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今ペルーで起きている事

Hola como estas ?

常時200を超える高血圧で、始めたばかりのnoteを休んでいたのだが、

何とかPCに向えるようになり、この記事を書いている。


私はペルーの首都リマに住んで14年になるが、

マチュピチュ、ナスカの地上絵で知られるこのペルーが

今揺れに揺れている。


山積みの問題

ベネズエラからの200万人とも言われる

大量の難民流入による治安悪化問題、


人口別感染率世界一の不名誉に輝き、

1日当たり10,000人以上の新感染者を産み出しているコロナ問題、


これらに加え、

一昨日は大統領だったビスカラ氏が贈収賄問題で罷免されたのだ。


ビスカラ大統領罷免

汚職問題はぺルーのお家芸で、

彼自身も前々大統領のペドロ・パウロ・コチンスキ氏の汚職辞任に伴い、

副大統領から格上げとなったのだが、

解任の理由は、以前自身が地方の県知事をしていた時の公共事業で、

発注した業者から6,500万円の賄賂を受け取っていた疑惑による。

彼自身県知事時代、賄賂だらけのペルーの中にあって、

クリーンさを売りにし、モケグア県の汚職問題の解決に努めた。

その後、運輸通信相、駐カナダ・ペルー大使を務め、

2016年、ペドロ・コチンスキ氏の大統領選に、副大統領として立候補、

当選後の2018年、コチンスキ氏は公共事業の贈収賄疑惑が持ち上がり、

逃げるように辞任。その後を受けたのがビスカラ氏だった。

大統領就任時のスピーチは、

『汚職はもう沢山だ。私はぺルーから汚職を無くするために戦う』

何という力強いスピーチではないか。

その彼が収賄疑惑で解任とは、、、

現時点ではまだ疑惑だが、真実はどうであろうか。

と言っても、彼を貶めたい人々には真実などどうでもよく、

これをネタに大統領の椅子から引きずり降ろしたかっただけで

無事目的は達成。

こちらに13年住んでいつも感じることは、足の引っ張り合いばかり。

一緒に良いことをしよう、という意識は低い。

ここではいつも勝者の総取りだ。


小さなコミュニティから大きな組織まで、出る杭は徹底して打つ。

勿論世界のどこでも、日本でもそれはあるのだが、

ペルーでは特に人々の嫉妬深さを強く感じる。



暴動乱発

さて、このビスカラ氏の9日の解任後、

ぺルーが大変な事になっている。

10日、11日と、首都リマのあちらこちらで

暴動と大行進が起きているのだ。

この国はストライキは珍しいことではない。

(私自身、当時活動していた貧困地域から国会議事堂までの

2万人規模のストライキに参加した事があるが、ただの行進とは訳が違う。

投石、武力衝突が当たり前なのだ)


今回の暴動はビスカラ氏への怒りと、

9日に就任した新大統領マヌエル・メリーノに対する反発からきている。

国民の投票によらず選出されたビスカラ氏に続き、

同じく国民投票なしで選出されたマヌエル大統領。

これにペルー国民は反発し

「国民投票なしでの大統領選出なんて、この国の民主主義は崩壊している!」

と叫んでいるのだが、

その国会議員を選んだのは国民であり、

選挙のたびに僅かな袖の下の見返りに、

票を売り飛ばしてきた事が今日に繋がっている事を

棚に上げるなとペルー国民に問いたい。



リマを目指すRONDEROS(ロンデーロス、鉈を振り回す人々)

現在セントロでは市民と警察の間で数度の衝突が起こっていて、

さらにSNSなどでは暴動への参加を求める投稿が相次いでいる。

また、地方から農業用のトラックに大量の農民が乗り合い、

リマに向ってきている。

どういう意味かと言うと、

ネット環境のないアンデスの山奥に住む人々などは、

現在まで裁判は自分達で行っている。

村裁判であるが、物を盗んだ人の腕を皆の前で鉈で切り落とす、

強姦犯を村中引きずりまわし、火をつける、など。

このRONDEROSが、(ロンデーロス、鉈を振り回す人々)

暴動に参加するためにリマへ向かってきている。

これからペルーはどこへむかうのだろうか、、、





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