsに参画して半年が経ち振り返ったときに、「半年でプロダクトをここまで成長させられたんだから、今後はもっと発展できると思うし、より当事者として関わりたい」と思ったんです。

製造業の課題に寄り添うこと、開発課題を持ち寄りやすい環境づくりがミッション

柘植:現在の業務について教えてください。

加藤:社内で「デザイン定例」と呼んでいる「PRISM」の機能要件の検討会、スプリントのハンドリング、開発課題出し・改善に加え、プレイヤーとして開発・保守を日々行っています。また、業務委託の方へ開発を依頼する時にその内容を整えたりフォローしたりなど、調整役も担っています。

柘植:エンジニアチームは副業の方や海外メンバーの参画もあり、日々拡大してますよね。

清水:これ以上拡大すると、チームビルディングの壁が見えてくるような気がするので、半年後はまた違う形になっていそうですね。

柘植:デザイン定例(機能要件の検討会議)にはPdM・エンジニア・デザイナーの3職種が参加していますよね。テックリードとして、求められることはなんでしょうか?

加藤:「テックリードかくあるべし」というような持論はまだ深められていないのですが、Thingsという組織でどう振る舞うべきかで言うと、他のチームの方からの意見をフラットに聞くように心がけています。というのも、Thingsは製造業について皆が学びながら、課題を持ち寄って開発しているフェーズで、常にPdM、デザイナー、エンジニアの3つの視点が重なって輪になるところを探っています。意外な意見が出たとしてもその背景については予想をしつつも、あまり決めつけずにしっかり聞いて、発言しやすい雰囲気をつくろうと。

清水:どんな意見を言っても、皆さん一度受け止めて、咀嚼してからフィードバックをくれる雰囲気はあります。

柘植:具体的にはどんな会話がされていますか?

加藤:たとえばデザイナーの方が「検索する機能を作りたいんですけど、こういう仕様はできますかね」とイメージを持って来てくれたら、エンジニア側からここはちょっとパフォーマンス的にどうだろうという話をしたり、逆にエンジニアが一度仕様として受理したものの、「実際に開発をはじめたら実現がむずかしそうで…」という相談を持っていったりもします。

柘植:何でも持ち寄っているんですね。議論が発散してしまいそうですが、メリットはなんでしょうか?

加藤:一旦課題を持ち寄って議論してから開発をはじめたほうが、後工程のコンフリクトが少ないんじゃないかなと。例えばPdMが仕様を決めた後にウォーターフォールで開発する方式だと、「いや、そもそもそのデータをどうやって取るんだよ」という問題が起きてその調整で開発期間を消化してしまいがちですよね。あらかじめ多様な視点で要件を決めていけば、特定職種の人だけでやるより議論が洗練されやすいです。

柘植:ちなみに社外、業界課題への貢献という意味ではいかがでしょうか?

加藤:そうですね、私たちには「製造業に現代のあうんの呼吸を導く」というミッションがあるので、まずは業界理解をしっかりして、そこに寄り添った形で、徐々にいい方向に変えていく関わり方をしていこうと考えています。

製造業は拠点が分散してコミュニケーションコストが上がったり、情報がサイロ化して業務が複雑化していることが課題だと感じています。情報の多重管理を防ぎ、円滑にものづくりができる環境を整えることが「PRISM」の価値であり、その価値を達成できるよう開発チームをリードしていくことが、直近の僕にできる事業貢献です。

「PRISM」が浸透した後の未来って、どうなっている?

柘植:それでは次のお題です。Thingsが目指す【日本の製造業が「現代版のあうんの呼吸」で優れたモノを生み出す世界】について、その魅力とそれを実現するにあたり技術的な課題について教えてください。

清水:これ、口頭で聞くとむずかしいですね。現代文の試験問題みたいです(笑)。

柘植:テックリード向けの、難易度の高い質問ですね。

加藤:直近で言うと、ツリー構造×バージョン管理と正面から向き合わなきゃいけないという課題がコアになります。PDM、PLMで扱うデータ数が増えていくと検索などでデータの扱いがどうしても重く、動作がもっさりしてしまいます。その解消が一番自分の中ではやっていきたいところです。

柘植:もう少し長期的視点ではいかがでしょうか?「PRISM」が浸透した後の世界というか。

加藤:「現代版のあうんの呼吸を生み出す世界」ができれば、ハードウェアへの参入障壁を下げることができ、日本からもっと良いモノが生まれてくると思います。

今、個人で何かモノづくりをしようとした場合、ソフトウェアであれば独学でスキルを身に着け、OSS活動に参加する…というイメージが湧きますよね。しかし、ハードウェアの世界で、自由な発想で幅広く使われる製品を独学で生み出すのは一部の先進的な例を除いて難しい状況です。

でも「PRISM」が広がれば、ハードウェアの仕組みや内部設計を共有しやすくなり、様々な業界のノウハウやアイデアが入ることで、製造業に新しい変化が生まれるのかなと。

清水:ソフトウェアがオープンソースで発展してきたように、ハードウェアでもそうしたムーブメントが起きたら楽しいですよね!

加藤:もう一つ大きい視点で言うと、製造業は他の業界へインフラを提供しているので、製造業が変革することで社会的なインパクトも大きいのかなと考えています……というか、「PRISM」が世に浸透したらこうなるというイメージ、柘植さんと清水さんはありますか?

柘植:ずっと人材業界や採用に関わる仕事をしてきたのでその視点で、「PRISM」は製造業の採用の課題を解決できると考えています。展示会で中小企業のお客さまから「もはやDXを謳ってないと、若手世代が来ない」というお話をよく聞くんです。それって裏を返せば、いいプロダクトがあって、先進的なイメージを打ち出すことができれば競争力が上がり、良い採用につながるんだなって。「PRISM」がその代名詞的な存在になっていたいですよね。

加藤:確かにそれはあるかもしれないですね!スマートな仕事ができるイメージやモダンな雰囲気をアピールすることで、業界全体が活気づくでしょうね。

柘植:清水さんは何かあります?

清水:そうですねー…、僕はモノづくりって「もの」を通してつくる人同士が会話することだと思っているんです。そしてあうんの呼吸とは、製造拠点が国を跨いで直接のコミュニケーションが難しいような場合に、たとえ言葉で会話をしなくても、作ったものさえ見れば設計意図がわかり、もっとこうしたらよくなる、というのを想像できる、ということかなと。その一助を担うプラットフォームをつくるのが現代版のあうんの呼吸をもたらすことだと考えているんです。

加藤:それはあうんの呼吸感がありますね。作りかけのモノを遠方へ送ると輸送費がかかるのでリアルタイムでは難しいですが、システム上なら実現可能ですよね。データやそこに紐づくドキュメントを見て、たとえその場に実物がなくても、あるのと同等ぐらいのレベル感で製品のことがわかるようになれば「PRISM」の提供価値はかなり高いものになります。

清水:そんな風景をたくさん世界で作っていくのが、自分たちのミッションなのかなと。

加藤:クラウド化する時点で「現代版のあうんの呼吸」は70%まで達成できると思うんです。それを100パーセント、120パーセントに引き上げることを、Things独自のUXで作っていきたいですよね。データの扱いさえ解決できれば70%までは行けるので、早く突き詰める段階にいきたい。

柘植:あとから振り返ったときに「PRISM」が製造業の改革に完全に関わっている、という存在になれたらと思います。

清水:次のステージに進みましょう、製造業!

柘植:今の会話、展示会でお客さまにも伝えたいですよね。うちのエンジニア、製造業にこんなに熱い思いを持って作ってるんです!って。

加藤:ぜひ、熱量を持っていってください(笑)。

個の力で走る体制から、製造業の変革を後押しするチームへの変化が課題

柘植:今後、テックリードとしてどのような価値を発揮していきたいですか。

加藤:製造業向けのサービスは業務上ミスが起きないよう、保守的に作っていくことが必要です。仕組みとしては堅牢でありながら、業務をより効率的に行える技術的に攻めた機能をどんどん開発していきたいです。そして、今までは比較的個の力で走ってきたのですが、これからはどんどん人が増えてサービスも成長させるフェーズに入ったので、チームで開発しやすいような環境を整えていけたらと。

柘植:最後に、この記事を読んでくれている未来の仲間にメッセージをお願いします。

加藤:「PRISM」は製造業の課題をみんなでキャッチアップし、それらを持ち寄って作っています。製造業を前に進めることで世の中に与える経済効果は大きいですし、それが「PRISM」の魅力なので、そういったことが気になる方はぜひ一緒にやりましょう。今はあまり製造業に詳しくなくても、ピンとくる部分があったら、試しに門を叩いてください!

柘植・清水:ありがとうございました!

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