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そう、実は音楽好きでない日本人は低音部が聴けていない可能性がある...~高齢者向けの音楽療法について、その2~

俺の音楽療法の師匠である方がおっしゃったこと。

「僕が天文館でお店やってたとき、県庁の職員がピアノで『暴れん坊将軍の曲がいいので弾いてくれ』と言われたんだけどね、弾いてみたら何のリアクションもない。今弾きましたというと『いや、弾いたの?わからなかった』と言われた。好きだったり訓練を受けていない日本人はインストを理解できていない可能性があるよ」

これ、同じ問題ですね。歌詞とメロディは聞く癖はあるんだけれど、その他の音の要素を聴いていない。音楽の話の中でも「歌詞がいいんだよ~」というリアクションは多くても、「ベースラインが」という人は少ない。

ベンチャーズ以来バンドの音を聞くことに長けた人はともかく、幼児期青春期は昔からの音楽教育を受け、青年期壮年期は音楽を聴くけれど全要素を聴くわけではない。で、老年期になって音楽療法で...

あのね...それで音楽療法が成立するの?ものすごく高圧的に書いてはいるけれど、教育を受けたり教育期から離れたときに真剣に音楽聴いていた経験のない、メロディや歌詞しか見ていない人たちにどう音楽療法を展開するの?

はっきり言って無理ですよね。よく高齢者施設で器楽演奏させるレクやっているところもありますが、現状ほぼ打楽器じゃん。メロディや歌詞で音楽認識していた人間がいきなりリズム。しかも指導する人間も全員しっかりした音楽教育を受けているわけではない....

老健大会で器楽合奏をやりましたというケース紹介見たことがあるけれど、正直何だコイツラ、くらいしか思わなかった。演奏しているのが童謡だったからなおさら悪い。

そういう音楽療法は改めるべきだし、やってはいけないと思う。まあ介護する側の中に音楽教育を受けている人間がいるなら話は別でしょうが。

で、次回は日本人と音楽の歴史、それは音楽療法にどうつながるか、を紹介します。

実はこの件については資料ネットにアップしているんですが、それ読む前提としてこの文章は書き込んでいます。あしからず。

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