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ペルーの貧困3 ベネズエラ難民(マドゥロ編)

さて前々回はベネズエラのチャベス前大統領について書かせて頂いたのだが、

今回はその後を引き継いだ、マドゥロ現大統領について書きたい。


マドゥロ大統領だがあだ名は「マブロ」

ブーロはチャベス編でもお伝えした通り、「ロバ、愚か者」

さてそんなマブロ大統領の治める現在のベネズエラの現状だが、、、


ベネズエラの驚くべき現状

なんと!マドゥロ政権下の5年間で、

〇国民の平均体重が10キロ減ったそうだ。

これはベネズエラ・ダイエットと呼んでも過言ではない。

痩せたい人は、ベネズエラに住めば確実に痩せられる。


〇世界で最も危険な10都市のうち、4都市はベネズエラにあり、

殺人は10万人あたり、90人を超えている。

拳銃天国アメリカは10万人あたり5人だそうで、

単純計算だが、この倍率と人口比を合わせると、

アメリカの180倍、になる。

これは北斗の拳の世紀末設定並みで、

モヒカン& Tatoo がバイクを乗り回し、

暴虐と略奪の限りを尽くしているのを地でいっている。


楽園から地獄へ墜ちた理由

では何故ここまで墜ちてしまったのか、、、

マドゥロ大統領は、

「アメリカの経済制裁のせいだ」

と国内外に主張している。

これは日本のお隣さんの、

「我々の経済危機は、日本がキムチを大量購入しないからだ」

と同じ主張に思えるが、実際はどうだろうか。

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ベネズエラ経済の落ち込みは2013年のチャベス死後、

マドゥロが政権を引き継いでから始まっているのだが、

アメリカの経済制裁は2017年からであり、

マドゥロ大統領の主張とは食い違う。


この表で見てとれる石油価格の暴落はなぜ起こったのか?

それは当時アメリカで起こっていた

「シェール革命」に起因する。

これがベネズエラ経済に大打撃を与え、地上の楽園に引導を渡すことになる。

シェール革命

シェール革命とは、

それまでは多くの資源があると言われていたシェール層が、

(シェール:頁岩と言う泥が固まった岩石のうち、薄片状に剥がれ易い性質を持つ岩石のこと)

掘削技術の発展により、石油、天然ガスの抽出が可能になり、

大量の資源産出へと繋がった事を言う。

2009年には1日500万バレルだった原油産出量が、

2012年には860万バレルへ増量、(1バレル=159リットル=42ガロン)

天然ガスは2006年から2013年比較で4倍の産出量となり、

アメリカが世界一の原油、天然ガス産出国となったのだ。

これでアメリカはこれらの資源を他国から輸入する必要がなくなり、

ベネズエラは輸出総量の半分を占めていた太客を失った。


更に供給過多で原油価格は暴落、

2010年には1バレル100円前後だったのが、

2014年には30円代まで落ち込む。


当然石油頼りのベネズエラ経済は急下降、

崩壊への道を辿って行く。


地上の地獄

「私はチャベスの息子だ」

と宣言し、チャベスと同じ、

ばら撒き政策で行く事を確約したマドゥロ。

重要ポストには自分の息のかかった軍関係者を置き、

側近はみなイエスマン。

石油が危うい、と言うのは政府関係者は皆知っていたが、

誰も意見しない。

反対者は逮捕か追放、または行方不明で、

野党のリーダー達は命の危険を感じみな亡命、

野党は機能していない。

事実上の独裁である。


一度甘い汁を知ったベネズエラ国民は

石油が危ない、なんて情報も耳に入らず、

チャベス様、マドゥロ様、石油様、で楽園を謳歌する日々。

更に手厚い福利厚生を要求し続けた。

これにマドゥロはしっかりと答えていく。

これ以上分かり易いポピュリズムはないだろう。


大臣「大統領!石油の値が暴落しています!」

マ「だったら倍売ればいいだろう!」

大臣「何処も買わないのでお金がありません!金庫が空です!」

マ「アホかお前は!金がないなら刷ったらいいだろう!」


その場しのぎと、今稼げるだけ稼いで逃げる。

私もここペルーで2度選挙に関わって

信じられないような体験をしているので良く分かるが、

これが基本的なこちらの政治家の考え方である。

驚きの選挙戦については、またそのうち書こうと思う。


ハイパーインフレ

金を刷り続け、ジャブジャブになるまで配り続けたベネズエラ政府。

結果、紙幣は紙くずへと変わった。

1年間で1000倍を超えるインフレをハイパーインフレと呼ぶようだが、

ベネズエラのインフレ率はなんと!

現在は1年で1,000万パーセント!!(IMF予測)

と言われ、もう計算できない状況で、

と言うよりも計算することに何の意味もなくなっている。

2016年あたりは、100円が1年後に1万円に値上がり

って感じだったそうだが、

現在はあるコーヒーショップが計算をだすと、

実測値は37万%が実測値だったそうだ。

これは昨年100円で買えたコーヒーが、

1年後には3,700万円払わなければ買えない、と言う状況だ。

自国貨幣は紙くずへと変わり

生活できない国民は犯罪に走り、

警察は機能せず、殺人事件発生率は東京の100倍、

電気、水道の供給もままならなず、

1日1食が当たり前、

ゴミをあさる光景は日常的。


「ウサギを喰らえ」

この食糧不足にマドゥロ大統領の提案した策は、、、

なんと!

「ウサギはペットではない。2キロ半の肉だ。」

「ウサギを飼え。そして喰らえ」

、、、

さすがチャベスの息子、

コメント力も半端じゃない。

しかし、彼は外交のため他国を訪問時に、

有名な高級ステーキ屋で、

夫人と共に分厚いステーキを食している動画が流出、

当然大炎上となった。

牛ではなく、ウサギをオーダーすれば良かったのに。


難民問題は南米中へ拡散

地上の楽園から地上の地獄へと姿を変えたベネズエラ。

ベネズエラのみならず、500万人の難民流出という形で、

南米中に広がったこの問題。

多くの国が国境を閉ざす中、

対応が遅れ、200万人のベネズエラ難民を抱え込んだペルー。

これに加えコロナ問題、、、。

ペルーは、

南米は、

世界はどうなっていくのだろうか。

そして我が祖国日本は、、、。

どんな状況に置かれても、やるべき事をやるしかないのだが、

今日はこの言葉で終わりたい。


『人事を尽くして天命を待つ』

自分に出来ることをしっかりやり、あとは天に任せれば、

結果がどうなろうと悔いは残らなくなる。

今日の自分は何が出来るだろうか。

私も今人生の転機を迎えている。

後で後悔しないように、やるべき事をしっかりとやるつもりだ。

負けてたまるか。

精一杯生きよう!

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