人の行動に影響を与える「3つのカン」

人の行動に影響を与えるものには、「3つのカン(危機感、価値観、習慣)」があると思います。本当は、「報酬」もあると思うのですが、ここでは、3つのカンを中心にまとめてみました。

危機感とは、「ヤバい」と思うことです。例えば、「そろそろ洗濯物が溜まってきたな(ヤバいな)。」、「新しい病気が流行しているな(ヤバイな)。」と思うことが、「洗濯する」、「マスクを着け、外出を控え、手洗い、うがいをする」といった行動を引き出します。

また、価値観はその人が大切に思っていること等です。礼儀・マナーを大切に思う人は、自身も意識的に、きちんと挨拶をするのではないでしょうか。

更に、習慣とはその人にとって当たり前のことです。知っている人に会ったときに無意識的に挨拶をするのは、その人の習慣になっているからです。中には挨拶をしないことが習慣になっている人もいるでしょう。

このように、「3つのカン」は、人の行動に良くも悪くも影響を与えます。

ただ、これらのこと、特に価値観と習慣は、文化からの影響を受けます。新しい職場に異動・転職したとき、会議のもち方一つとっても、様々なことに違和感を覚えます。しかし、数年経つとそれが当たり前になります。そして、その職場の会議に合わせて自然に振舞うようになります。その職場の文化に慣れ、習慣化したともいえるでしょう。

世の中の人々が、より良い行動をとるようになる(より良い行動とは何か?ということも説明する必要があるかもしれませんが…。)には、人々により良い価値観と習慣を醸成していくことが大切になってきます。

組織文化の研究者であるシャインは、文化とは人々の価値観や習慣、行動パターンの束であると説明しています。

結局、文化が人々の価値観や習慣を醸成する側面 【文化⇒人々の価値観、習慣】と、人々の価値観や習慣が文化を形成する側面 【人々の価値観、習慣⇒文化】があると言えるでしょう。文化と、人々の価値観、習慣は相互に影響を与え合うということです。相互に影響を与えながら、緩やかに文化が形成されていくのです。

かつては、「携帯電話なんか絶対にもたん!」といっていた年配の方が、今はスマホをもっている、なんてこともあるのではないでしょうか。

人々は、文化の変容と共に、緩やかに価値観を醸成し、行動してるとも言えるでしょう。

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